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第14回: 従量制と定額制
執筆:横山 哲也

IT業界のヒーローは、「仮想化」から「クラウド」に交代しました。もっとも、クラウドサービスの多くは内部で仮想化機能を使っていますから、交代というより進化というところでしょうか。アニメ「美少女戦士セーラームーン」から「セーラームーンR」や「セーラームーンS」へ続く過程と似たようなものです。おっと、たとえが難しくてすみません。これらのシリーズは、主要キャラクタは変わらず、サブキャラクタが増えていったのです。つまり、仮想化が... いや、そんな話はいいですね。

クラウドの台頭は、IT業界に大きなパラダイムシフト(考え方の大転換)を生みました。それは「所有から利用」の流れです。「最初にサーバー機器を購入し、数年間かけて償却する」というのではなく、「必要なサーバー機能をクラウド業者と契約し、使った分だけ料金を支払う」というのがクラウドの基本的な考え方です。

「使った分だけ払う」ことで、ITの初期投資を極限まで減らせます。予想以上のリソース(CPUパワーやディスク容量など)が必要になったら、即座に拡張できるのもクラウドの特徴です。これにより「調達したサーバーの能力が低すぎてサービスが提供できない」、あるいは逆に「調達したサーバーの能力が高すぎて無駄な投資になった」というリスクを最小限に留めることができます。

ただし、困ったこともあります。それは予算が立てにくいということです。クラウドを提供するベンダーは「電気代は元々従量制だから、それと同じと考えればいい」と言いますが、電気代はある程度予想ができます。特定の日だけ100倍の電力を消費するなんてことはまずないでしょう。しかし、サーバーへのアクセスは全く予想できないこともあります。完全な変動費はちょっと(ちょっとだけですが)使いにくい面があるのは確かです。

浜崎あゆみが、Twitterで化粧品を紹介したところ、販売会社のWebサイトが落ちてしまったそうです。クラウドサービスは、アクセスが急増したときに自動的に処理能力を増やす仕組みを持つ場合があります。こうしたサービスを使っていればWebサイトが落ちることはなかったかもしれません。しかし、使った分はしっかり課金されますから、予想外の出費が発生してしまうかもしれません。

実際には、自動増強の機能を使わないという選択肢もあるでしょう。また、一定以上課金させない(性能に上限を設定する)ことも可能な場合がほとんどです。いずれも従量制の欠点を補う仕組みです。

過去の例を見ると、ITのインフラは定額制になってから普及しています。米国でインターネットが比較的早い時期に普及したのは電話の市内通話に定額オプションがあったからだと言われています。日本でインターネットが一般化したのは、23時から8時までに限定した定額電話料金制度「テレホーダイ」が始まってからです。ADSLや光ファイバは定額制しかありません。携帯電話でインターネットを利用している人は、ほぼ全員がパケット定額制(あるいは何らかの上限付料金)を契約していることでしょう。全く個人的な意見ではありますが、クラウドだけが完全従量制を維持できるとは思えないのです。

さて、私たちグローバルナレッジネットワークの提供する教育サービスは「1回いくら」で価格が設定されています。1回の価格は、コースの難易度や集客力、製品展開戦略などを考慮して決定されますが、基本的には「1日いくら」がベースになっています。1日間コースよりも安い5日間コースは原則としてあり得ません。

しかし、それでは教育予算が立てにくいという意見も頂いています。大手企業の場合は、技術者育成の年間計画から関わらせて頂くことも可能ですので、是非ご相談ください。ただし、変化の激しいIT業界で1年間の教育スケジュールを決めることは難しいかもしれません。特に教育予算の絶対額が限られる中堅企業では、予定外の教育コストは避けたいものでしょう。

グローバルナレッジでは、従業員数300名以下の企業に対して、定額制の教育コース提供プログラム「GKラーニング・クラブ」を開始しました。

GKラーニングクラブは、午前または午後の2時間から3時間で完結するセミナーを月額固定料金で提供します。また、受講者数や受講回数に制限はありません(同じクラスへの同時受講については制限があります)。

必要な知識をピンポイントで習得できる上、予算化が容易な「GKラーニング・クラブ」をぜひご検討ください。今なら無償モニター受講制度も利用できますので、内容を実際に確認していただくこともできます。


追記

GKラーニングクラブは、サービス提供開始を当分の間見合わせております。


 

横山 哲也

グローバル ナレッジネットワーク株式会社で、ITプロフェッショナル向け教育コースの企画・開発・実施を担当。Windows 2000のMCSEとしては世界で最初の2000人に入った(当時のインタビュー記事)。2003年にはWindows Server 2003のMCSA、2004年にMCSE、2008年8月にはWindows Server 2008のMCITP(Server AdministratorおよびEnterprise Administrator)を取得するなど、常に最新の資格を維持している。


Windows 関連コースのBlogも執筆中。 「千年Windows

 


[クラウド][2011年3月 8日配信]

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