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わくわくヒューマンスキルコラム
第115回:「心配りのある仕事」
執筆:高橋 俊樹

組織で円滑に仕事を進めていくために必要な能力やスキルを思い浮かべてみてください。
担当分野に必要な専門スキルの他、プロジェクト運営、他者との交渉やプレゼンなど様々なスキルを上げることができたと思いますが、その中に「気配り」という言葉は出てきましたでしょうか?

「気配り」という言葉からは、気が利く人、おせっかいを焼くのが好きな人にしかできないという性格に依存した印象を受けますよね。したがって、あればあるに越したことはないけど、別になくてもよいと考える方もいると思います。結論から申し上げます。


「気配り」もなくてはならない大切なスキルの一つです。


「自分は気が利かないから気配りなんてできないよ」という人もいますが、それは違います。「気配り」の意味は、あれこれ気を使って手抜かりの無いように注意することです。さらに、そもそも「気」とは、物事をうまく運ぶために状況を的確に捉える注意力のことです。つまり、気配りできないということは、「状況を的確に捉えられず、他者に対して何も発揮できない」ということでもあります。


・先輩が後輩の抱えている仕事の量を把握しないまま、次から次へと作業を丸投げしてモチベーションを下げさせてしまう

・お客様の社内的な立ち位置を考慮せず、正論だけを押し通して不快にさせてしまう

・上司に対して適切なタイミングでホウレンソウができず、結果、全体の進捗が滞ってしまう


専門的な知識やスキルがないがために起こる問題もありますが、上記のように気配りができていないことが原因で起こる問題もたくさんあります。専門知識やスキルがあるだけでは組織の中では円滑に物事を進めるのは難しいのです。


では、どのようにすれば、「気配り」できるようになるのでしょうか?先ほど「気配りはスキル」と述べたのには理由があります。それは意識して行動すればできるからです。そのためのポイントを2つご紹介します。


「あるべき姿を把握している」ことと「先読み(想像)する力を発揮する」ことです。


あるべき姿や本来の姿を把握しておくことで、今、目の前に起こっていることとのギャップに気づきやすくなります。そのためにも「会社のあるべき姿は?」「マイルストーン毎に設定された売上は?」「チームのあるべき姿は?」「本来はどこにあるべき?」「計画通りに進捗した状態とは?」など、自分、チーム、組織に関するあるべき姿について、再確認しておきましょう。


2つめのポイントは、このあと何が起こりそうか、だから何が必要かなどを想像する力を発揮することです。先ほどのあるべき姿とのギャップを感じたら、今後何が起こるのかを考えることで、適切な対策を取ることができます。そのためにも日ごろから業務の流れや関わる人の動向などについてもしっかりと観察、把握しておくことです。


以上の2つ、スキルとして捉えるとそれほど難しくありません。ただ、あるべき姿の把握は、多忙な業務に日々追われていると、ついつい後回しになって現状だけを見て仕事を進めてしまいがちです。改めて確認する時間を取ってみてはいかがでしょうか?


ところで、このコラムのタイトルは「気配り」ではなく「心配り」です。あれ?と思った方もいるかもしれませんが間違いではありません。タイトルを「心配り」とした理由を説明する前に、最近経験したことをお話しします。


私が担当する予定だった仕事がありました。ところが、直前になり体調を崩してしまい、急遽、代理を立てる必要がありました。そこで、ビジネスパートナーの方に、直前の依頼になってしまった理由などには触れずに依頼をしました。「できる/できない」という返事さえわかればと思っていたところ、次のような回答をいただきました。


「勝手な推測ですが、近々の依頼は珍しいですし、どなたか、体調でも崩されたのかと心配しております。今月は×日、×日以外は空いていますので、もし、今回だけでなくこの後についても調整しないといけないようであれば遠慮なくご連絡ください。前日までにご連絡いただければすぐに参ります」


「心」という言葉には、他人の状況を察していたわる気持ち、思いやりという意味があります。上記の例では、単なる気配りではなく相手への心配りがあったように感じられ、とてもありがたい気持ちになりました。「心配り」することで、互いに気持ちよく仕事ができるようになるのだと思います。


心配りできるように、まずは気配りから心掛けたいですね。


<関連コース>
■若手社員のためのフォロワーシップ ~成果につながる貢献と提言~

フォロワーシップ:組織で働く際に、メンバとして必要なフォロワーシップについて学びます。フォロワーシップは、メンバとして、チームの中でパフォーマンスを出すために必要な機能です。「リーダーが何をするのか」ではなく、「メンバが何をするのか」に焦点をあて、メンバひとりひとりのボトムアップによる組織力向上を目指します。

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高橋 俊樹(たかはし としき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント/産業カウンセラー
1991年、自動車メーカー、営業担当者向けの教育の企画・実施を担当
その後テレマーケティング会社を経て2001年より現職
ヒューマン系講師として新入社員から管理職まで幅広く人材育成支援に当たっている
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[チームワークと
フォロワーシップ
][2016年9月 7日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第94回:失敗した時の気持ちのコントロールどうしていますか?
執筆:岩淺 こまき

 このところ、立て続けに失敗をしました。プライベートでは友人との約束を守ることができなかったこと、仕事では思ったように成果を出せなかったり、周囲とうまくやりとりできなかったりしたことがありました。


