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第10回: 顧客関係管理~CRM~
執筆:及川 太朗

 

Customer Relationship Management

 

読者の皆さんの中には営業のお仕事をなさっている方も多いと思いますが、お客様から頂いた名刺の管理はどうされていますか?何か困っていることはありませんか?

 

l         名刺入れに入れっぱなしにしている。名刺入れがパンパンに膨らんで入りきらなくなってきている。

 

l         輪ゴムで留めて机の引き出しに入れている。後で必要な名刺を探すのが大変。

l         一覧できる名刺ホルダーに綺麗に並べて保管している。 目的によって分類の仕方や並べ方を変更したくなることがよくある。

 

l         スキャナーで読み込んでデジタルデータとして保存している。その情報は自分専用であり、部門内で共有されているわけではない。


上記に該当するものはありますか?いずれにしろ、色々と苦労していらっしゃる方は多いようですね。後ほど紹介致しますが、良い解決策があります。

 それでは、営業資料の管理についてはどういう状況ですか? 不便に思っていることはありませんか?

 

l         営業案件に関する資料をお客様毎に大きめの封筒に入れて分類している。特定の条件を満たすお客様の一覧表を作りたい時などは沢山の封筒を一つ一つ開けながら該当するお客様を探している。

 

l         資料が多いので分厚いバインダに綴じて共有棚に置いてある。資料は誰でも自由にアクセスできるのでセキュリティが心配だが特に対策はとっていない。外出先で資料の内容を確認したい時は職場に電話をかけて誰かに調べてもらっている。

 

l         お客様との打ち合わせの内容は個人のシステム手帳に全て書き込んである。この手帳を他の関係者に直接見せることはありえない。

 

l         各種の営業資料をExcelファイルや文書ファイルとしてサーバー上で共有している。 資料によっては1つのファイルの中に複数の顧客データが入っているので、個別にアクセス制限することができない。また、目的に合わせて複数のデータファイルに跨った横断検索をすることができない。

 

 

こちらについても様々な問題が存在しているようですね。思い当たるものが一つはあるのではないでしょうか。でも、大丈夫です。解決策はあります。

 

 

 さて、名刺を頂いているお客様も色々なタイプに分類できます。たとえば、次のようなお客様がいらっしゃいます。

 

A. 何かのイベントに参加して商品にちょっと興味を持っただけのお客様

 

B. 既に購入する気満々のお客様

 

C. 何度か購入実績のあるお客様

 

D. お付き合いの長い上得意様

 

 

A.のお客様は、適切にアプローチすれば契約へと発展させられるかもしれません。

B.のお客様は、商品カタログなどの資料や見積書をご用意する必要があります。

C.のお客様は、関連商品のご案内をすればまた興味を持ってくださるかもしれません。アフターサービスも大切です。

D.のお客様は、特別なキャンペーンや割引サービスを提供することで今後も末長くご贔屓にしてくださるかもしれません。

 

 皆様の職場では、お客様のタイプやニーズに合わせて、洩れ無く、個別の対応ができていますか?仮に営業担当者が交代した場合でも一元的な対応を続けられていますか?

 

どこの企業でも多かれ少なかれ抱えていると思われる上記のような状況に対応し、お客様とのコミュニケーションのあり方を見直すことで売り上げや利益率の向上を目指す考え方を「CRMCustomer Relationship Management」と言います。そして、Microsoft社が企業のCRM戦略を支援するために提供している製品が「Microsoft Dynamics CRM」です。 


 

Microsoft Dynamics CRM

 

CRM製品としては後発となるMicrosoft Dynamics CRMは、「誰でも使える」「すぐに使える」「すぐに情報を活用できる」ことを目指して開発されました。その特徴を全て挙げると大変な分量になりますので、今回は「使いやすさ」と「拡張性」の2つの観点から、一部のみをご紹介致します。


「使いやすさ」


● 基本機能

 Microsoft Dynamics CRMには良く使う機能が最初から組み込んであるため、導入後すぐに使うことができます。代表的な機能には以下のようなものがあります。

 

