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わくわくヒューマンスキル
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わくわくヒューマンスキルコラム
第71回:「関わり方」が築くもの
執筆:森 美緒

「私は傾き無限大です。」

これは学生時代に、友人が就職の自己アピールで活用した言葉です。
面接のリハーサルにつき合っていて、私の頭に浮かんだのは「?」でした。
友人の解説では
「傾きとは、比例式y=axのa、つまり係数のことである。係数が大きいほどyの値が大きくなる。私は御社の中でそういう働きができる」ということでした。

「自分は御社に必要な人材です」と言うニュアンスはなんとなく伝わってきましたが、
ニュアンスしかつかめない自己アピールで採用されるかな?と他人事ながらとても心配だった覚えがあります。

その後、私も友人も無事に就職して、あっという間に10年以上が経ちました。
私は2度、転職して今の職業に就きました。
IT企業に入社した友人は社内で配属先が3度替わりました。
学生時代に教師になりたいと言っていた私は、営業→秘書→研修講師となり、
インフラ中心のSEになりたいと言っていた友人は、技術部(インフラ)→技術部(料金計算)→事業本部で働いています。
仕事の内容が変わるたびに、私たちはほとんど同じやりとりをします。


「やりたかったことなの?」「うーん。興味がなくはないけど・・・」
「大丈夫?できるの?」「分からないけど、とりあえずやってみる」


私も友人も、計画的に歩んだキャリアと言うよりも、たまたま人から紹介されたり、たまたま異動辞令で築かれたりしたキャリアとしか言いようがありません。
会話の中にある通り、「もともとやりたかったことなのか?」と聞かれたら、違う気がします。
かといって、「やりたくないことをやっているのか?」と言うと、それも違うのです。
とにかく自分の立ち位置で、できることをやってみるうちにその仕事が分かってきて、楽しさを見つけていく感じです。仕事が分かってくるころになると、こんな会話をします。


「その後どう?」「大変だけど、やりがいがあるよ。」


絶対にこの仕事に就こう!と志し、それを実現する方がいる一方で、私や友人のように、偶然をキャリアに変えている人が数多くいるのではないかと思います。
そして、それで良いのではないかとも思うのです。理由は2つあります。


1つ目の理由は、そもそもやったこともない仕事に「適職感」なんて持てないと分かったからです。今になって思えば、学生の時になりたかった職業も、なりたかった自分も、今の自分とはずいぶん違うのです。そんな中で自分の適職を探すことはできないと思います。


自分が今までに経験してきたことは、職場や業務内容が変わっても、まったく無駄にならないと実感していることが2つ目の理由です。私は現在、研修講師として営業時代の事例やコミュニケーションテクニック、秘書時代に身につけたマナーを活用しています。友人は事業本部として予算や計画を策定するために、技術時代の経験や知識を活用しています。過去に自分がやってきたことは、結びつけようとさえ思えば、今の業務とその成果につなげることができるのです。


4月に入社した新入社員の中には、配属先に一喜一憂している方もいるようです。その姿を見るたびに、配属先よりも、その場所で自分が何をするか、つまり仕事への関わり方が大切だと早く気づけたらいいなと思います。


さて、冒頭の「傾き無限大」に戻ります。
y、x、aはそれぞれ何を指すのか、改めて考えると、1つの解釈ができるようになりました。「資源(x)に、どんな自分で関わるのか(a)が結果(y)に大きく影響する」という解釈です。


結果=自分の関わり方×資源


この解釈であれば、現状をうまく説明することができるのです。
例えば、こんな感じです。


スキルの向上=自分の関わり方×学ぶための資源(先輩や参考資料など)
業務への満足感=自分の関わり方×業務


資源は得ようと思えば、あらゆるところから得ることができます。
でも、自分の関わり方によっては目の前にある資源を資源として認識できなかったり、自分の持っている資源を資源として活用できなかったりするかもしれません。そこから何を得るのか、どんな成果につなげるかは自分次第です。
私の解釈が正しいならyの累積がキャリアであり、人生そのものだということになります。