 私は失敗すると、自分の至らなかった点や駄目な点ばかりを考えるなど物事をネガティブに捉えてしまいがちなので、必要以上に落ち込む、悲しむなど後悔ばかりしてしまうことがあります。そうすると、精神的な余裕や時間を消耗するだけでなく、「また失敗したら、うまくいかなかったら・・・」と仕事に着手するタイミングの遅れなどにもつながります。さらに成果に対しても「この程度しかできなかった」という低い自己評価になりやすく、ますますネガティブな感情になってしまうのです。このような状況が繰り返されると、最終的に「やはり自分は仕事ができない」「この仕事に向いていない」という気持ちになり、「学習性無力感(努力しても報われないので、何をしても無駄)」を学習した状態になってしまいます。


 そもそも、問題が起こった際の捉え方は、人によって異なります。出来事に対してポジティブに捉える人もいれば、ネガティブに捉える人もいます(人によっては原因を他責で考えて、怒りがわいてくる人もいるようです)。ネガティブになることは決して悪いことではありませんが、その状態から早く抜け出すためのコントロールの仕方を自分なりに持っておくことが大切です。気持ちを早く切り替え、浮上することができれば、イライラしたり、焦ったりすることもなく、次の行動を早く起こせるようになります。


 ネガティブに捉えがちな私が、早く気持ちを切り替えるために考えたアイディアや、周囲の人から教えてもらって実際に効果のあったものをご紹介いたします。


●身体を動かす
 ・3回深呼吸する。緊張状態になっているので、少し和らげる効果がある
 ・いつもと違う行動をとる。通勤ルートを変えたり、いつも行かないお店でランチする

●心情を吐き出す
 ・今の気持ちを思いつくまま書き出して発散する。論理性は求めなくて良い
 ・集中して感情にひたる。泣いても落ち込んでもよい。ただし時間を決めて守る
 ・心の中のネガティブ感情をむしり取って、机の上におくイメージを持つ。
  これをイメージすることで、自分とネガティブ感情を「切り離した」と、納得させる。
  その上で冷静に問題解決に向き合えると割り切り、後で蒸し返さないようにする

●違う視点で考える
 ・自分に良い影響を与えた書籍や人を思い出してみる
 ・1ヶ月後の自分からアドバイスをもらうとしたら、と考えることが客観視を助ける
 ・他人にアドバイスを求める


 いかがでしょうか。「自分はこれ」という手段があるならそれだけでもよいでしょうし、いくつか手段を用意する、組み合わせて使ってみる、上から順番に試してみるのもよいでしょう。その時の状況やタイミング、考えていることによって、効果のある手段は変わってきます。ただし、どのような手段を取っても最終的に目指すのは下の2点です。

  1. 感情に折り合いをつけ、現実を認識すること
  2. 次の行動をとること

 色々考えているのに、結果的に「無力感」を学習してしまうなんて、人生がつまらなくなってしまいます。そのようなことを学ぶ前に、気持ちの切り替え方を学んだ方がよい。1分でも1秒でも早く、次に集中して取り組めるようにしたいものです。


 さて、今回失敗続きの私は、どのように自分をコントロールしたのかというと、心情をはき出して、ある書籍の力を借り、自分で感情に折り合いをつけ、「次はこういう風にする」と決めた内容を人に話ました。そして今日も元気に仕事をしています。


~ご案内:ブログ始めました~

職場で感じるストレスの原因は、人間関係によるものが多いそうです。本ブログでは、某企業の若手社員「私」の困ったり悩んだりした毎日を舞台に、仕事や物事がより円滑に進むようなコミュニケーションのヒントをご紹介します。「私」を自分に置き換えてもよし、「私」にアドバイスをするつもりで読んでもよし。「ちょっと試してみようか」と思って頂けるように書いていく予定です。
■明日の私を強くするビジネス元気ワード


岩淺 こまき (いわあさこまき)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント。
1997年、システム販売会社に就職し、営業技術支援および導入企業向けの研修を担当。
人材紹介会社にて中途入社社員に対する研修や、メーカーでの販売促進セミナーの企画・実施を経て2007年より現職。 プレゼンテーション、ファシリテーション、講師養成講座などヒューマン・スキル研修の開発・実施に当たっている。
ITproにて「おさえて安心 ビジネスマナー100」連載中。
アイディメディアにて「明日の私を強くするビジネス元気ワード」公開中。

[チームワークと
フォロワーシップ
][2013年7月18日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第89回:3人のしゃもじ職人
執筆:高橋俊樹

寒い日が続きますね。でも気が付けば暦も立春を過ぎ、春がだんだんと近づいてきました。年々、月日の過ぎる体感速度が飛躍的に上がっているように感じます。今回は、時間に追われることが多く感じられる中で、ふっと思い浮かぶ言葉、タイムマネジメントについて考えたいと思います。

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しゃもじ工房の親方が3人の職人に仕事を言いつけました。「売り上げが芳しくない、なんとかこの状況を打破したいので納期までになんとかしてほしい」早速、それを受けて3人の職人がとりかかりました。


まもる君は、これまで工房で作成していたものと同様の木製しゃもじを作成しました。作り慣れているため彼にとって慣れた作業ですが、木材の状態によって仕上がりにばらつきがあります。そんなまもる君はいいます。「時間がきたら作業を始め、時間がきたら作業終える、それが仕事ですよ」


