Global Knowledge Japan

Win Win Windows
ホーム > Win Win Windows > 2010年

Win Win Windowsコラム
第11回: Windows Azure に思う ~The Microsoft Conference + Expo Tokyo に参加して~
執筆:芝山 賢

 

●みんなで雲(クラウド)に乗る

石井桃子氏の児童文学作品である「ノンちゃん雲にのる」。読んだことがある人はもちろん、読んだことがなくてもタイトルくらいは知っている人が多いと思います。ICT業界において雲といえばクラウド。関連ニュースを見ていると、クラウドについて書かれていない日はないくらい非常に注目されていますし、クラウドベースのさまざまなサービスが各社から発表されています。ICT業界全体が雲(クラウド)に乗る、と言った状況ではないでしょうか。


 

●雲(クラウド)を抜けるとそこには青い空(Azure)


マイクロソフトのクラウドと言えば「Windows Azure」です。2008年のProfessional Developer Conference(PDC)Windows Azureが発表され、2010年に本格サービスインしたのは皆様の記憶に新しいことと思います。そんな中、The Microsoft Conference + Expo Tokyo が2010年1125日~26日に開催されました(同時にPDC10も同じ場所で開催されました)

セッション内容は雲(クラウド)一色、と言っても良いくらいマイクロソフトのクラウドに関連したセッションが多数開催されていました。また、PDC10ではWindows Azure上のアプリケーション開発や、Windows Phone 7の開発に関連するセッションが開催されていました。マイクロソフトがクラウド、特にWindows Azureビジネスに力を入れていることが肌で伝わってくるようなカンファレンスで、まさに、雲(Cloud)をぬけるとそこには青い空(Azure)が待っている、という感じでした。


 

Cloud Power ~未来へと続く新しいチカラ~


カンファレンス会場でまず目についたのが、配布されていた紙袋。本カンファレンスから使用が開始された新しいロゴと「Cloud Power」と記された水色の紙袋は非常に爽やかな色合いのものでした。歯車のような形をした部品が全体として雲の形を成しているそのロゴは、パートナー企業とともにマイクロソフトが今後もクラウドを力強く推進することを表現しているのだそうです。

キーノートセッションは、初日は代表執行役社長の樋口泰行氏が、2日目はデベロッパー&プラットフォーム統括本部長である大場 章弘氏が担当されました。


キーノートセッションの中で特に面白いと感じたものの1つは、新しいサービス(製品)のデモンストレーションです。特にOffice 365Windows Phone 7やスレートPCなどのデバイスを使用して、Azure上で行うデータ連携のデモでは非常に興味深いものでした。特に、20111月から提供開始予定のDynamics CRM Onlineはオンプレミス版よりもバージョンが先行しており、マイクロソフトがクラウドに取り組む真剣さが伝わってきます。その他、System CenterWindows IntuneMarketPlaceなどもデモンストレーションされ、Azureを軸とした今後のサービス展開が非常に楽しみな内容でした。


 

WebロールにWorkerロール、ロールにいろいろあるけれど・・・


Windows Azure上でのアプリケーション開発の話の中に必ず出てくる言葉として「Webロール」「Workerロール」というものがあります。簡単に言えば、IIS7上で実行可能なアプリケーション、例えばASP.NETアプリケーションを動作させる場合には「Webロール」を、IIS7を必要としないアプリケーション、例えばバッチ処理を行うアプリケーションは「Workerロール」を使用します。


その2つのロールに加えてVMロールが追加されました。VMロールは、既存のオンプレミスアプリケーションをWindows Azureに移行しやすくするための機能です。Windows Server上で動作するアプリケーションをそのままWindows Azure上で実行するために、VMイメージを作成してAzure上で動作させます。初期のVMロールではWindows Server 2008 R2のみのサポートのようですが、将来的にはWindows Server 2003のサポートも予定されています。

 

 

.NETだけじゃないんです


Windows Azure上のアプリケーション開発は、C#VBなど.NET対応のプログラミング言語の使用が必須であるようなイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、2日目のキーノートセッション内で、大場氏はWindows Azure.NETベースのアプリケーションだけでなく、JavaPHPなどを活用したオープンソースベースのアプリケーションにも対応しており、開発に必要なSDKや開発情報を提供することを強調していました。

同時開催のPDC10におけるセッション内でも、統合開発環境としてEclipseを利用し、JavaPHPWindows Azure対応のアプリケーションを開発するデモンストレーションがありました。
Windows Azure
.NETアプリケーションだけでなく、JavaPHPなどで開発したアプリケーションのプラットフォームとしての可能性を感じます。



DeveloperDeveloperDeveloper


大場氏はキーノートセッションの終盤で、米マイクロソフトCEOのスティーブ バルマー氏の口癖ともいえる「DeveloperDeveloperDeveloper」という言葉を引き合いに出して、今後もマイクロソフトが全社をあげて開発者支援を行っていくと力強く話していました。発表された新機能にも一部対応しているWindows Azureの最新SDK11月末にリリースされています。開発環境を含め、今後開発者がどのようなサポートをマイクロソフトから受けられるのか、非常に期待しています。

 

●積極的に取り組むクラウドにおける協業


キーノートセッション内では、パートナー企業によるクラウドにおける協業の説明や、Windows Azureを活用した先進的な取り組み事例なども多く取り上げられました。

本年7月に館林にある富士通のデータセンターに、Windows Azureベースのクラウドサービスを提供していくことで富士通とマイクロソフトが戦略的協業をしていくことが発表されたことは皆様の記憶に新しいことと思いますが、10月には、NTTコミュニケーションズとのハイブリットクラウドサービスの提供での協業を、そして11月にはNTTデータとの協業を発表しました。独自のクラウドサービスを展開している企業間でクラウドビジネスにおいて協業することはサービス利用者にとっての選択肢が広がることにつながるのではないでしょうか。このような協業によって、オンプレミスアプリケーションのクラウドへの移行がより加速されていくことでしょう。


 

●進化を続けるWindows Azure、広がりつづけるクラウド

 

Windows Azure については、これまで述べてきたサービスや機能拡張だけでなく、SQL AzureAppFabricなどでも機能拡張が行われています。今後も継続的に新しいサービスのリリースや機能拡張が行われていくことでしょう。Windows Azureはどんどん進化し続けています。これまでWindows Azureとは接する機会が全くなかった人でも、今後は何かしらの形でWindows Azureに関係していく可能性が高いのではないかと思います。Windows Azureの今後の動きから目が離せません。

Windows Azureだけでなく、クラウドコンピューティングをベースにした様々なビジネスが広がりをみせる現状を考えると、私たちもしっかり雲に乗ってサービスを提供していきたいと思うのでした。

 

(キーノートセッションの様子は、以下のURLにてオンデマンド配信されています)

 

http://www.microsoft.com/japan/cloud/msc2010/digital/default.mspx

 

 


 


  

芝山 賢 (しばやま さとし)

グローバル ナレッジネットワーク株式会社で、ITプロフェッショナル向け教育コースの企画・実施を担当。マイクロソフト認定プロフェッショナル デベロッパー(MCPD)。
これまでに担当した教育分野はOS/ネットワークの運用管理系、プログラム開発系、人材開発系と多岐に渡る。毎年、新入社員研修(NEW TRAIN)のプロジェクトマネージャを担当、多数の新入社員から絶大の信頼を得ている。
現在は Micosoft Develper関連のコースを中心としたプロダクトマネージャを担当している。

 


[Windows Azure][2010年12月 6日配信]

Win Win Windowsコラム
第10回: 顧客関係管理~CRM~
執筆:及川 太朗

 

Customer Relationship Management

 

読者の皆さんの中には営業のお仕事をなさっている方も多いと思いますが、お客様から頂いた名刺の管理はどうされていますか?何か困っていることはありませんか?