こんな解釈ができたよと、友人に今度会ったら話してみようと思います。「そう言いたかったんだよ!やっと分かったか?」と得意気に笑う顔が目に浮かびます。

[大人の学び新人社員研修][2011年8月22日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第67回: 「視点の高さ」が多くの人を喜ばせる
執筆:岩淺 こまき

マナーやプレゼンテーション、ファシリテーションなど社会人に必要な基礎体力ともいえるスキルや「思い通りにならないことに対し、物事をどのように捉えどのように行動するか」といったマインドに至るまで、様々なことを実践形式で学べるようにと日ごろから工夫しています。特に、なぜそれが必要なのかという「目的・理由・背景」を考え、物事の本質をつかんで頂くことに心を砕いています。本質をつかむと、視点の据え方がよくなり、現場で応用できるようになるからです。 


最近、ある新入社員研修で、視点の高さを感じた出来事がありました。


複数企業合同の研修が終わるにあたり、交流会の企画が新入社員から持ち上がりました。今後も変わらない情報交換と、互いに支援し合える環境づくりを目指すものです。参加者は30名弱。お店の場所や集合時間など告知する際、企画者Aさんが参加者にこう提案しました。「実はクーポンを使って予約をすると、10名につき1名無料になります。だから6000円お金が浮きます。みんなに還元しようと思ったのですが・・・、もしよかったら東日本大震災の義援金にあててもよいですか?」と。参加者全員拍手で承認し、残ったお金の使い道が決まりました。

 

ビジネスの現場では、チームの目標達成を目指し、日々様々な活動をしています。自分の行動がチームの目標達成に貢献できる行動かを考えるとよいことは、先月のこのコラムでもお伝えした通りです。今回の出来事を、1つのチーム活動として考えてみます。企画者Aさんをリーダー、30名弱の新入社員がメンバだとしましょう。チームの目標は、「全員が今後も支援しあえる関係を作るために交流する」です。したがってAさんは、30名弱が喜ぶ活動ができれば、チームとしての目標は達成できます。そう仮定すると、1人につき200円ずつ還元する、みんなが喜ぶ記念品を買う、別デザートや特別メニューを追加する、などの案が出てきます。どれを選んでもチームに不利益は生じません。

 

しかしAさんはその状態に留まらず、より高い視点から状況を俯瞰し、発想の範囲を広げました。自分が所属する30名弱のチームから、視点を高く持つことで、より多くの人に喜んでもらえる案を思いつくことができたのです。結果として確実に、30名以上の人に喜んでもらえることになるでしょう。「義援金」と「チームが今後も支援し会える関係構築」とは、一見別の次元の事柄に見えるかもしれません。しかし個人的にはこの瞬間に「誰かのためになる素敵なアイディアを出せるチームに、自分も所属したい!」という気持ちに向かって、全員が一致団結したように感じられました。

 

働くとは、人のために何かを行い、対価を得ること。他者のためにならないことは、働いていることにはなりません。より多くの他者に喜んでもらう働きができる人や企業が、周囲に求められ、成長し続けることができます。業務においては、自分の作業範囲だけで考えるのではなくて、チーム全体ではどうか、部署全体ではどうか、ひいては会社全体でどうか、社会に役立つかなどを考えることが必要になるのです。

 

Aさんは、自分の視点を高く持つことで、喜んでもらえる対象範囲を広げることができました。Aさんと、それを拍手で受け入れた新入社員たちの視点の高さは素敵です。これからの活躍を、心から応援しています。

 

日常では業務をこなすことに忙殺されてしまい、はっと気がつくと1日が終わることも珍しいことではありません。ふとした瞬間や業務に当たる前、何かを検討する際には、より多くの人を喜ばすにために、何ができるのか、他に考えられる方法はないかなど視点を高く持つことを私も意識したいと思います。

 


 
岩淺 こまき (いわあさこまき)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント。
1997年、システム販売会社に就職し、営業技術支援および導入企業向けの研修を担当。
人材紹介会社にて中途入社社員に対する研修や、メーカーでの販売促進セミナーの企画・実施を経て2007年より現職。
プレゼンテーション、ファシリテーション、講師養成講座などヒューマン・スキル研修の実施に当たっている。

2009年8月よりITproにて「おさえて安心 ビジネスマナー100」連載中。


 