かける君が手掛けたしゃもじは陶磁器製です。微妙な曲線、デザインが群を抜いていて高い価格で売ることができました。ただし作成時間が木材の倍以上かかります。また、材料費が高い上に、扱い慣れた職人にしか作ることができません。かける君は言います。「徹底的にこだわり、常に改良し続ける、それが仕事ですよ」


つくる君は、顧客の声を拾い集め、立つしゃもじを作成し大ヒット商品になりました。プラスチック製なので、型を利用すれば誰でも同じ品質で簡単に作れます。余裕のできたつくる君は、次のしゃもじについて親方と日々話し合っています。そんなつくる君は言います。「自分のミッションにコミットすること、それが仕事ですよ」
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さて、話は変わります。以下の状況に置かれたとしたら、どのように行動するのかを想像してみてください。


『手つかずのものが気になってせっかくの休暇を楽しめそうにない』

『顧客への提出が遅れ信頼を失いそう』

『定時に仕事を終えないと幹事をしている同窓会に参加できないかもしれない』


ほとんどの方が、想定された事態にならないよう余裕を持って仕事を進めるべく、段取りや作業内容を見直されるはずです。スケジューラーの活用やアラートの設定、To Doリスト作成などのサポートツールを用いるのも効果的です。


タイムマネジメントというと、このように作業の段取りをつけ、サポートツールを使って管理することをイメージする方も多いと思います。しかし、これは単なるスケジュール管理にすぎません。先ほどの例に挙げた状況ですが、あなたの取ろうとする行動と上司の考えは同じでしょうか?


『手つかずのものが気になってせっかくの休暇を楽しめそうにない』
 ●自分:仕方ないので休暇を返上して出社して頑張る
 ●上司:たくさんの仕事を依頼している。休みも取ってほしいので相談してほしい


『顧客への提出が遅れ信頼を失いそう』
 ●自分:とりあえず期限に間に合う範囲で仕上げる
 ●上司:大事な案件。期限はなんとか交渉するので、しっかり仕上げるのが最重要


『定時に仕事を終えないと幹事をしている同窓会に参加できないかもしれない』
 ●自分:時間が来たら終わってなくても仕事を切り上げる
 ●上司:周囲に迷惑をかけず、品質、納期などの進捗管理ができていれば問題ない


このように上司の考えが分かれば、ただやみくもに時間をかけたり、または時間通りに物事を進めたりすることだけがタイムマネジメントではないことが分かります。タイムマネジメントした結果が、チームとして達成すべき目的や目標に対して、「その時その時に求められているレベルで応えられている」ことが最も重要なのです。


そのためにすべきことは、仕事の優先順位や段取りをすることではありません。まずは、上司から、「今、求められている自分の行動や成果」を正しく把握し、コミットすることです。コミットしなければ結局は「やらなきゃいけないんだけど・・」と後回しにしたり、「今日は時間が来たから終了」と品質を落としたりする原因にもなりかねません。やるべきことにコミットできていることが、タイムマネジメントの前提です。そうすれば、優先順位の付け方とそのための時間の使い方が明確になるはずです。


だんだんと近づいてきた春。新しい年度に切り替わる企業も多いことでしょう。新年度に向け、本来のタイムマネジメントを意識して、冒頭のつくる君のようにプロフェッショナルな仕事ができるといいですね!


若手社員のためのタイムマネジメント ~自己管理力を高め、チームに貢献する~
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高橋 俊樹(たかはし としき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント/産業カウンセラー
1991年、自動車メーカー、営業担当者向けの教育の企画・実施を担当
その後テレマーケティング会社を経て2001年より現職
ヒューマン系講師として新入社員から管理職まで幅広く人材育成支援に当たっている
2010年4月まで日経BP、ITproのselfupで「コミュニケーション・スキル講座」を連載

[コミュニケーションタイムマネジメントチームワークと
フォロワーシップ
][2013年2月15日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第67回: 「視点の高さ」が多くの人を喜ばせる
執筆:岩淺 こまき

マナーやプレゼンテーション、ファシリテーションなど社会人に必要な基礎体力ともいえるスキルや「思い通りにならないことに対し、物事をどのように捉えどのように行動するか」といったマインドに至るまで、様々なことを実践形式で学べるようにと日ごろから工夫しています。特に、なぜそれが必要なのかという「目的・理由・背景」を考え、物事の本質をつかんで頂くことに心を砕いています。本質をつかむと、視点の据え方がよくなり、現場で応用できるようになるからです。 


最近、ある新入社員研修で、視点の高さを感じた出来事がありました。


複数企業合同の研修が終わるにあたり、交流会の企画が新入社員から持ち上がりました。今後も変わらない情報交換と、互いに支援し合える環境づくりを目指すものです。参加者は30名弱。お店の場所や集合時間など告知する際、企画者Aさんが参加者にこう提案しました。「実はクーポンを使って予約をすると、10名につき1名無料になります。だから6000円お金が浮きます。みんなに還元しようと思ったのですが・・・、もしよかったら東日本大震災の義援金にあててもよいですか?」と。参加者全員拍手で承認し、残ったお金の使い道が決まりました。

 

ビジネスの現場では、チームの目標達成を目指し、日々様々な活動をしています。自分の行動がチームの目標達成に貢献できる行動かを考えるとよいことは、先月のこのコラムでもお伝えした通りです。今回の出来事を、1つのチーム活動として考えてみます。企画者Aさんをリーダー、30名弱の新入社員がメンバだとしましょう。チームの目標は、「全員が今後も支援しあえる関係を作るために交流する」です。したがってAさんは、30名弱が喜ぶ活動ができれば、チームとしての目標は達成できます。そう仮定すると、1人につき200円ずつ還元する、みんなが喜ぶ記念品を買う、別デザートや特別メニューを追加する、などの案が出てきます。どれを選んでもチームに不利益は生じません。