 

l         名刺入れに入れっぱなしにしている。名刺入れがパンパンに膨らんで入りきらなくなってきている。

 

l         輪ゴムで留めて机の引き出しに入れている。後で必要な名刺を探すのが大変。

l         一覧できる名刺ホルダーに綺麗に並べて保管している。 目的によって分類の仕方や並べ方を変更したくなることがよくある。

 

l         スキャナーで読み込んでデジタルデータとして保存している。その情報は自分専用であり、部門内で共有されているわけではない。


上記に該当するものはありますか?いずれにしろ、色々と苦労していらっしゃる方は多いようですね。後ほど紹介致しますが、良い解決策があります。

 それでは、営業資料の管理についてはどういう状況ですか? 不便に思っていることはありませんか?

 

l         営業案件に関する資料をお客様毎に大きめの封筒に入れて分類している。特定の条件を満たすお客様の一覧表を作りたい時などは沢山の封筒を一つ一つ開けながら該当するお客様を探している。

 

l         資料が多いので分厚いバインダに綴じて共有棚に置いてある。資料は誰でも自由にアクセスできるのでセキュリティが心配だが特に対策はとっていない。外出先で資料の内容を確認したい時は職場に電話をかけて誰かに調べてもらっている。

 

l         お客様との打ち合わせの内容は個人のシステム手帳に全て書き込んである。この手帳を他の関係者に直接見せることはありえない。

 

l         各種の営業資料をExcelファイルや文書ファイルとしてサーバー上で共有している。 資料によっては1つのファイルの中に複数の顧客データが入っているので、個別にアクセス制限することができない。また、目的に合わせて複数のデータファイルに跨った横断検索をすることができない。

 

 

こちらについても様々な問題が存在しているようですね。思い当たるものが一つはあるのではないでしょうか。でも、大丈夫です。解決策はあります。

 

 

 さて、名刺を頂いているお客様も色々なタイプに分類できます。たとえば、次のようなお客様がいらっしゃいます。

 

A. 何かのイベントに参加して商品にちょっと興味を持っただけのお客様

 

B. 既に購入する気満々のお客様

 

C. 何度か購入実績のあるお客様

 

D. お付き合いの長い上得意様

 

 

A.のお客様は、適切にアプローチすれば契約へと発展させられるかもしれません。

B.のお客様は、商品カタログなどの資料や見積書をご用意する必要があります。

C.のお客様は、関連商品のご案内をすればまた興味を持ってくださるかもしれません。アフターサービスも大切です。

D.のお客様は、特別なキャンペーンや割引サービスを提供することで今後も末長くご贔屓にしてくださるかもしれません。

 

 皆様の職場では、お客様のタイプやニーズに合わせて、洩れ無く、個別の対応ができていますか?仮に営業担当者が交代した場合でも一元的な対応を続けられていますか?

 

どこの企業でも多かれ少なかれ抱えていると思われる上記のような状況に対応し、お客様とのコミュニケーションのあり方を見直すことで売り上げや利益率の向上を目指す考え方を「CRMCustomer Relationship Management」と言います。そして、Microsoft社が企業のCRM戦略を支援するために提供している製品が「Microsoft Dynamics CRM」です。 


 

Microsoft Dynamics CRM

 

CRM製品としては後発となるMicrosoft Dynamics CRMは、「誰でも使える」「すぐに使える」「すぐに情報を活用できる」ことを目指して開発されました。その特徴を全て挙げると大変な分量になりますので、今回は「使いやすさ」と「拡張性」の2つの観点から、一部のみをご紹介致します。


「使いやすさ」


● 基本機能

 Microsoft Dynamics CRMには良く使う機能が最初から組み込んであるため、導入後すぐに使うことができます。代表的な機能には以下のようなものがあります。

 

  1) 営業支援

Ø         商談管理、取引先/担当者管理、営業プロセス管理、営業分析など

  2)  マーケティング支援

Ø         キャンペーン管理、マーケティング活動管理、見込み客管理、ターゲットリスト管理、キャンペーン成果管理など

  3)  サービス/アフターサポート

Ø         サポート案件管理、フィールドサービス/サポートスケジュール管理、ナレッジベース/FAQ管理、サービス/サポート管理など

 

 名刺に記載されているような顧客情報は、取引先担当者や取引先企業、潜在顧客などの単位で登録され、個人または部門単位で共有/管理されます。営業資料は営業案件や活動などの単位で登録し、個人または部門単位で共有/管理されるとともに、各種顧客情報とリンクされます。マーケティング資料に関する情報も、サービス/サポートに関する情報も同様です。全てのCRMデータは顧客情報を中心に相互にリンクされています。

 

 営業担当者はどの情報からスタートしても関連する情報にたどり着けます。目的に合わせて様々な切り口で必要な情報を検索し、条件に合う顧客リストを出力したり、その顧客向けに自動的に編集されたメールを出したり、各種レポートを出力したりすることもできます。また、営業プロセスを管理したり、顧客との契約内容やこれまでのやり取りの履歴を確認したり、今後のサービス/サポートのスケジュール管理なども可能です。

 

 
● クライアント環境

 Microsoft Dynamics CRM を利用するためのクライアント環境は、Internet ExplorerでアクセスするWebベース、またはOutlookベースの両方を選択できます。

 ネットワーク接続されている環境さえあれば、Internet Explorerを起動してサーバー上で共有されているCRMデータにアクセスできます。また、オフライン対応のOutlookベースのクライアントを使用すれば、移動中やお客様先でもCRMデータを参照したり編集したりすることが可能です。(オフライン状態で編集した内容は後でオンライン状態に復帰した時に自動的に同期されます。)

 

 
● Microsoft Office
との連携

既に職場に普及しているMicrosoft Office製品と以下のような連携が可能です。

 

 ・ CRMデータをExcelで動的に表示

 ・ CRM顧客情報をWordに差し込んでダイレクトメールを作成

 ・ CRM活動予定とOutlook予定表の連携

 ・ Outlookのメール送信をCRM営業活動履歴として格納

 
● 顧客情報の検索と情報分析

顧客情報を様々な条件で抽出可能です。条件設定はプログラミング不要で容易に定義できますので、実際に情報を必要としている現場の営業担当者自身で作業可能です。また、情報分析のための定型レポート機能も最初から用意されています。

 



「拡張性」


● 容易なカスタマイズ

 

 他の多くのCRM製品では、カスタマイズのために高度な技術知識が要求されますが、Microsoft Dynamics CRMでは、ほとんどのカスタマイズにおいて、プログラミングや専門的な技術知識は不要です。ビジュアルなユーザーインターフェースで直感的に作業できますので、カスタマイズの権限さえ与えられていれば、現場を最も良く知る営業担当者が自分で、速やかに必要な設定を行うことができます。(高度な技術知識をもつ開発者のためのAPIも別途用意されています。)

 
● セキュリティ

ロールベースのセキュリティにより、必要な担当者だけが必要な機能や顧客情報にアクセスできるよう設定可能です。権限を与えられていない作業に関するメニューは表示されません。また、読み取りが許可されていない顧客データを見ることもできません。



以上のように、Microsoft Dynamics CRMには企業/組織のCRM戦略をサポートする多くの便利な機能が備わっています。来年には Microsoft Dynamics CRM 2011のリリースを控え、今後もさらにシェアを伸ばして行くと思われます。この機会に皆様も職場のCRM戦略を見直してみませんか?