[チームワークと
フォロワーシップ
新人社員研修][2011年4月25日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第60回: 自分もラクに、周囲も楽しくなるように
執筆:岩淺 こまき

先日の家族旅行で、動物園に行ったときのことです。


長時間移動し、入場料を払い、いよいよ動物に会えるなと意気込んで園の中に入ったところ、園側の事情により私たちは、一頭も動物にあうことができませんでした。その時私は「動物がいないなんて、動物園の価値ない」と若干の怒りを感じ、夫に愚痴を言いました。ところが一緒にいた父は、地面に生えているシロツメクサを2本摘み、「動物いないから、草花遊びでもしようか」と、おもむろに母と引っ張りっこ(草が切れなかった方が勝ち)をはじめたのです。同じ状況下にも関わらず、楽しそうに草遊びをする両親を見て、いきなり動物園を全否定した自分が恥ずかしくなりました。

 

何事も捉え方次第なのだと、感じました。私は自分の意図しない出来事に遭遇すると、怒りや不安などネガティブな感情が出ることがあります。父のような捉え方ができれば、不必要な怒りや不満を感じることなく、穏やかな気持ちで毎日を送れるはずです。私は本来感じる必要のないストレスを、勝手に作りあげていたことに気づきました。

 

捉え方を変えることは、自分の気持ちを穏やかにするに以外にも、周囲に対して影響を与える効果をもちます。人間は感情によって、次の行動が左右されるからです。ネガティブな感情をもった人はネガティブな行動をとりやすくなります。そしてこのとき起こした行動が「良くも悪くも周囲に影響を与える」のです。

 

普段私たちは組織の中で、多くの人と関わりあいながら仕事をしています。日々起こる様々なことや周囲の言動に、感情が動かされるのはよくあることです。とはいえ、不必要なネガティブ感情に左右されて、感じる必要のないストレスを感じたり、周囲へ悪い影響を与える行動をとったりするのは、自分にとっても組織にとっても望ましい状態ではありません。「あの人と仕事すると、暗い気持ちになるんだよね」「同じプロジェクトに入りたくないよね」という評価に発展すると、まず自分が周囲からの協力が得にくくなります。そのことを発端に、職場にネガティブな感情のサイクルが回りはじめてしまいます。

 

今回の場合でいうと、起こった出来事は「動物園に動物がいなかった」でした。私は「動物はいないといけないのに」という捉え方をし、見られるはずの動物が見られなかった、と不満を持ち、ネガティブな感情から「愚痴る」行動を起こしました。一方で父は同じ出来事に対し、「動物はいないんだね」と事実を穏やかに受け止め、視野を広げる余裕を持ちました。その結果「その場にあるもので楽しむ」と、私とは異なるポジティブな行動をとることができています。周囲への影響をみてみると、私の愚痴を聞いた夫は、一瞬かもしれませんが嫌な気持ちになったようです。一方父の提案を受けた母は、楽しい気分でその場を過ごせていました。

同じ場所、同じタイミングで意図しない出来事に遭遇したはずが、捉え方の違いからくる行動により、正反対の影響を周囲へ与えることとなりました。

 

仕事だけではなくて何事も、周囲によい影響をあたえるような捉え方をしてみたいものです。自分も穏やかな気持ちで、そして周囲も楽しくなるように。ポジティブな感情のサイクルを回すきっかけとして、父を見習い、自分の捉え方を見直してみたいと思った1日となりました。

 

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今回のコラムにはクイズが付いています。お一人で考えても、職場のみなさんと話し合っても、様々な気づきがありますよ。

【テーマ】楽しみにしていたドライブで、渋滞が続き何時間も車の中で過ごしている。
どのような捉え方をすると「自分もラクに、周囲も楽しく」なるでしょうか?