 

しかしAさんはその状態に留まらず、より高い視点から状況を俯瞰し、発想の範囲を広げました。自分が所属する30名弱のチームから、視点を高く持つことで、より多くの人に喜んでもらえる案を思いつくことができたのです。結果として確実に、30名以上の人に喜んでもらえることになるでしょう。「義援金」と「チームが今後も支援し会える関係構築」とは、一見別の次元の事柄に見えるかもしれません。しかし個人的にはこの瞬間に「誰かのためになる素敵なアイディアを出せるチームに、自分も所属したい!」という気持ちに向かって、全員が一致団結したように感じられました。

 

働くとは、人のために何かを行い、対価を得ること。他者のためにならないことは、働いていることにはなりません。より多くの他者に喜んでもらう働きができる人や企業が、周囲に求められ、成長し続けることができます。業務においては、自分の作業範囲だけで考えるのではなくて、チーム全体ではどうか、部署全体ではどうか、ひいては会社全体でどうか、社会に役立つかなどを考えることが必要になるのです。

 

Aさんは、自分の視点を高く持つことで、喜んでもらえる対象範囲を広げることができました。Aさんと、それを拍手で受け入れた新入社員たちの視点の高さは素敵です。これからの活躍を、心から応援しています。

 

日常では業務をこなすことに忙殺されてしまい、はっと気がつくと1日が終わることも珍しいことではありません。ふとした瞬間や業務に当たる前、何かを検討する際には、より多くの人を喜ばすにために、何ができるのか、他に考えられる方法はないかなど視点を高く持つことを私も意識したいと思います。

 


 
岩淺 こまき (いわあさこまき)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント。
1997年、システム販売会社に就職し、営業技術支援および導入企業向けの研修を担当。
人材紹介会社にて中途入社社員に対する研修や、メーカーでの販売促進セミナーの企画・実施を経て2007年より現職。
プレゼンテーション、ファシリテーション、講師養成講座などヒューマン・スキル研修の実施に当たっている。

2009年8月よりITproにて「おさえて安心 ビジネスマナー100」連載中。


 

[チームワークと
フォロワーシップ
新人社員研修][2011年4月25日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第66回:名プレイヤーにかこまれて 
執筆:岩淺 こまき

先日、友人の結婚披露宴に参加しました。他の参列者と共にお祝いし、とても素敵な宴となりました。その場にいる人全員で新郎新婦を祝うという一体感の中で、仕事でもこんな風に取り組めるとよいなぁと感じました。

 

なぜなら、私たちが仕事で身をおいているチームや組織では、メンバ全員ではなく特定の人だけが頑張っている場面に遭遇することがあるからです。メンバの取り組み姿勢にバラツキのある状態では、チームの望む状態=「組織が円滑に機能し目標達成」に至ることが難しく、一体感も味わうこともできません。「誰かがやればいいんじゃない」という人がいると、頑張っている人に不公平感が生まれます。「頑張っているのに報われない」気持ちを抱いていては、モチベーションも維持しづらくなります。

仕事において、チームを望んだ状態にする最も効率の良い方法は、その場のメンバ全員が「自分に求められていること」を考え行動する「名プレイヤー」になることです。「名プレイヤー」はチームに対し「貢献力」と「提言力」をバランスよく発揮していきます。自分の与えられた仕事以外のことも行ったり(共有資料の整理や別チームへの支援など)、こうした方がよいと提案したりして(業務手順の改善提案やリーダへの進言など)、メンバとしてチームを支えます。


しかし、実際には名プレイヤーとして上記のような行動を起こそうと思っても「よかれと思って動いても怒られる」「指示がないと動きづらい」「言っても聴いてもらえない」などと思うメンバが多いようです。そこで名プレイヤーになるためのヒントを書いてみます。

 

『動いても怒られると言う人へ』
その行動が自分のチームの望んでいる方向と一致しているかを再考しましょう。目先の利益に走ってないか?自己満足ではないか?顧客は喜ぶけど自社は喜ぶか?などの視点で考え、行動後の影響をイメージするのです。意外と視野が狭かったことに気づきます。行動力があるので、さらに視野を広く持ち行動に配慮を加えるとよいでしょう。

 

『指示がないと動きづらい人へ』
想像力がない場合と、想像力がありすぎて恐怖を感じる場合の両方があるようです。
想像力がない人は、自分は何をすると喜ばれるかを想像してみましょう。チームにいるということは何かしらの目指したい方向性があるはずです。周囲の立場から自分にリクエストするなら何か?を考えます。

想像力がありすぎる人は、あらかじめ周囲にイメージした内容をホウレンソウしてみましょう。的確な指示を受けやすくなります。想像力を上手に使って行動すると、「貢献力」を発揮している名プレイヤーだと周囲にも認めてもらいやすくなります。

 

『言っても聴いてもらえない人へ』
周囲に聴く耳を持ってもらうためには工夫も必要です。提言内容が素晴らしくとも、やるべきことをやっていない人の言葉は聴いてもらえません。またタイミングや言い方によって、相手に受け取ってもらえるかどうかが決まります。「提言力」をスキルとして認識し活用すると、自分の意見でチームによい影響を与えられます。