 

 

 


☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・


グローバルナレッジでは、Microsoft Dynamics CRM の研修コースを実施しています。
Microsoft Dynamics CRM 4.0 管理者、開発エンジニア、コンサルタント向けコースフロー


☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・ ☆ ・

 


  

及川 太朗

グローバル ナレッジネットワーク株式会社で、ITプロフェッショナル向け教育コースを担当。
これまでに担当した教育分野はOS/ネットワークの運用管理系、プログラム開発系、データベース系、人材開発系と多岐に渡る。
現在は Micosoft製品関連のコースを中心に担当している。

 


[CRM][2010年11月 2日配信]

Win Win Windowsコラム
第9回: 複数資格を取ろう
執筆:横山 哲也

 マイクロソフトやシスコシステムズなど、多くのITベンダーは認定資格試験を実施しています。たいていの場合、資格試験はいくつかの種類に分かれています。今回は、複数の資格を取ることのメリットについてお話します。


私は主にWindows系を担当しているので、マイクロソフトの場合を紹介します。ほかのベンダーでも似たような状況のはずです。


マイクロソフトの認定資格試験の合格者をMCP(マイクロソフト認定プロフェッショナル)と呼びます。MCPは、特定の製品技術の内容を習得したことを証明する「MCTS(Microsoft Certified Technology Specialist)」と、システム管理分野の職務遂行能力を証明する「MCITP(Microsoft Certified IT Professional)」、システム開発分野の職務遂行能力を証明する「MCPD(Microsoft Certified Professional Developer)」があります。


多くの方は、MCTSを取得したら上位資格を狙うのですが、違う分野の資格を狙ってみるのもいいかもしれません。


コンピュータの単体性能を上げることを「スケールアップ」、台数を増やして性能を上げることを「スケールアウト」といいます。資格試験も、上位資格を狙う「スケールアップ」だけでなく、仕事の幅を広げる「スケールアウト」も狙ってみてはどうでしょう。

 

WinWinWin-2 small.JPG

 

●上位資格と関連資格を狙う
MCTSは1科目の試験に合格するだけで取得できます。しかし、単にMCTSを取得するだけでは、特定の製品について知っていることしか意味しません。MCTSであれば「来週、新入社員が1人配属されるから、PCにWindows 7をインストールして、必要なアプリケーションのインストールと設定をしておいてね」と言われるだけで正しい処理を行えます(こうした知識は 「70-680: TS: Windows 7, Configuring」で扱います)。


しかし、入社する社員が100人だったらどうでしょう。何らかの自動処理をしたいところですよね。Windows Serverには「Windows展開サービス(WDS)」が含まれており、1台の参照コンピュータ(基準コンピュータ)の内容を複製し、簡単に配布できます。


ところが、WDSはサーバーの機能なので、Windows Serverの管理知識が必要です。しかし、展開されるのはWindows 7ですからクライアントの知識も必要です。


MCITP資格で 「70-686: PRO: Windows 7, Enterprise Desktop Administrator 」は、WDSの基本的な内容が含まれます。


ただし、Windows Serverの構成計画やネットワーク設計に関してはさらに別の知識が必要で、 「70-647 :PRO: Windows Server 2008, Enterprise Administrator 」などでカバーしています。


このように、クライアント管理一つをとっても、実際の業務を行うにはMCTSでは不十分で、最低でもMCITPは必要です。しかも、多くの場合は複数のMCITP資格が必要です。一人前の技術者になるにはMCTSではなく、MCITPやMCPDのような上位資格が必須です。


●異なる分野の資格を狙う
もうひとつ、全く違う分野の資格を取得することで、自分の価値の幅を広げる方法もあります。たとえば、現在システム管理をしている方が、開発者向けの資格を取るような場合です。


最近、IT業界では「クラウド」という言葉が毎日飛び交っています。クラウドには多くの利用形態があり、さまざまな予測が行われていますが、共通した意見は「システム管理者の仕事が減少し、相対的に開発者の役割が高まる」ということです。もちろんシステム管理者の仕事がなくなるわけではありませんし、仕事の価値が下がるわけでもありません。ただし、仕事量は確実に減るでしょう。


マイクロソフトが提供するクラウドサービス「Windows Azure」では、既存の社内システムとの連携を行うアプリケーションを開発できます。現在の社内システムに最も詳しいのは、もちろん現在のシステム管理者です。そのシステム管理者がWindows Azure上の開発知識を持っていれば、業務システムとの連携がさらにうまくいくであろうことは容易に想像できるはずです。


Windows AzureのMCP試験は、現在ベータテスト中で、まだ提供されていませんが、Windows Azureのプログラム基盤はMicrosoft .NETです。今から.NETの試験にチャレンジすることで、近い将来のクラウド化にスムーズに対応できるでしょう。


●複数資格を取ろう
ベンダー資格は1つだけでも価値がありますが、複数取得することでその価値が大きく高まります。


1つは上位資格や関連資格を取得することで、業務に直結した能力の証明になります。


もう1つは、新たな分野の資格を取得することで、自分の知識の幅を広げ、将来のトレンドの変化(たとえばクラウド化)に対応できます。


クラウドのさまざまなメリットは「スケールアウト」に由来します。クラウド時代を迎えようとしている現在、人間も「スケールアウト」を検討してはどうでしょう。

 

☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・

 

 「セカンドショットプラスキャンペーン」実施中

 

専用のキャンペーンバウチャのパッケージをご利用いただくと、最大20%割引。
さらに安心のセカンドショット機能付き。1回目の受験が不合格だった場合でも
追加料金なしで再チャレンジできます。

 

☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・☆・


 

 


 

横山 哲也

グローバル ナレッジネットワーク株式会社で、ITプロフェッショナル向け教育コースの企画・開発・実施を担当。Windows 2000のMCSEとしては世界で最初の2000人に入った(当時のインタビュー記事)。2003年にはWindows Server 2003のMCSA、2004年にMCSE、2008年8月にはWindows Server 2008のMCITP(Server AdministratorおよびEnterprise Administrator)を取得するなど、常に最新の資格を維持している。

Windows 関連コースのBlogも執筆中。 「千年Windows」

 


[資格取得][2010年10月22日配信]

Win Win Windowsコラム
第8回: コンピュータイメージの引っ越し ~WDSのすすめ~
執筆:片岡 正枝

弊社グローバルナレッジは、このたび本社および研修ルームを移転しました。

きれいにリフォームされた環境は、とても気持ちがいいですね。ぜひ見ていただきたいのは、まずは20F研修ルームの受付。水を流したらスパか何かの受付のようにおしゃれなデザインです。そして休憩スペース。窓が広く取られた空間は研修で疲れた頭をリフレッシュさせてくれるでしょう。


オフィス移転に伴い、一部の教室のマシンも高スペック機種に一新されました。
マイクロソフトが提供しているMicrosoft Universityの一連コースは、ほとんどがHyper-VやVirtual Serverなどのサーバー仮想化環境で演習が用意されています。仮想サーバーを3台、4台と同時に起動することも多く、どうしてもメモリ搭載量やディスクマシン速度にパフォーマンスが左右されます。新マシンでは、仮想マシンもサクサク動きます。反応が悪い、重いといったストレスを感じることはもうなさそうですね。

 


講義(横山さん).JPG

 