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グローバルナレッジでは、さまざまなヒューマン・スキル研修をご用意しています。
 

効果的コミュニケーション・スキル ~効果的な説得、交渉へと導く対人コミュニケーション~

 

新入社員研修 NEW TRAIN® サービスの紹介

 


岩淺 こまき (いわあさこまき)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント。
1997年、システム販売会社に就職し、営業技術支援および導入企業向けの研修を担当。
人材紹介会社にて中途入社社員に対する研修や、メーカーでの販売促進セミナーの企画・実施を経て2007年より現職。
プレゼンテーション、コミュニケーションなどヒューマン・スキル研修の実施に当たっている。

2009年8月よりITproにて「おさえて安心 ビジネスマナー100」連載中。


 

[新人社員研修][2010年9月17日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第35回:「国語辞典」を使っていますか?
執筆:田中 淳子

新入社員が配属され、OJT真っ只中のこの時期、OJT担当者やその上司の中には、「新人が書いてくる文章に誤字が多くて、大変だ」とか「添削に数時間かかってしまう」と嘆いている方も多いことと思います。
彼らが提出する文章を上司やOJT担当者が赤ペンで一生懸命修正し、戻す。新入社員は、上司やOJT担当者から真っ赤な状態で戻された文章を、「指摘された箇所をそのまま直す」。そんな作業を繰り返している職場が多いようです。


「新入社員に文章力をつけさせたい」と思う一方で、上司やOJT担当者は丁寧に添削してしまいます。「添削する」という方法を取ることで、新入社員からは「自分で考えて書く」というプロセスが抜け落ち、結果的に「文章力の向上」につながらないという皮肉な結果が生じるのです。
上司やOJT担当者が赤ペンで修正箇所をより多く指摘するより、新入社員自身によりよい文章、よりよい言葉選びをさせるほうが教育効果は上がります。では、何をすればよいのでしょうか?


今年、ある企業で新入社員研修を実施した時のことです。新入社員には毎日「研修受講報告書」を書かせるというカリキュラムになっていました。その企業では、前日書いた報告書から簡単にコピー&ペーストできないよう、A4サイズ分の報告書を手書きで記述するよう指導していました。「報告書を書く経験を積むこと」はもちろんのこと「文章力を向上すること」や「日本語力を磨くこと」も意図していました。


新入社員が提出する報告書には誤字脱字が多く、中には創造力溢れる漢字が使われている場合も少なくありません。たとえば、「講義」は「講議」、「習得した」は「取得した」と書かれています。「協調性」と書きたかったのでしょうが、「共丁性」と書いてあったり、「結束力」と書くつもりだったらしい言葉は、「決足力」となっていたりもします。既に学生時代から手書きで文字を書く機会が減っているため、A4サイズ1枚の報告書でもひとつの誤字なしに書けるという人はほとんどいないのが現状です。漢字だけではありません。言い回し・表現も適切でないものが選ばれている場合が多々あります。

今年は、この企業で「新入社員に国語辞典を持参してもらう」ことを当社から提案しました。「学生時代に使っていたぼろぼろの辞典でもいいから、自宅から持参するように」と入社前に連絡していただいたのです。その結果、新入社員のほぼ全員が自席に国語辞典を置いて新入社員研修に臨む姿が見られました。

その結果興味深い変化が起こりました。


1.レポートの誤字脱字が激減した
⇒ レポートを書く際、あてずっぽうで書いていた漢字を調べてから書くようになったため、間違いが減った

2.レポートでの表現において、より適切な言葉を選ぶようになった
⇒ 辞典を引き始めると、単に正しい漢字を探すだけではなく、「どういう表現を用いればより自分の考えを的確に表現できるか」を考え、言葉を探し、選ぶようになった

3.他者と言葉に関する議論をするようになった
⇒ グループ・ディスカッションで成果を模造紙にまとめる作業でも、「こちらの表現のほうがより良いのではないか」と言葉について活発に議論していた

「国語辞典を手元に置いておく」という、たったそれだけのことで、誤字脱字が減るだけでなく、表現する際の言葉遣いに敏感になる、という効果が生まれたわけです。

手近に調べるためのツールがあれば、誰でもそれを使うようになるものです。自助努力の範囲で、正しい言葉遣い、正しい漢字を調べ、レポート作成も行えます。調べる楽しさを知ると、辞典を使って言葉探しをすることがさらに面白くなってくるようでした。

「机に国語辞典を置いておきなさい。わからないことは調べなさい」---。

OJTの現場でも、新入社員にそう指示を出してみてはいかがでしょう。チームで国語辞典を共有物として用意するのもよい方法です。自分で調べて新しいことを知る、調べてみたら忘れていたことを思い出す、というのは、人間の知的好奇心を刺激する要素でもあります。調べることが習慣化すれば、文章力も日本語力も自ずと向上してきます。