 

上記の3つを意識することで、名プレイヤーになることができます。
仕事はもちろんなのですが、実はプライベートでも貢献力と提言力を意識して実行することで名プレイヤーになれるのです。冒頭の披露宴を例にあげると、全員が名プレイヤーでした。

 

自分のテーブルの雰囲気がよくなるように、テーブルの知らない人とでも会話したり(貢献)
たどたどしいスピーチでも、頷きながら聴いてスピーカを励ましたり(貢献)
出し物の練習をしている人達に、より良くなるアドバイスをしたり(提言)
別のテーブルでフォークの足りない人がいたら、会場の担当者にそっと伝えたり(提言)
新郎新婦が嬉しいように、全員惜しみない拍手と言葉を笑顔で贈り続けていました。(貢献)

 

「今回の披露宴の目標は○○です!」などキックオフミーティングがあった訳ではありません。ただ、参列者全員が「祝福しよう!」という明確な気持ちを持っていたので、スピーチや出し物といった役割がなくても、各自がこの場にとってより良いと考えられる行動を取っていたのです。その結果が「素敵な宴」につながったのだと思います。

 

1人のメンバとしてではなく、名プレイヤーとして取り組んだ方が望んでいる状態を得やすいし、何より楽しい。仕事も遊びも、全員が名プレイヤーのチームにいたいものです。そのために"私も名プレイヤーでありたい""コツを学びたい"という皆さん、ぜひ一緒に学習しましょう↓

 

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「貢献力」と「提言力」を発揮し、「名プレイヤー」になるためのコツが詰まったコースを実施します。New!!チームワークとフォロワーシップです。ケーススタディや演習で得ることができます。1日で集中して学びましょう!
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岩淺 こまき (いわあさこまき)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント。
1997年、システム販売会社に就職し、営業技術支援および導入企業向けの研修を担当。
人材紹介会社にて中途入社社員に対する研修や、メーカーでの販売促進セミナーの企画・実施を経て2007年より現職。
プレゼンテーション、コミュニケーションなどヒューマン・スキル研修の実施に当たっている。

2009年8月よりITproにて「おさえて安心 ビジネスマナー100」連載中。


 

[チームワークと
フォロワーシップ
][2011年3月22日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第58回: チームビルディング
執筆:飯嶋 秀行

 4年に一度のサッカーの祭典、ワールドカップが終わりました。サッカーに詳しい方も多いことと思いますが、私はサッカーをあまり観ることがないため、ルールについてもそれほど詳しくありません。そんなサッカー素人の私でも、ワールドカップの日本代表戦だけは、眠たい目をこすって一生懸命応援しました。惜しくも、日本はベスト8を達成できませんでしたが、帰国した日本代表に対する新聞記事のコメントには、「日本チームが一丸となれた」「良いチームワークが発揮されていた」という記述が目立ちました。


 帰国した選手からも「このメンバやスタッフと一緒にもっと試合をしたかった。チームが解散するのは本当にさみしい」「このチームでもっと戦いたかった、充実した日々だった」「このチームならもっと成長できた」といったコメントが多く聞かれました。


 一方、過去に優勝経験もある強豪フランスチームは、主力選手が監督への暴言で追放され、反発した他の選手は練習を放棄する、など混乱が続き、最後まで監督と選手の溝が埋まらずチームが崩壊してしまったとの記事もありました。

「チームワークが発揮され、力を出し切れたチーム」と「チームが崩壊し、本来の力を出せなかったチーム」の違いはどこにあるのでしょうか?サッカーの技術的な解説は専門家にお任せするとして、ここでは、良いチームを作るためのチームビルディングという観点から考えてみましょう。


 チームビルディングとは、メンバ全員が信頼関係を構築し、コミュニケーションしやすい環境を整え、チームの目標達成に向けて協働(コラボレート)する意欲を高めていく一連のプロセスを指します。


 日本代表チームは、ワールドカップの予選突破、決勝トーナメント進出、ベスト16進出と、目標のレベルを上げつつ、合宿を重ね、寝食を共にしながら練習試合を繰り返し、チームの結束を図っていきました。時間をかけてチーム作りをしたのです。チームには、各クラブチームから優秀な選手が選抜されていますが、最初から今回のような素晴らしいチームだったわけではありません。ワールドカップ本大会直前の強化試合では負けが続き、チームの雰囲気も良いものではなかったと言われています。

 チームの成長過程には、後から振り返った時に「あの出来事があったからチームが一つになれた」、「あの体験があったからこそ、全員のチームワークが発揮できるようになったと」という場面があります。


 今回の日本チームの場合は、大会直前のスイス合宿で行われた選手だけでのミーティングがその転換点になったようです。


 強化試合が負け続きとなり、結果が出せないチームは、主力選手の入れ替えを行い、戦い方を大きく変えました。チームに訪れたこの大きな変化を乗り越えるために、選手主体のミーティングが自発的に開かれました。守備の役割を担う選手と、攻撃の役割を担う選手との間で、これまでの負け試合でお互いが感じていた違和感、不満をぶつけ合い、本音での激しい話し合いがあったようです。


 「このままの状態では、チームが掲げた高い目標はとうてい達成できない」チームの目標と現状との大きなギャップを全員が率直に認め、チームに危機感が生まれました。「ギャップを埋めるためには、従来のやり方に固執することなく、新しいやり方を試してみよう」「チームの勝利のために、全員ができることを全力でやろう」「今の自分達にできる、泥臭いサッカーをしよう」---。リーダーシップを発揮した選手のこういった発言がチームの結束を高めることにつながったのです。


 さて、皆さんが所属しているチームでは、チームワークが発揮できる状態を作るために、どのような工夫をしていますか?