オープン直後の新・研修ルームで、新・コンピュータを使ってコースが提供できたのは、Windows展開サービス(WDS)を利用した研修環境のセットアップ用イメージを用意していたからです。イメージのほとんどがちょっとした手直しでそのまま利用できました。
WDSとは、Windows Server 2008から追加されたOS展開機能です。同じ構成のクライアントコンピュータや、サーバーを複数台または大量に迅速に用意しなければいけない時などに便利です。


●WDSを利用するメリット


✔ コンピュータの大量展開が簡単にできる


標準コンピュータを構成してWDSサーバーにそのままイメージを吸い上げて展開するのであれば、複雑な操作や特殊な知識は不要です。ターゲットコンピュータをネットワークブートし、イメージを選択するだけで展開できます。


✔ Windows OSのネットワークインストールができる


Windows Vista、Windows Server 2008、Microsoft Windows XP、Microsoft Windows Server 2003 の展開がサポートされています。


✔ 標準的なWindows Server 2008 セットアップ技術の利用


Windows PE(プレインストール環境)や.wimファイル、イメージベースのセットアップなどWindows Server 2008のセットアップの技術を使用しています。別途ツールを用意する必要はなく、すべてWindowsの機能で展開できます。


✔ ハードウェアに依存しない展開


新技術のイメージベースのセットアップは、ハードウェアに依存しません。そのため、混在するコンピュータごとにイメージを用意することなく、1つのイメージで対応できます。


✔ イメージのカスタマイズができる


展開時に応答ファイルを使ってインストールを自動化したり、カスタマイズができます。また、オフラインでファイルを追加することも可能なので、新たなデバイスを使用するコンピュータ用にデバイスドライバや、他言語環境用に言語パッケージを追加することも可能です。


●WDSのしくみ 

 

WDS_v2.JPG

 

WDSサーバーには標準コンピュータのコンピュータイメージを保存しておきます。ターゲットとなるコンピュータはネットワークブートで起動します。それらのコンピュータはWDSサーバーに接続をしてイメージをダウンロードし、適用して同じ構成のコンピュータが構築されます。
コンピュータのイメージは、標準となるコンピュータにOSと使用するアプリケーションをインストールして必要な設定をしたのち、作成します。簡単に作成するのであれば、WDSサーバーからネットワーク経由でイメージをキャプチャするといいでしょう。


WDSをつかったWindows OSの展開は、 「Windows 7 標準クライアント環境の構築と展開」(MSC0260V)で扱っています。イメージの作成からサーバーの構築、展開作業まで網羅した1日間のコースです。

新しい研修ルームにぜひお越しください。お待ちしております。


 



グローバル ナレッジネットワーク株式会社で、ITプロフェッショナル向け教育コースを担当。

古くはC言語、BASIC、アセンブラなどのプログラム開発のコースを担当していたが、
1995年よりマイクロソフト認定トレーナーとしてマイクロソフトのプロダクトに関するコースを担当。
現在は、Windows Server 2008や仮想化、Exchange Server 2007などのコースを担当する。


[][2010年10月12日配信]

Win Win Windowsコラム
第7回: Web アプリケーション フレームワークを有効活用しましょう
執筆:鈴木 和久

●手早くおいしい物をつくりたいのです

 

必要に迫られて台所に立つことがあります。とりたてて料理好きという訳ではありませんし、残念ながら上手でもありません。できるだけ「おいしいもの」を作りたいので、少ないレパートリーの中からなにかしら手作り感のあるものをと奮闘するのですが、食べ盛りの子供が「すぐになにか食べたい」と間断なく主張を繰り返すなか調理するとなると、結局「下ごしらえ済みの食材」のお世話になる訳です。

よく使うのが、ホールトマト缶です。しかも、こまかくカットされたもの。これがあれば、ミネストローネとかチキントマト煮込み、煮込みハンバーグなどのレシピのハードルを下げてくれます。大豆水煮缶とか固形スープの素とかもいろいろな料理で使います。
これらの「食材」がなかったら私のレパートリーはさらに限られたものになるでしょうし、調理にかかる時間、出来上がり具合などもレベルダウンすること必至です。

 


●アプリケーション フレームワークはソフトウェアの食材

 

ソフトウェア開発の世界で、「下ごしらえ済みのソフトウェア部品」と言えるのが「アプリケーション フレームワーク」です。一般的にはクラスライブラリの形式で提供されるクラスのセットを指すことが多いようです。人によってフレームワークの範囲が異なる場合がありますが、ここでは、OSが提供するシステムコールや言語に組み込まれた関数群などは含まず、「具体的な用途向けに最適化されたソフトウェア部品のセット」と定義します。
Microsoft から提供されているアプリケーション フレームワークが .NET Framework です。2002 年にバージョン 1.0 がリリースされ、1.1(2003年)、2.0(2005年)、3.0(2006年)、3.5(2008年)、4.0(2010年)とバージョンアップを重ねています。4,000個を超える膨大なクラス群と20種以上のプログラミング言語に対応した共通言語ランタイムから構成されます。様々なアプリケーションのタイプ毎にグループ化されたクラスライブラリの中で、Web アプリケーション向けのものは ASP.NET と呼ばれます。

 

●Web アプリケーション フレームワークの選択肢がいろいろ

 

ASP.NET の中でも、アーキテクチャやデザイン パターンによっていくつかのフレームワークに分類されます。

 

(1) Web フォーム
.NET Framework 1.0から提供されています。サーバー コントロールと呼ばれるクラスによって、ブラウザ毎に最適化された HTML の自動生成と、クライアント側イベントをサーバー側で処理するための包括的なフレームワークを提供します。MVC(Model View Controller)アーキテクチャの実装パターンとして、ページ毎に独立したコントローラ クラスを実装するページコントローラ パターンを適用することが可能です。MVCは、ユーザーインターフェイスを持つアプリケーションを、データ構造(モデル)、表示と入力(ビュー)、および制御(コントローラ)に分割し、プログラムの拡張性向上を目指す設計手法です。

 

(2) ASP.NET AJAX
.NET Framework 3.5から標準提供されました。Web フォームに組み込まれるサーバー コントロールのセットで、Ajax(Asynchronous JavaScript + XML)機能を、ASP.NET に統合します。ページの部分更新のためのクライアント側 JavaScript の自動生成と、クライアント側のユーザー インターフェースを拡張する Microsoft AJAX Library で構成されます。

.NET Framework 4.0 からは後者の役割として、jQuery(JavaScriptライブラリ標準)も正式サポートされました。

 

(3) ASP.NET MVC
.NET Framework 4.0から標準提供されました。MVC アーキテクチャを、単一のコントローラ クラスによって実装するフロント コントローラ パターンを採用しています。

MVCアーキテクチャの実装パターンによって、「Webフォーム」、「ASP.NET MVC」のどちらかを選択することができます。
また、ASP.NET は別に Silverlight と呼ばれる Web アプリケーション フレームワークも提供されています。Silverlight は、Web ブラウザのプラグインとしてインストールされるクライアント側のテクノロジです(Mac OS Xもサポートされます)。プラグインには .NET Framework for Silverlight と呼ばれる .NET Framework のサブセットが含まれます。C# などの言語で作成された Silverlight アプリケーションは、OBJECT タグによって Web ページに組み込まれ、プラグインによって実行されます。JavaScript だけでは実現できない高度な RIA(Rich Internet Application)を実装することを可能にします。

 


●アプリケーション フレームワークを有効活用するために

 

