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わくわくヒューマンスキルコラム
第41回:「気持ちのモチカタ」
執筆:高橋 俊樹

「久しぶりだね。調子いかが?忙しいのは気持ちのモチカタです。近々飲みましょう!」

 

仕事で遅くなった帰宅途中、20年来の大学時代の友人から携帯電話に届いたメールを見て、思わず吹き出してしまいました。友人からの文面が、私の返答を想定した書き方だったからです。これまでは「秋だね、仕事どう?近々飲みに行かない?」というような誘いに対して「頑張っているよ。そちらはどう?今は忙しいので落ち着いたらこっちからメールするよ!」と返信するのがパターン化していました。その結果、誘いのメールが来てから飲み会が実現するまでに長い時は3ヶ月ほど要することも幾度となくありました。

 

 皆さんは仕事をしている時に「気持ちのモチカタ」について考えたことはありますか。時間は常に同じように過ぎていきます。言うまでもなく、その時間をどのように使うかは自分次第です。中でも、自分の気持ちの持ち方が、成果の質を大きく変えるような気がします。私たちが実施している研修を例に挙げてみましょう。

 

「今、とても忙しいのですが研修なので仕方なく来ました」
「今、忙しいのですが困っている問題もあるので、楽しみに来ました」

 

 研修冒頭の自己紹介で上記のように述べた参加者がいらっしゃったとします。研修も業務の一環ですから緊急の要件がない限り、ほとんどの方が全日程をきちんと受講されます。しかし、「仕方なく来た」という方と「楽しみに来た」という方では、同じ時間を過ごしても、研修での気づきや持って帰る成果には大きな差が出てしまうようです。おなじ時間を使うのなら、マイナスに捉えるのではなく、プラスに活かす気持ちを持つほうが、その時間を有意義なものへと変えることができます。

 

 日々の仕事でも同じことが言えます。仕事がいつも楽しいという方は問題ありませんが、なかなかそうはいかないものです。楽しいと思えるようにするために、自分なりの目標を設定するのもひとつの方法です。目標を立てることが気持ちのモチカタに変化をもたらします。目標がやる気につながり、目標に向けての行動が起きるからです。やる気を持って仕事ができれば、そのために費やす時間を意義あるものと感じることができ、得られる成果の質も上げることができます。

 

 最近、私が楽しく仕事を進めるために日々設定している目標に"受信トレイのメールを2桁、できれば10件以内にすること"があります。ややこしいメールが来ると後回しにしてしまい、どんどんメールが溜まり、受信トレイには100件以上のメールが溜まってしまうことも度々ありました。「受信トレイのメールを2桁にする」という目標を設定してからははやく片付けて「仕分けフォルダ」に入れよう!と、やる気が刺激され、気持ちよく仕事を進められ、結果として周囲への対応も早くなりました。

 

 このように小さくても何か目標を設定することでやる気が起き、気持ちの持ち方が大きく変わることで、仕事の成果にも大きく影響します。どなたでも「何時までにこれを仕上げよう!」などと、実は細かく目標設定をしているものです。思っているだけではついつい割り込みの仕事や緊急対応が入ってしまい、考えていたようにできないこともあります。そこで「こうする」と決めたことを付箋紙などに書いてモニターに貼っておく、口に出して周囲に宣言してしまうのも効果があります。仕事の進め方や時間管理、あるいは自分へのご褒美など何を目標にしても良いのです。自分なりの目標を立てて"気持ちのモチカタ"を少し変えてみることが重要です。

 

 冒頭の友人のメールには、「そうだな、忙しいけど気持ちのモチカタだ。忙しいからこそ時間を作っていくべきだ」と考え、早速一週間後に会う段取りを付けました。それに向けて、仕事も集中し、充実感を持って進めることもできました。
 久しぶりの友人との再会は大変楽しく、大いに刺激を受けた一晩となりました。これまでのように忙しいのを理由に先延ばしせずに行って良かったと思います。この友人は、会社を経営しているので実は私以上に忙しい立場のはずです。彼自身が「気持ちのモチカタ」を自分に課しているのかもしれません。いつも自分から声をかけてくれるこの友人に感謝しています。
 

チームワークとリーダーシップ」

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高橋 俊樹(たかはし としき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。
1991年、自動車メーカーに就職し、営業担当者向けの教育の企画・実施を担当。その後、テレマーケティング会社を経て、2001年より現職。プレゼンテーション、ネゴシエーション、コーチングなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。
ITpro skillup 2007年3月より連載中「コミュニケーション・スキル講座」

 

[モチベーション][2009年2月17日配信]

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