 

 ・チームの目標達成に向かってメンバ全員の方向性は合っていますか?

 ・チーム内に本音で意見交換できる、発言しやすい雰囲気がありますか?

 ・目標と現状のギャップをメンバ全員が認識し、問題意識が共有されていますか?

 ・自分の担当業務だけでなく、他のメンバをサポートして協働していこうという雰囲気が
  ありますか?
 

もし、チームとしてのパフォーマンスが十分に発揮されていないと感じているのであれば、チームビルディングに取り組む必要があります。一からチームを作っていく場面ではもちろん、既に動き出しているチームを再構築して活性化するためにもチームビルディングの考え方は役に立ちます。

 

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効果的なチームビルディングの考え方や手順については、次のコースで取り扱っています。

・マネジメントとリーダーシップ (HSC0047G)


・チームワークとリーダーシップ (ON026)

   



飯嶋 秀行(いいじま ひでゆき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。
商社で情報システムの企画・開発などを担当後、グローバルナレッジネットワーク株式会社へ入社、現在はコーチングを中心に、プレゼンテーション、リーダーシップなどヒューマンスキル系コースを担当。PHP認定ビジネスコーチ上級、中小企業診断士。著書に『コーチングがやさしく身につく物語』日本実業出版社などがある。


[チームワークと
フォロワーシップ
][2010年7月16日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第32回 メンバーの力を引き出すノンバーバルとは
執筆:飯嶋 秀行

  先日、ウィーン少年合唱団の歌声を生で聴くチャンスがありました。


  会場に紹介のアナウンスが流れると、大きな拍手の中、10歳ぐらいの、まだあどけない表情の残る少年達が登場してきました。彼らが舞台に整列すると、続いて指揮者の男性が観客の前に立ちオープニングの挨拶を始めます。そして、少年達の方をふり返り、笑顔で全員にアイコンタクトを送り、合唱がスタートしました。


  その間、ほんの数秒だったと思いますが、運よく最前列で観ることができたので、指揮者の男性が、どのような表情、ジェスチャーを使って、少年達とコミュニケーションを取るのか、間近で観察することができました。
  もちろん言葉を発するわけではないのですが、指揮者の男性の表情、目線、ジェスチャーからは、以下のようなメッセージが発信されているように感じました。
  「さあ、いよいよ、本番の舞台が始まります。準備はいいですか」
  「君たちはこの日のために十分に練習を積んできましたね。いつもの調子でリラックスして、この舞台を楽しみましょう。日本の皆さんに、最高の歌声をプレゼントしましょう」
  おそらく、普段の練習では、厳しいフィードバックもしていると思いますが、その瞬間の指揮者の表情や姿勢からは、少年達を信頼し、リラックスさせ、彼らの持てる力を最大限発揮できるようにサポートしている様子が感じられました。そして、少年達もそのメッセージを受けとめ、意識を集中し、最高の笑顔で歌い始めました。
  合唱団というチームを率いるリーダーでもある指揮者が、本番の舞台でメンバーから最高のパフォーマンスを引き出すために、言葉以外の、いわゆるノンバーバルスキルを上手に活用して、支援型リーダーシップ(相手の潜在能力を引き出し、最高のパフォーマンスを発揮できるように支援すること)を発揮していたなと感じられる場面でした。


  普段の仕事でも、リーダーとして、メンバーが最高のパフォーマンスを発揮できるように支援することが求められています。みなさんは、普段チームのメンバーと会話をするときに、どのような表情や姿勢でコミュニケーションを取っていますか。これは自分ではなかなか気づけないことです。
  腕組みをしながら、眉間にしわを寄せて、厳しい表情で仕事をしているリーダーを見て、「今日のリーダーは、なんか厳しい表情をしているな、本当は相談したいことがあるけれど、今日は止めて置いた方がよさそうだな」とか「なんかリーダーの背中から、話しかけるな!というオーラが出ているから、声をかけづらいな」など、特にリーダーの立場にいる方は、黙っていたとしても、表情や姿勢によって周りのメンバーに色々なメッセージを発信しています。つまりポジションパワーといって、組織の中での地位や肩書きが持たせる力が、より大きく働いているということです。
  もしかしたら、みなさんが無意識に取っているノンバーバルの行動が、メンバーにとって話しにくい環境を作り、チームの雰囲気やモチベーションにも大きな影響を与えていることがあります。


  リーダーとして、望ましいノンバーバルのスキルに関しては、「チームワークとリーダーシップ」(ON026)の中でも演習を通じてその効果を体感できます。
  自分では無意識でやっていることなので、なかなか気づけないノンバーバルの癖などについても、他の受講者との演習を通じて、フィードバックを受け取ることで、新たな気づきが得られます。
  このコースでは、リーダー的な立場にある方、もしくはこれからリーダーになる方、後輩を指導する立場にある方を対象に、チームで働く際に起こる様々な事柄を題材に、チームワークとリーダーシップの各機能を基本から学べます。


グローバルナレッジでは、「コミュニケーション」を軸に、様々な仕事を進める上で必要なスキルを研修のコースとしてラインアップしています。技術や知識をより活かすためのヒューマン・スキルをブラッシュアップしてみませんか?