アプリケーション フレームワークの使用目的は、「開発生産性の向上」と「成果物の品質の均一化」でしょう。ただ、この目的は、使用するアプリケーション フレームワークの機能と仕組みをしっかり理解しないと達成することは困難だと思います。アプリケーション フレームワークは、一定の開発ルールを開発者に課しますので成果物の破たんをある程度抑制してはくれますが、それには限界があります。また生産性の向上は、言うまでもなく「使い慣れている」ことが前提です。

グローバルナレッジでは、アプリケーション フレームワークを短期間で効果的に修得していただくための研修をご提供します。

 

ASP.NETプログラミング ~Visual Studio 2008によるWebアプリケーション開発~(MSC0174G)

  

ASP.NET Ajaxプログラミング ~ASP.NET Ajaxによるリッチユーザーインターフェース構築~(MSC0176G)

  

速習Silverlightプログラミング ~SilverlightによるRIA開発概要~(MSC0215G)

 

 



鈴木 和久
グローバル ナレッジネットワーク株式会社で、ITプロフェッショナル向け教育コースを担当。
現在は、Micosoft ,NETを中心に、研修の企画、開発、実施を行う。

「基礎からのASP.NET」(ソフトバンククリエイティブ発行)をグローバルナレッジ 目時秀典と共著。
講師が執筆した書籍・寄稿記事関連はこちら 


[.NET Framework][2010年9月14日配信]

Win Win Windowsコラム
第6回: 新しい分野にチャレンジすること
執筆:今村 靖広

現在、私はIT関連の講師をしています。ご存知のように「IT」の分野はとてつもなく幅広く、多岐にわたっています。また、さまざまな分野の技術が連携して動作しているため、1つの分野をある程度極めても、それはまた新しい謎への第一歩...
そのため、ある程度ベテランの域に達した現在でも、ほぼ毎年新しい分野へのチャレンジが待っています。

個人的には、その「新しい分野」の中でも、特に大きかった分野の1つが、現在、担当しているSQL Server(データベース)の分野であると思っています。Microsoft 製品を担当されている方の中には「SQL Serverの知識を修得したい」と思っている人は多いと思います。しかし、この分野を学習するためにはシステム管理とネットワーク、それにプログラミングの知識も必要になるため、とりあえず「後回し」にして、なかなか一歩を踏み出せない方も多いのではないでしょうか?
しかし、逆に言えば、この分野の知識を身につければ、「IT」の全体像がある程度は見えてくることになるのではないかと思います。さあ、勇気を出して、その「第一歩」を踏み出しましょう!


今回はSQL Server 2008で新しく実装された機能についてご紹介します。


■ インテリセンス
SQL Server 2008のT-SQLステートメントを実行するためのツールである「クエリエディタ」では「インテリセンス」がサポートされるようになりました。この機能はMicrosoft Visual Studioでおなじみの入力補完機能です。インテリセンスの機能を使用することで、T-SQLステートメントの入力時にテーブル名やテーブルの列名の一覧が表示されるようになり、その結果、長いテーブル名や列名を入力する場合に、入力ミスを減らすことが出来るようになります。今まで、長いテーブル名や列名の間違いをなかなか発見することができず、イライラされていた管理者やSEの方々にとっては、かなりの朗報ではないでしょうか?


■ データ圧縮
データ圧縮はテーブル内のデータを圧縮する機能です。データ圧縮を行うことで、ディスクに格納するデータ量を減らすことができ、ディスクコストの削減を行うことができます。なんとなく、「データの圧縮を行う」と聞くと、CPU負荷が増加し、パフォーマンスが悪化するような感じがしてしまいます。しかし、確かにCPU負荷は増加してしまうのですが、データが圧縮された結果、ディスクへの読み取り/書き込み数が減少することで、なんと(特にデータ量の多い環境では)パフォーマンスの向上がかなり期待できるのです。特に、大容量のデータを含むテーブルが存在するデータウェアハウス環境ではかなり有効な機能であると思います。


■ バックアップ圧縮
バックアップ圧縮はデータベースのバックアップを行う際にバックアップデータを圧縮する機能です。バックアップ圧縮もデータ圧縮と同様で、CPU負荷は増加しますが、ディスクコストを大幅に削減することが可能です。また、データベースのバックアップと復元時にバックアップデバイスへの書き込み/読み取り数を減少させることで、パフォーマンスの向上が期待できます。通常、データベースのバックアップが実施されるのは、夜間などのオフピークの時間であり、この時間はCPUには余裕があると思われます。そのことからもバックアップ圧縮の機能はとてもメリットの多い機能であると思います。


■ ポリシーベースの管理
ポリシーベースの管理を使用することでデータベース管理者が設定した「ポリシー」を使用してSQL Serverを管理することが出来るようになります。この機能はWindowsで使用されている「グループポリシー」と同じように使用することができます。ポリシーベースの管理を使用することで、セキュリティ機能の強化やオブジェクトの名前付けルールの徹底、などが出来るようになります。それに加え、複数のSQL Serverを集中管理することも可能であり、管理対象にはSQL Server 2008のみならず、SQL Server 2000とSQL Server 2005を指定することもできます。これまで、複数のSQL Serverが存在していた場合、管理者が個々のSQL Serverに接続し、管理ツールとT-SQLステートメントを使用して設定環境を確認する必要がありました。これはとても大変な作業でした。ポリシーベースの管理を使用することで、これらの作業から解放されることができるということですね。


■ SQL Server 監査
SQL Server監査はSQL Serverに対して行われた操作を監査するための機能です。この機能を使用することで、「いつ」、「どのユーザー」が、「どのデータベース」に、「どのようなステートメントを実行したか」などを調査することが出来ます。従来はSQL Server Profilerなどを使用して監査を行っていました。しかし、これがなかなか面倒な作業でした。SQL Server監査を使用することで、以前と比較して、細かい監査の設定をかなり容易に行うことができるようになりました。「操作がしやすい」というのはかなり重要なことです。以前までは「面倒だ」という理由であきらめていたことが、操作がしやすくなったことで実現可能になるのです。その結果、監査漏れを最小限に抑えることができるようになると思います。


SQL Server 2008には、以前のバージョンと比較して新しく実装された機能がまだまだあります。SQL Serverの基本機能と、今回、紹介できなかったその他の新機能に関しては、現在開催しているSQL Server 2008関連のトレーニングコースでも説明しています。

 

「SQL Server 2008 コースフロー」

 

ぜひ、「第一歩」を踏み出してください!

 


今村 靖広
グローバル ナレッジネットワーク株式会社で、ITプロフェッショナル向け教育コースを担当。
現在は、SQL Serverを中心に、研修の企画、開発、実施を行う。 


[SQL Server][2010年8月 4日配信]

Win Win Windowsコラム
第5回: 大量にある情報を効率よく管理するには?
執筆:加藤 由利子

コンピュータのインストラクタという職業柄、調べ物をよく行います。調べて理解した結果はすべて頭の中に蓄積したいところですが、それは難しいので、メモを残して後から利用できるようにしています。同僚も同じことをしていますが、各自が作ったメモをチーム全体で共有するのは難しいですね。


このような状況を解決する1つの手段として、Microsoft SharePoint Server 2010があります。この製品ではサイトを作り、情報発信の場を提供するという機能が強化されました。今回は、人と人をつなげていくことを支援する「ソーシャルネットワーク」の機能を紹介します。


