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わくわくヒューマンスキルコラム
第57回: マネージャとビジョン
執筆:高橋 俊樹 (たかはし としき)

「あなたは自分のチームを3年後、5年後にどうしたいのか?」

 

これは、数年前に経営層から、マネージャである私に投げかけられた言葉です。長い視点でどのように自分のグループのビジョンを捉えているのか、その質問に筋道立てて颯爽と答えられたら良かったのですが・・・

 

正直に告白すると、即答することができませんでした。理由は「時間が足りず、じっくりと考えたことがなかった」からです。

 

当時はプレイングマネージャとして、プレイヤーで動く割合が大半を占めていました。そのために、オフィスよりも社外にいる時間が多く、オフィスにいられる時は、関連部署からの問い合わせや依頼の対応に追われていました。業績に直結する短期的な案件や業務に忙殺されていたのです。他にもビジョンを考えていなかった理由は、いくらでも挙げることができます。しかし、これ以上は言い訳になりそうなので話を先に進めます。


        
「ビジョン」と言う言葉を聞くと、わかったような、わからないような曖昧模糊(あいまいもこ)としたイメージを持ちます。「ビジョン=将来の見通し」のように一般的な解釈で捉えると、将来の見通しが立ちにくいが故に、余計にわかりにくいイメージを言葉から感じさせるのかもしれません。

 

ビジネスにおけるビジョンとは、広い意味で「チーム(組織)活動の中心となるような、方向性を示した指針」を指しています。その中には、チームの目的(Why)、チームが目指すあるべき姿(What)、チームの価値観や行動指針(How)が含まれます。皆さんの会社でも、企業ビジョンをWebや社内の掲示物など、何かしらの媒体で確認できるはずです。

 

企業ビジョンは、抽象的な言葉で表されていることが一般的です。そのため、企業ビジョンを実現させるには、組織を構成している個々のチームが、ビジョンをきちんと持つ必要があります。なぜなら、実際に組織を動かしているのが個々のチームである以上、上位ビジョンからブレークダウンされたチーム単位でのビジョンも必要不可欠だからです。

 

チーム単位のビジョンとは、『なぜ?なんのために?どのように?』が具体的に明文化された「拠り所」のようなものです。そして、チームメンバの「拠り所」となるビジョンに求められるのは、「ビジョンが具体的であること」と「ビジョンに対してメンバの共感を得ていること」です。

曖昧なビジョンでは、メンバがどのような行動を取ればいいのかがわからず、自分の業務に活かすことができません。明確なビジョンを持つことで、メンバが行動に移しやすくなります。また、メンバがビジョンに共感していれば、より納得感も高まります。その結果、ビジョンが実現しやすくなるのです。

 

ビジョンを効果的なチームの「拠り所」にするためのポイントをまとめます。


● 上位のビジョンや目標(企業ビジョン、部門ビジョンなど)と連動している
● ビジョンから落とし込まれたチームの価値観や行動指針が具体的である
● ビジョン作りにメンバを巻き込んで共感、コンセンサスを得ている

 

多忙を極める日々の業務の中で、じっくりとビジョンに向き合う時間を捻出するのは難しいと思います。しかし、マネージャ自身が、率先垂範でプレイヤーとしての役割を頑張ったところで挙げられる成果は限られています。チームが一丸となって目標に向かうためにも、チームの「拠り所」となるビジョンは、マネージャが時間をかけてじっくりと考え、メンバと作りこんでいくべき物なのです。

 

「皆さんは、所属するチームの3年後、5年後の明確なビジョンをどのようにお考えですか?」

 

忙しいから大きな絵がかけないのではなく、
     大きな絵がないから、やたら忙しく感じてしまうのである
                J・コッター

 

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以下のようなコースで、ビジョンやリーダーシップを体験的に学ぶことができます。

マネジメントとリーダーシップ~マネージャの役割を知り、チームのパフォーマンスを高める~

チームワークとリーダーシップ~中堅社員のためのよいチーム作りとリーダーシップ・スキル~

 


高橋 俊樹  (たかはし としき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。1991年、自動車メーカーに就職し、営業担当者向けの教育の企画・実施を担当。その後、テレマーケティング会社を経て、2001年より現職。ヒューマン・スキルグループのマネージャ兼講師として人材育成支援に当たっている。2007年3月~2010年4月まで日経BP、Selfupで「コミュニケーション・スキル講座」を連載。

 

[リーダーシップ][2010年6月17日配信]

 

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