飯嶋 秀行(いいじま ひでゆき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。
商社で情報システムの企画・開発などを担当後、グローバルナレッジネットワーク株式会社へ入社、現在はコーチングを中心に、プレゼンテーション、リーダーシップなどヒューマンスキル系コースを担当。PHP認定ビジネスコーチ上級、中小企業診断士。著書に「はじめて部下を持つ人のためのコーチングがやさしく身につく物語」(日本実業出版社) などがある。


[チームワークと
フォロワーシップ
リーダーシップ][2008年5月27日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第12回 1ヶ月前の自分から届いた手紙
執筆:田中 淳子

  「チームワークとリーダーシップ」(*注)という2日間の研修コースがあります。チームとは何か、リーダーシップとは何かを学び、自分のリーダーシップの得手不得手に気づく内容です。この研修の最後に「1ヶ月後の自分にあてた手紙」を書く演習があります。「今はやってみようと思うけれど、1ヶ月も経つと忘れてしまうかもしれない。だから、1ヶ月後もちゃんと続けていますか?と自らに問いかけるような内容で手紙を書いてください」とお願いします。
  参加された方は、思い思いに「自分あての手紙」を書きます。文章で書く方、「続けているかどうか?」とチェックリスト風で作成する方、イラストや絵なども盛り込む方、カラフルに作る方、まちまちです。完成した手紙は、コピーをとり、原本はご自分で持ち帰っていただきます。コピーを封筒に入れ、糊付けし、最後にお好きな切手を貼って講師に提出します。中に何を書いたかは、ご本人のみぞ知る状態。講師もあえて聞きません。


  お預かりした手紙は、当社から1ヶ月後にお送りします。研修を受講したことも忘れかけた頃、参加者の皆さんの手元には、自分が1ヶ月前に書いた手紙が届く仕組みです。手紙が届くと、たいていの方は、一瞬「なんだろう?」と思うようです。宛名を見て、「どこかで見たことがある字だなあ」ときょとんとし、その後、「あ、自分で書いた、自分あての手紙だ」と思い出すのです。封筒を開けると、1ヶ月前に自分が考えていたことがそこに書いてあります。「あれをしよう、これをしてみよう」と研修時に決意したことを、1ヶ月経った今でも実践できているか、今一度再確認をしてみます。


  手紙が到着したことを知らせてくださる方が時々いらっしゃいます。あるとき、受講者の方からこんな内容のメールを受け取りました。



田中さん、


  ○月に"チームワークとリーダーシップ"を受講した××です。1ヶ月前に預けた手紙を今日受け取りました。手紙の中身を確認するまでもなく、研修に参加して以来、あの日自分でやろう!と決めたことは、一日も忘れることなく、実践してきたつもりです。それだけではなく、いつでも内容を再確認できるように、とテキストも手元に置いています。まだまだできていないことが多いですが、すこしでもチームが成功に近づくようがんばっています。


  ちなみに、手紙の最後に「今日も明日もがんばれ」と書いてありました。自分の言葉に励まされました。
  これからもがんばります。手紙を送ってくださってありがとうございました。

  この方が1ヶ月前に受講されていた時のことを思い出しました。研修では、様々なグループワークがあり、色々な会社の方が混ざってディスカッションします。そこでとても熱心に参加されていた様子、細かくメモを取っていたことなど鮮明に目の前に浮かびました。明るく元気にお帰りになったことも。


  研修に参加すると、その時は意外な発見や大きな刺激を受けて、「これには気をつけよう」と反省したり、「あれをやってみよう」と決意を新たにしたりするものです。ところが、何日か経つうちにその印象は薄らいでいき、日々の仕事に没頭していく中で、気づいたら「やろうと思っていたけど、できていない」「最初は気をつけていたけれど、やめてしまった」という事態になることのほうが多いと思います。少しでも行動が継続するきっかけになれば、という理由で、この研修では「1ヶ月後の自分あての手紙」という仕組みを取り入れています。
  手紙をお預かりして、1ヶ月後に投函する。そこで私達の仕事は完了です。手紙がその後どう役立っているか、といったことは、このようにお知らせいただかない限り知ることができません。でも、こんな風に「やろうと決めたことは1ヶ月間忘れずに実践し続けてきた。手紙を読んで、1ヶ月前の自分に励まされた」と報告していただけると、しみじみと「よかったなあ」と思います。研修の内容が現場で役立っていることを教えていただくことは、私たち研修講師にとっても大きな喜びとなります。


  それにしても、「今日も明日もがんばれ」、いい言葉ですね。


  誰かに言われるのではなく、1ヶ月前の自分から「今日も明日もがんばれ」と言われる。その言葉に勇気づけられる。自分で自分を励ますことができるのだと教えられた出来事でもありました。


* 「チームワークとリーダーシップ」(ON026)
  リーダーシップは、チームメンバの誰もがそれぞれの立場で関わり、果たすことのできる「機能」です。このコースでは、チームで働く際に起こる様々な事柄を題材に、チームワークとリーダーシップの各機能を学習します。

 


田中 淳子 (たなか じゅんこ)

グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、リーダーシップなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。

 

【ブログ】 
「ヒューマンスキルの道具箱」
 

【著書】
『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(日経BP社)
『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)