SharePoint Server 2010では、利用するユーザー1人1人に対して、「個人用サイト」と呼ばれるポータルサイトを作成できます。個人用サイトはSharePoint Server 2007にもありましたが、SharePoint Server 2010では大幅に機能アップしています。ユーザーは自分の個人用サイトを開くだけで、仕事仲間の活動状況を表示できます。個人用サイトには「個人用コンテンツ」と「個人用プロファイル」いうページが含まれます。


個人用コンテンツには「ライブラリ」と呼ばれるドキュメントファイルを保存する場所や「ブログ」が用意されています。ライブラリには個人用と共有用とありますので、目的によって保存先を選択できます。


個人用プロファイルには自己紹介を始めとして、顔写真、関わったプロジェクトや得意分野などを保存できます。個人用プロファイルは設定した公開範囲に従い他のユーザーと共有できます。さらに、各ユーザーはSharePoint上にあるページやライブラリなどに対して「タグ」と呼ばれる見出しを設定できます。タグはいくつでも設定できるので、分類に頭を悩ませる必要はありません。設定したタグは簡単に検索できますし、あとから変更もできるので、後で使えそうな情報があるページやライブラリに対して、とりあえず適当なタグを気軽に設定して構いません。


このように、SharePoint Server 2010では、チームが業務で使用するためのサイトと、個人として情報を適切に整理し、個人としての生産性を高めるための「場所」を提供します。個人用サイトをユーザー1人1人が活用することで、ばらばらに管理されていた組織内の情報をSharePoint上に集めることができます。


SharePoint Serverの検索機能はSharePoint Server上に保存される、あらゆるコンテンツが対象です。もちろん、個人用サイトも検索対象になります。例えば、「SharePoint Server」で個人用プロファイルを検索すれば、SharePoint Serverのエキスパートを簡単に発見できます。また、コンテンツに設定したタグも検索結果に影響をおよぼすため、より役立つコンテンツを探し出すことが容易になります。


今回ご紹介した機能はSharePoint Serverが持つ機能のほんの一部です。グローバルナレッジでは、「SharePoint Server 2010で始めるコラボレーションとコンテンツ管理」コースでSharePoint Server 2010の持つコンテンツ管理機能を中心にSharePoint Serverの活用方法について紹介しています。機能だけの解説にとどまらない、このコースのご受講を、ぜひご検討ください。

 


加藤 由利子
グローバル ナレッジネットワーク株式会社で、ITプロフェッショナル向け教育コースを担当。
現在は、Windows Server 2008や仮想化、Exchange Server、SharePoint Serverなど中心に、研修の企画、開発、実施を行う。

 


[SharePoint Server 2010][2010年7月13日配信]

Win Win Windowsコラム
第4回: 大きな楽をするためのちょっとした努力 
執筆:目時 秀典

私の会社は、IT技術教育を提供しています。しかし、社内の仕組みはITを駆使した理想的な環境かというと、そうでもありません。システム管理者や開発者の立場から見ると、日々の業務の中では、「なぜ、こんな処理を手作業で?」とか、「これって、ちょっと工夫すれば自動化できるよね。」といった処理が散見されるのです。単純なルールで動いている業務を、毎回仕方なく手作業でこなしている方は多いのではないでしょうか。


単純な業務を自動化することを妨げる要因としては、
 ・自動化するためのプログラミングの知識がない
 ・プログラミングとシステム管理の連携方法がわからない
 ・開発環境が充実していない
などいろいろなものがあるでしょう。


そこで、おすすめなのはWindows PowerShellです。
Windows PowerShellはWindows環境で使用できる新しいコマンドライン ツールです。無償で入手できて、システム管理系のコマンドが充実し、コマンド同士を連携させて、複雑な処理でも簡潔に指定できる特徴を持ちます。
※ Windows PowerShellはバージョン1.0としてWindows Server 2008から標準装備され、Windows 7、Windows Server 2008 R2からはバージョン2.0として標準装備されています。Windows VistaやWindows Server 2003などにはマイクロソフト社のサイトからダウンロードしてインストールすることができます。


UnixやLinuxの管理知識がある方には、Windows環境でもbashのような操作ができるようになったと言えば分かりやすいでしょうか。ただし、PowerShellの出力は単純な文字列ではなく、オブジェクトであるという点が、従来のシェルとの大きな違いです。Windows PowerShellは.NET Frameworkと統合されているので、Framework内のすべてのオブジェクトにアクセスできます。


難しい用語は抜きにして、話題を自動化に戻しますと、私の会社では、ちょっとした自動化処理には、Windows PowerShellを利用することにしました。例えば、PowerShellスクリプトを定期タスクとしてスケジュールし、毎朝9時にデータベースから必要なデータを抽出し、これをHTMLメールに成形して集客状況レポートとして関係者に通知します。また、共有領域に置かれたExcelファイルの内容を3時間おきに解析して、XMLドキュメントに成形して、Webアプリケーションへ転送し、WebページとしてExcelの内容を社内で共有しています。修正や機能改善はスクリプトをメモ帳で編集するだけです。


この仕組みによって、従来は各社員が必要に応じて自分で調べなければならない情報が、定期的にメールやWebサーバーから取得できるようになりました。ユーザーが自分で取得するプル型の情報取得方法を、システムがユーザーに通知するプッシュ型へ変え、データへのアクセス方法を単純化したのです。


システム管理者やシステム開発者は、PowerShellの使い方を学ぶというちょっとした努力で、単純な業務プロセスが自動化され、ユーザーは煩わしい手作業処理から解放されます。もちろん、管理者のルーチンワークも自動化できます。恩恵を受けるユーザーの数が多いほど、組織としては大きな楽を得たことになります。PowerShellの基本操作を覚えることで、Windows環境の管理作業や、システム環境と連携した小回りのきく自動化のツールが作成できます。


Exchange Server 2007、Exchange Server 2010、SharePoint Server 2010、IIS、ActiveDirectoryなど、PowerShellから管理するサーバー製品も増えてきています。管理する対象が違っていても、PowerShellからの操作方法が統一されているので、あるサーバーの管理方法を覚えてしまえば、他のサーバーも似たような操作で管理することができます。例えば、Active Directoryのユーザー一覧を取得するには、Get-ADUserですが、SharePoint Serverのユーザー一覧は Get-SPUserです。


★★★★★★★★

Windows PowerShellは、これからのWindows管理ツールの主流となります。PowerShellの基本操作を修得するだけでも今後の管理業務を効率化し、大きな楽をするための1歩になります。
プログラミング経験のないシステム管理者の方でもPowerShell操作ができるようになるための、Windows PowerShell 1日コースを提供しております。
「Windowsシステム管理の自動化 ~Windows PowerShellを使用した効率的な管理~ 」

 

 


目時 秀典
グローバル ナレッジ ネットワーク株式会社で、
Microsoft .NET Framework環境の開発関連コースの企画、実施、開発などを担当。
社内情報系システムの設計、開発や社内ツール開発も行う。

 

著書に
「基礎からのASP.NET」(ソフトバンククリエイティブ)
「Windows PowerShell 実践システム管理ガイド」(日経BPソフトプレス)
がある。

 


[運用管理][2010年5月31日配信]

Win Win Windowsコラム
第3回: 好奇心と向上心を持ち続けること
執筆:福田 真紀子

私が所属しているグループの講師はこの時期、新入社員研修として入門系コースを数多く担当します。学生時代に情報系の学習をした人にとって、「コンピュータ入門」のようなコースは既知の内容も多く含まれます。中にはテキストを少し見ただけで「ここは勉強しなくてもいいや」と思ってしまう方もいて、せっかくの機会なのにもったいないなぁと感じています。


