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わくわくヒューマンスキルコラム
第58回: チームビルディング
執筆:飯嶋 秀行

 4年に一度のサッカーの祭典、ワールドカップが終わりました。サッカーに詳しい方も多いことと思いますが、私はサッカーをあまり観ることがないため、ルールについてもそれほど詳しくありません。そんなサッカー素人の私でも、ワールドカップの日本代表戦だけは、眠たい目をこすって一生懸命応援しました。惜しくも、日本はベスト8を達成できませんでしたが、帰国した日本代表に対する新聞記事のコメントには、「日本チームが一丸となれた」「良いチームワークが発揮されていた」という記述が目立ちました。


 帰国した選手からも「このメンバやスタッフと一緒にもっと試合をしたかった。チームが解散するのは本当にさみしい」「このチームでもっと戦いたかった、充実した日々だった」「このチームならもっと成長できた」といったコメントが多く聞かれました。


 一方、過去に優勝経験もある強豪フランスチームは、主力選手が監督への暴言で追放され、反発した他の選手は練習を放棄する、など混乱が続き、最後まで監督と選手の溝が埋まらずチームが崩壊してしまったとの記事もありました。

「チームワークが発揮され、力を出し切れたチーム」と「チームが崩壊し、本来の力を出せなかったチーム」の違いはどこにあるのでしょうか?サッカーの技術的な解説は専門家にお任せするとして、ここでは、良いチームを作るためのチームビルディングという観点から考えてみましょう。


 チームビルディングとは、メンバ全員が信頼関係を構築し、コミュニケーションしやすい環境を整え、チームの目標達成に向けて協働(コラボレート)する意欲を高めていく一連のプロセスを指します。


 日本代表チームは、ワールドカップの予選突破、決勝トーナメント進出、ベスト16進出と、目標のレベルを上げつつ、合宿を重ね、寝食を共にしながら練習試合を繰り返し、チームの結束を図っていきました。時間をかけてチーム作りをしたのです。チームには、各クラブチームから優秀な選手が選抜されていますが、最初から今回のような素晴らしいチームだったわけではありません。ワールドカップ本大会直前の強化試合では負けが続き、チームの雰囲気も良いものではなかったと言われています。

 チームの成長過程には、後から振り返った時に「あの出来事があったからチームが一つになれた」、「あの体験があったからこそ、全員のチームワークが発揮できるようになったと」という場面があります。


 今回の日本チームの場合は、大会直前のスイス合宿で行われた選手だけでのミーティングがその転換点になったようです。


 強化試合が負け続きとなり、結果が出せないチームは、主力選手の入れ替えを行い、戦い方を大きく変えました。チームに訪れたこの大きな変化を乗り越えるために、選手主体のミーティングが自発的に開かれました。守備の役割を担う選手と、攻撃の役割を担う選手との間で、これまでの負け試合でお互いが感じていた違和感、不満をぶつけ合い、本音での激しい話し合いがあったようです。


 「このままの状態では、チームが掲げた高い目標はとうてい達成できない」チームの目標と現状との大きなギャップを全員が率直に認め、チームに危機感が生まれました。「ギャップを埋めるためには、従来のやり方に固執することなく、新しいやり方を試してみよう」「チームの勝利のために、全員ができることを全力でやろう」「今の自分達にできる、泥臭いサッカーをしよう」---。リーダーシップを発揮した選手のこういった発言がチームの結束を高めることにつながったのです。


 さて、皆さんが所属しているチームでは、チームワークが発揮できる状態を作るために、どのような工夫をしていますか?

 

 ・チームの目標達成に向かってメンバ全員の方向性は合っていますか?

 ・チーム内に本音で意見交換できる、発言しやすい雰囲気がありますか?

 ・目標と現状のギャップをメンバ全員が認識し、問題意識が共有されていますか?

 ・自分の担当業務だけでなく、他のメンバをサポートして協働していこうという雰囲気が
  ありますか?
 

もし、チームとしてのパフォーマンスが十分に発揮されていないと感じているのであれば、チームビルディングに取り組む必要があります。一からチームを作っていく場面ではもちろん、既に動き出しているチームを再構築して活性化するためにもチームビルディングの考え方は役に立ちます。

 

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効果的なチームビルディングの考え方や手順については、次のコースで取り扱っています。

・マネジメントとリーダーシップ (HSC0047G)


・チームワークとリーダーシップ (ON026)

   



飯嶋 秀行(いいじま ひでゆき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。
商社で情報システムの企画・開発などを担当後、グローバルナレッジネットワーク株式会社へ入社、現在はコーチングを中心に、プレゼンテーション、リーダーシップなどヒューマンスキル系コースを担当。PHP認定ビジネスコーチ上級、中小企業診断士。著書に『コーチングがやさしく身につく物語』日本実業出版社などがある。


[チームワークと
フォロワーシップ
][2010年7月16日配信]

 

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