 

【連載中】 
日経BP朝イチメール「コミュニケーションのびっくり箱」(月曜日配信、無料) 

 


[チームワークと
フォロワーシップ
リーダーシップ][2006年9月25日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第10回 上司のやる気を高める試み
執筆:田中淳子

  「部下のやる気を引き出すのは上司の責任だ」という考え方があります。やる気は個人の問題によるところもあるので、全てが上司の責任とは言えないと思いますが、部下のやる気を左右する影響力を上司が持っていることは確かでしょう。
  たとえば、若手・中堅社員に「やる気を高める時、損ねる時」というアンケートをとると、「上司の言動ひとつ」で部下のやる気はずいぶん変わるものだということがわかります。上司は、一つ一つの自分の言動が思っている以上に部下に影響していることを覚えておいたほうがよいのです。


  では、逆に上司のやる気はどうなっているのだろう?と疑問に思うことはありませんか?上司にもまた上司がいるので、上司のやる気は上司の上司が面倒見ればよい、とも言えますが、実は「部下が上司のやる気を左右している」という面もあるのです。
  上司と部下は、共通の目標を達成するために協力し合わなければなりません。やる気についても、互いに高め合うことができれば、チームとしてよりよい成果が期待できるのではないでしょうか。


チームワークとリーダーシップ」(*注1)という研修で、「上司のやる気を高めるという考えもある」という話をしたことがあります。それを聞いた参加者の一人Aさんが、会社に戻り早速あることを試してみたそうです。


  彼の上司は、週1回の「マネージャ会議」に参加して自席に戻ると、必ずため息をつく人でした。資料を「どさっ」と机に置く音と共に、「はぁ~」と深く大きなため息が聞こえてきます。Aさんはそのたびに「あぁ、あのため息、やる気なくなるんだよなあ」と思っていました。
  研修直後にまたマネージャ会議の日がやってきました。「上司のやる気」の話を思い出したAさんは、課長が会議から戻っていつものように深いため息をつこうとした瞬間に、「マネージャ会議、どうでしたか?」と声を掛けてみました。
  すると課長は、「ん?」と振り返り、意外そうな顔をして、Aさんにこう言ったそうです。「え?興味あるの?」
  課長はAさんに近づき、「実はね、今、こういう話が出ていてね。全部はまだ開示できないんだけど、これとこれが進んでいるんだ」などと細かく話してくれました。「課長は、マネージャ会議の内容を内緒にしていたわけではなかったんだな」と思い、次の週も「マネージャ会議、どうでした?」と質問しました。「今日は、これが決まった。近々こういう発表があるから、準備しておいて」と、その日も課長は丁寧に説明してくれたそうです。
  そうこうする内に、課長はAさんだけでなく、他のメンバにも「マネージャ会議で話されていること」を自分から積極的にフィードバックするようになったといいます。


  よく「うちの上司は、マネージャ会議で出ている話を部下にぜんぜん話してくれないからな」と愚痴をこぼす人がいます。そういう人のどれだけが、上司に「マネージャ会議はどうでしたか?」と自分から問いかけているでしょう。
  Aさんの上司である課長は、部下のAさんから「マネージャ会議どうでしたか?」と質問されたことで、部下も会議内容に興味を持っているのだ、と初めて気づいたのかもしれません。今までは、「こんな話を部下にしても、聞いてくれないだろうし」と思い、場合によっては会議で出た話を胸にしまいこんで、深いため息と共に自席についていたのかもしれません。
  そんな時、Aさんから質問してくれたことで、「会議の内容をメンバにきちんと説明する」という行為が呼び覚まされたのです。Aさんの部のメンバは、これにより、マネージャ間でどんな話が進められているのかを以前よりも早く詳しく知ることができるようになりました。


  私も最近、意識して行っていることがあります。部下の上司評を上司の耳に入れることです。特によい評判を積極的に上司に話してみています。たとえば、「この間の会議、タイミングが早くてよかったとメンバが言っていましたよ。」「面談で話をよく聞いてくれた、と喜んでいたメンバがいましたよ。」と。
  部下からの評判を耳にするとたいていの上司は嬉しそうな顔になります。そう、誰だって、「人が自分のことをどう思っているのか」は、気になるものです。上司というのは、部下の不安や苦情、文句はよく聞かされますが、自分のしていることについてのよいフィードバックはなかなか受ける機会がないと思います。そうすると、「してはいけないこと」はわかっても、「何をすればよいのか」まではつかみづらいのです。
  だからこそ、部下からの"よい評判"を上司に伝えることは、上司のやる気を刺激することにつながるのではないかと私は思っています。


  これらの例のように、上司に「自分のやる気を高めてほしい」と期待するばかりではなく、自分が上司のやる気を高めるためにできることは何かを考えてみることも、組織の活性化につながるひとつのきっかけになりそうです。


(*注1)
チームワークとリーダーシップ」(ON026)
リーダーシップとは、チームメンバに対する影響力のことです。「仕事の達成」と「人間関係の維持」の2つの「影響力」について、具体的に自分が何をすればよいか考えるための研修です。リーダーの方もこれからリーダーになる方にもお勧めします。

 


田中 淳子 (たなか じゅんこ)

グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、リーダーシップなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。

 

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【著書】
『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(日経BP社)
『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)

 

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[チームワークと
フォロワーシップ
リーダーシップ][2006年7月21日配信]

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