しかし、どのようなことに対しても好奇心や向上心を持って取り組むということは、思っているよりも難しいものです。私は、現在Windows 7を利用していますが、Windows 7は直感的に使えることもあり、マニュアルも読まず、新機能を勉強することもなく使っていました。もちろんWindowsはずっと使ってきていますし、基本的な部分は変更がないので、何の問題もなく使えます。ただ、あることをきっかけにWindows 7の機能を調べていたら、意外と知らない新機能や便利な使い方がありました。やはり、知っているつもりになってはダメですね。


せっかくなので、今回は、エンドユーザーの方に便利なWindows 7の機能をいくつかご紹介します。


■ナビゲーション機能
Windows 7では、タスクバーやデスクトップの機能が拡張されています。
たとえば、タスクバーのアイコンを右クリックあるいは上にドラッグすると、使用しているアプリケーションに応じたジャンプリストが表示されます。このリストを利用すれば、最近使用したドキュメントに素早くアクセスしたり、Internet Explorerで良くアクセスするサイトやお気に入りのサイトをすぐに表示したりできます。
それから、沢山のウィンドウをすべて最小化したい場合、カーソルをタスクバーの一番右に動かすだけで、開いているすべてのウィンドウが透明になり、デスクトップを表示できます。デスクトップの表示はWindows XPやWindows Vistaではタスクバーの左側にあったので意外と気がつかない方も多いかもしれません(私もしばらく「あのボタンはどこに行ったんだろう?」と探してしまいました...)。

   

      

 また、1つのウィンドウ以外のすべてのウィンドウを最小化する場合は、Aeroシェイクが便利です。特定のウィンドウの上部をクリックしたままシェイク(タイトルバーを素早く左右にドラッグ)すると、画面上のその他のすべてのウィンドウがタスク バーに最小化されます。
その他、開いているウィンドウを画面の端にスナップする(画面の端にぴったり合うようにサイズ調整する)機能など、細かいところが変わっていますので、実際にいくつか試してみてください。 


Win7-Desktop (2).JPG

 

■ファイルの管理
ファイル管理に関するWindows 7の新機能と言えば「ライブラリ」でしょう。
通常、コンピュータ内のファイルはフォルダで階層構造を使って管理します。たとえば、顧客別にフォルダを作成し、さらにその中に提案書や見積書という風に階層構造を作ると、顧客別にファイルを探すのは簡単ですが、「提案書」という単位でファイルを探すのは困難です。これを解決するのがライブラリ機能です。

ライブラリは、該当する複数のファイルがそれぞれ異なる場所にある場合でも、仮想的に単一のフォルダにあるように見せる機能です。ライブラリを作成すれば、上記の例のように実際には異なるフォルダにある提案書を1つのフォルダにあるように見せることが可能です。
また、ライブラリは異なるコンピュータ上にあるフォルダも参照できるため、今後は、さまざまな場所に存在するファイルを効率的に管理することができるようになるでしょう。 

 

 

Win7-library.jpg 

 

 

■トラブルシューティング機能の追加
Windows 7には非常に多くのトラブルシューティング機能が組み込まれており、エンドユーザーは自分でより多くの技術的問題を解決できるようになっています。中でもヘルプデスクやサポートの方に役立つ機能は、「問題ステップ記録ツール」ではないかと思います。コントロールパネルの[トラブルシューティング]-[友人の支援を受ける]-[問題ステップ記録ツール]あるいは、「PSR.EXE」を実行すると「問題ステップ記録ツール」が起動します。このツールを使うと、一連の操作の画面ショットをとり、操作手順を分かりやすくファイルに書き出してくれます。この機能を使えば、トラブル報告時だけでなく、実家の母に何をどうしたらよいのか説明するのも楽になるかもしれません。

  

 

 このようなWindows 7の新機能に関しても、少し興味を持って調べ、知識を身に付けることで、業務の効率をあげることができます。


IT業界は技術の進歩が速く、毎日多くのサービスや技術が発表されています。常に好奇心と向上心を持ち続けるためには、積極的に発表の機会を作る、勉強会を企画するなど、自分で何かきっかけを作ると良いでしょう。

 

★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★


Windows 7に関しては、トレーニングコース+MCP無料受験チケット+ソフトウェア(Windows 7 Ultimate)がセットになったお得なキャンペーンも実施しています。このコースでは、Windows 7を企業で管理する際に必要なスキルを修得できます。今後導入計画があるIT管理者の方は、研修で一通りの機能を試してみるのはいかがでしょうか。また、今後、Eラーニングコンテンツとしても提供する予定ですので、ご期待ください。

「MCPキャリアアップキャンペーン」

 


福田 真紀子

グローバル ナレッジ ネットワーク株式会社で、1997年よりWindows関連コース、ネットワーク関連コースを中心に担当。
現在は、ソリューション本部アーキテクチャーグループ プロダクトマネージャーとして、OS、データベース、アプリケーションサーバー、.NET開発などITプロフェッショナル向け教育コースをとりまとめている。 


[Windows 7][2010年5月20日配信]

Win Win Windowsコラム
第2回: 新は旧を兼ねる (しん は きゅう をかねる)
執筆:河野 憲義

「大は小を兼ねる」という諺をご存知かと思います。広辞苑には「大きいものは小さいものの代わりに用いることができる」と記載されています。日常では「大きいことは良いことだ」的な意味として使われることが多いのかもしれません。


例えば、「四畳半より六畳の部屋」、「軽自動車より大型リムジンでお出迎え」、「14インチより60インチの大画面テレビ」といった局面で使われているのではないでしょうか。反面、携帯音楽プレーヤーや軽量ノートPC、手のひらサイズの○○といった小ささ、手軽さに主眼を置いた局面には当てはまらないですね。この諺は、高度経済成長期にはピッタリだったように思いますが、現在では当てはまらないことの方が多いような気もしています。

 

そこで、「新は旧を兼ねる」という諺 (?) を勝手に創ってみました。
意味は「新しいものは旧いものの代わりにも用いることができる」です。
例えば、「新しいWindowsは旧いWindowsの代わりに用いることができる」、「新しい技術的な知識は旧い技術的な知識の代わりになる」といったところです。ただしWindowsはバージョンアップにより、従来の機能がサポートされなくなる場合もあります。この場合は「大は小を兼ねる」と同じで、当てはまらない局面もあります。


でも「新しい技術的な知識は旧い技術的な知識の代わりになる」には、例外がないような気がします。新技術には旧技術が基礎として含まれています。新技術を勉強することで旧技術の見直しになります。また、新技術の便利さや利用局面を知ることで、現在の環境や使い方を見直すこともできます。逆に、将来なくなる技術を勉強しても、業務に生かすことはできません。

 

「旧いものから新しいものへ」この流れは止められませんし、また逆流もできません。新しいものは、それが旧くなってから使うより、新しいうちに使った方がメリットも大きいはずです。この点は、技術的な知識も同様と言えます。新しい技術的な知識は役に立ちますが、数年前の技術的な知識は現時点で通用しません。(誰にも言わず、秘密にしておいたWindows NTの裏ワザ。今では誰も有り難がりませんし、今後使うこと自体ないでしょう。)

 
ひょっとすると、現在持っている技術的な知識そのものが、既に通用しなくなっているかもしれません。常に技術的な知識が通用するようにするには、未だ利用していない技術であっても、「新は旧を兼ねる」的な観点で、先んじて学ぶことが必要と言えるのかもしれません。

 

昨年、Windows Server 2008はバージョンアップし、Windows Server 2008 R2となりました。しかし残念なことに多くの認定コースは、Windows Server 2008 R2に対応していません。(2010年3月現在)