  1) 営業支援

Ø         商談管理、取引先/担当者管理、営業プロセス管理、営業分析など

  2)  マーケティング支援

Ø         キャンペーン管理、マーケティング活動管理、見込み客管理、ターゲットリスト管理、キャンペーン成果管理など

  3)  サービス/アフターサポート

Ø         サポート案件管理、フィールドサービス/サポートスケジュール管理、ナレッジベース/FAQ管理、サービス/サポート管理など

 

 名刺に記載されているような顧客情報は、取引先担当者や取引先企業、潜在顧客などの単位で登録され、個人または部門単位で共有/管理されます。営業資料は営業案件や活動などの単位で登録し、個人または部門単位で共有/管理されるとともに、各種顧客情報とリンクされます。マーケティング資料に関する情報も、サービス/サポートに関する情報も同様です。全てのCRMデータは顧客情報を中心に相互にリンクされています。

 

 営業担当者はどの情報からスタートしても関連する情報にたどり着けます。目的に合わせて様々な切り口で必要な情報を検索し、条件に合う顧客リストを出力したり、その顧客向けに自動的に編集されたメールを出したり、各種レポートを出力したりすることもできます。また、営業プロセスを管理したり、顧客との契約内容やこれまでのやり取りの履歴を確認したり、今後のサービス/サポートのスケジュール管理なども可能です。

 

 
● クライアント環境

 Microsoft Dynamics CRM を利用するためのクライアント環境は、Internet ExplorerでアクセスするWebベース、またはOutlookベースの両方を選択できます。

 ネットワーク接続されている環境さえあれば、Internet Explorerを起動してサーバー上で共有されているCRMデータにアクセスできます。また、オフライン対応のOutlookベースのクライアントを使用すれば、移動中やお客様先でもCRMデータを参照したり編集したりすることが可能です。(オフライン状態で編集した内容は後でオンライン状態に復帰した時に自動的に同期されます。)

 

 
● Microsoft Office
との連携

既に職場に普及しているMicrosoft Office製品と以下のような連携が可能です。

 

 ・ CRMデータをExcelで動的に表示

 ・ CRM顧客情報をWordに差し込んでダイレクトメールを作成

 ・ CRM活動予定とOutlook予定表の連携

 ・ Outlookのメール送信をCRM営業活動履歴として格納

 
● 顧客情報の検索と情報分析

顧客情報を様々な条件で抽出可能です。条件設定はプログラミング不要で容易に定義できますので、実際に情報を必要としている現場の営業担当者自身で作業可能です。また、情報分析のための定型レポート機能も最初から用意されています。

 



「拡張性」


● 容易なカスタマイズ

 

 他の多くのCRM製品では、カスタマイズのために高度な技術知識が要求されますが、Microsoft Dynamics CRMでは、ほとんどのカスタマイズにおいて、プログラミングや専門的な技術知識は不要です。ビジュアルなユーザーインターフェースで直感的に作業できますので、カスタマイズの権限さえ与えられていれば、現場を最も良く知る営業担当者が自分で、速やかに必要な設定を行うことができます。(高度な技術知識をもつ開発者のためのAPIも別途用意されています。)

 
● セキュリティ

ロールベースのセキュリティにより、必要な担当者だけが必要な機能や顧客情報にアクセスできるよう設定可能です。権限を与えられていない作業に関するメニューは表示されません。また、読み取りが許可されていない顧客データを見ることもできません。



以上のように、Microsoft Dynamics CRMには企業/組織のCRM戦略をサポートする多くの便利な機能が備わっています。来年には Microsoft Dynamics CRM 2011のリリースを控え、今後もさらにシェアを伸ばして行くと思われます。この機会に皆様も職場のCRM戦略を見直してみませんか?

 

 

 


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グローバルナレッジでは、Microsoft Dynamics CRM の研修コースを実施しています。
Microsoft Dynamics CRM 4.0 管理者、開発エンジニア、コンサルタント向けコースフロー


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及川 太朗

グローバル ナレッジネットワーク株式会社で、ITプロフェッショナル向け教育コースを担当。
これまでに担当した教育分野はOS/ネットワークの運用管理系、プログラム開発系、データベース系、人材開発系と多岐に渡る。
現在は Micosoft製品関連のコースを中心に担当している。

 


[CRM][2010年11月 2日配信]

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