「新は旧を兼ねる」的に考えるならば、最新版のWindows Server 2008 R2で学習して頂きたいところです。最新版のWindows Server 2008 R2で学習することで、単なるWindows Server 2008を勉強することにもなり、さらにはWindows Server 2003の勉強にも繋がるからです。そのためにも、早急に教材の改定を期待したいところです。
このような現状に対してグローバルナレッジでは、認定コースを独自にWindows Server 2008 R2に対応させて提供しています。(認定テキストはWindows Server 2008のままですが、演習環境をWindows Server 2008 R2およびWindows 7にし、それに伴う補足資料を用意しています。ただし「#6749 Windows Server 2008 のサーバーの計画と管理(MSC0202V)」は、トラブルシューティングの演習が複雑で、R2への移行が難航しています。(2010年上半期中対応予定))
もちろんオリジナルコースは、すべてWindows Server 2008 R2に対応済みです。

 

「新は旧を兼ねる」の観点で、既存技術の知識収集に留まるのではなく、新技術の知識を収集し、それを既存技術に役立てて頂ければと思います。
教室にWindows Server 2008 R2を用意して皆さんの参加をお待ちしています。

 

マイクロソフト 集合研修コース一覧

 


河野 憲義

グローバル ナレッジネットワーク株式会社で、ITプロフェッショナル向け教育コースを担当。
古くはC言語、BASIC、アセンブラなどのプログラム開発のコースを担当していたが、
1995年よりマイクロソフト認定トレーナーとしてマイクロソフトのプロダクトに関するコースを担当。
現在は、Windows Server 2008や仮想化、Exchange Server 2007などのコースを担当する。 


[Windows Server 2008 R2][2010年4月20日配信]

Win Win Windowsコラム
第1回: Active Directory 10周年
執筆:横山 哲也

Windowsを企業に導入する場合に欠かせないのが「Active Directoryドメインサービス(AD DS)」です。従来は単に「Active Directory」と呼んでいたのですが、Windows Server 2008から名称が変わりました。もっとも、私も含めて多くの人は今でもActive Directoryと呼んでいます。本当はいけないのかも知れませんが、マイクロソフトの人もActive Directoryと呼んでいるので勘弁してください。特に今回は、歴史的な話を紹介するので当時の呼称に合わせてActive Directoryとします。


さて、そのActive Directoryは2000年2月、Windows 2000の発売とともに登場しました。2010年2月で10周年です。IT業界の1年は「ドッグ・イヤー」つまりイヌの1年と同等と言われています。イヌの寿命は10年から15年くらいですから、Active Directoryさんもかなりの高齢ということになりますね。


マイクロソフトは、Active Directory 10周年を記念してイベントを開催しました。私(横山)もゲストとして呼ばれ、昔の話を語ってきました。当日の模様はTech Fielders サイトに公開される予定です。また、Twitterのハッシュタグ#ad10thで検索していただけると当日の様子が分かるでしょう。

 

●Active Directoryの始まり
私がActive Directoryを最初に触ったのは、まだ一般公開されていない「Windows NT 5.0ベータ1」の時代です。そのときの解説文書には

Windows NTのローカルグループやグローバルグループはややこしいので、単なる「グループ」に一本化する。

と、はっきり書いてあったのを覚えています。Active Directoryに詳しい方はご存じの通り、実際には一本化どころか「ドメインローカルグループ」と「ユニバーサルグループ」がさらに追加されています。
証拠の画面ショットもあるのですが、公開していいかどうか分からないので掲載は控えます。どうしても見たい方は月刊「Windows NT World」(IDGジャパン)1998年5月号の特集「Active Directoryで変貌するNTネットワークの世界」を探してみてください。

 

●Active Directoryの導入
鳴り物入りで登場したActive Directoryですが、すぐには普及しませんでした。当時は「数万人を超える規模に対応する」「より高度なセキュリティに対応する」「UNIXと認証を一本化する」といった売り文句が並んでいましたが、これが間違っていたのだと思います。

数万人を超える従業員を抱える企業はそれほど多くありません。セキュリティは高いに越したことはありませんが、2000年当時はセキュリティ意識が今ほど高くありませんでした。Windows以外のシステムとの認証を一元化するのは、現在でもそう簡単ではありません。「Active Directory 10周年」イベントでは「Linuxの認証をActive Directoryで行うデモを作るのが一番大変だった」という声もあったくらいです。

 

●Active Directoryの普及
本格的にActive Directoryが普及し始めたのは大規模なセキュリティ侵害が発生した2003年頃からでしょう。特にクライアントからのセキュリティ侵害が深刻な事態を引き起こしました。そこで注目されたのがActive Directoryです。Active Directoryと同時に提供される「グループポリシー」を使えば、クライアント環境の管理を簡単に行えます。

新しい技術は、製品ができただけでは決して普及しません。製品に加えて、消費者のニーズ、そして利用環境が必要です。たとえば自動車が普及するには、自動車という製品、自由に移動したいというニーズ、そして自動車が通行できる道路網とガソリンスタンドが必要です。

Active Directoryの場合は、製品が登場したのが2000年、信頼できるPCサーバーという環境が整ったのが少し早くて1996年くらい、そしてクライアント管理というニーズが高まったのが2003年だと考えられます。そのためActive Directoryの普及は2003年まで待つ必要がありました。マイクロソフトが当初想定した大規模環境の管理というニーズは、それほど大きくなかったようです。

 

●Active Directoryの学習
私たちは、マイクロソフトのラーニングパートナーとして教育コースを提供しています。この時、心がけているのは単に技術を紹介するだけではなく(もちろん技術解説は最低条件です)「その技術を使うには何が必要なのか(環境)」と「どんなふうに使えば便利なのか(ニーズ)」を紹介することです。
たとえば 「Windows Server 2008 R2ソリューション概要」では「...をするには」という見出しが多用されており、本文には「ここで使える...」という表現が随所に登場します。単なる技術ではなく、ビジネスに役立つソリューションを提供したいと考えた結果です。

構成上、どうしても技術的な面に偏りがちな教育コースもありますが、これからも、なるべく現場のニーズに応えられるような話をしていきたいと考えています。


 


 

横山 哲也

グローバル ナレッジネットワーク株式会社で、ITプロフェッショナル向け教育コースの企画・開発・実施を担当。Windows 2000のMCSEとしては世界で最初の2000人に入った(当時のインタビュー記事)。2003年にはWindows Server 2003のMCSA、2004年にMCSE、2008年8月にはWindows Server 2008のMCITP(Server AdministratorおよびEnterprise Administrator)を取得するなど、常に最新の資格を維持している。

Windows 関連コースのBlogも執筆中。 「千年Windows」

 


 


 

[Active Directory ][2010年3月10日配信]

※Microsoft、Windowsは、米国Microsoft社の登録商標です。
※Oracleは、米国オラクル・コーポレーションおよびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。
※PMI、PMP、PMBOKは、プロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute, Inc.)の登録商標です。
※ITIL®はAXELOS Limited の登録商標です。
※American Management Association は、米国アメリカン マネジメント アソシエーションの登録商標です。
※BOOT CAMP、NEW TRAIN、Glovalueはグローバルナレッジネットワーク株式会社の登録商標です。
※その他このサイトに掲載された社名、製品名は、各社の商標、または登録商標です。

© Global Knowledge Network Japan, Ltd. 2008-2016, All Rights Reserved.
  • Get ADOBE READER