ところで、「ぼろぼろでもいいから」と伝えたものの、新入社員の皆さんが持参した辞典は全部ピカピカでした。なぜなら、全員が"電子辞書"を携えてきたからです。時代の変化を感じる光景でもありました。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
第二新卒の方、10月入社の方、配属後再度コミュニケーションを見直したい方のための特別コースをご用意しました。
「仕事の基礎力」(1日間)
「新入社員のためのコミュニケーション&プレゼンテーション」(3日間)
2008年秋に各コースとも1回のみ開催いたします。
一人前のビジネスパーソンになるためのビジネスマナーや、コミュニケーション・プレゼンテーションの基本を短期間で修得します。


 


田中 淳子 (たなか じゅんこ)

グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、リーダーシップなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。

 

【ブログ】 
「ヒューマンスキルの道具箱」
 

【著書】
『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(日経BP社)
『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)

 

【連載中】 
日経BP朝イチメール「コミュニケーションのびっくり箱」(月曜日配信、無料) 

 


[後輩指導・OJT新人社員研修][2008年8月19日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第34回 気持ちを「形に表わす」こと
執筆:岩淺こまき

  はじめまして。岩淺こまきと申します。昨年、グローバルナレッジのメンバになりました。初めての転職ではないので、新しい環境や新しい職場への出社初日も慣れたものになっていました。出社初日というと、どの企業でもほぼ似たようなことを行うからです。しかし半年以上が経過した今でも、グローバルナレッジの出社初日は、昨日の事のように鮮明に思い出せます。


  まず人事部主催のオリエンテーションを終え、その後自分の席に案内されました。オリエンテーションの際、配属先であるヒューマン・スキル部門のメンバは全員外出をしていると聞いていたので、当然周りには誰もいません。席につき「さて、オリエンテーションの際、指示された作業をしよう」と自分の机の上を見ると、そこには「一冊の本」と「缶ジュース」が置いてありました。なんだろうと思いながら本を開くと、そこには


  「入社おめでとう!仲間になってくれてありがとう!!」


  と書かれた「手書きのメッセージ・カード」が挟んでありました。当社の先輩講師が、自分の執筆した書籍にカードを添え、プレゼントしてくれていたのです。缶ジュースには、上司からのメッセージ・カードも添えられていました。・・・驚きました。初めての経験でした。


  驚きが収まった後、PC環境が正常に利用できるか確認するため、予め設定されているメールソフトを起動しました。すると、今度は、


  「メンバ一同、入社を心待ちにしていたのですよ。」
  「これから一緒に頑張りましょう。期待しています!」


  といった「WELCOMEメール」を次々受信してきたのです。入社日前日に、ヒューマン・スキルのメンバ全員から、それぞれメールが送られていたのでした。


  二度目の驚きが収まった時、「仲間として迎えられている」という安心感を持ちました。「あぁ、私はここで仕事をしても良いのだな」と、新しい環境で多少の不安を抱えていた自分を認識するとともに、気持ちが楽になったのでした。「よし、頑張ろう。もし、私の次にまた新しい人が入ってきたら今度は私が同じことをしてあげよう」と心に固く誓いました。


  この出来事は、要約すれば「出社初日WELCOMEメールが届いていました」という、これだけの事なのかもしれません。少し意地悪な見方をすれば、「みんなヒューマン・スキルの講師なのだから『こうすれば喜ぶだろう』という理論に基づいて、形だけ整えただけじゃないの?」と捉えることも出来るでしょう。(幸い形だけではありませんでした)


  もし仮に形を整えたのだとしても、「気持ちを形に表わすこと」は、時に必要なのだと私はそのとき思いました。その行動がある程度頭で考えたことだとしても、受け手がそれをプラスに受け止め、やる気が上がったり、チーム内の結束が強まったりするなどの良い効果が生まれるなら、その行為には意味があるのです。表現しなければ相手には何も伝わりません。重要なのは、形からでもよいので、まずは相手に伝わるよう行動を起こすことなのです。


  この時期は、新しい部署に異動された方やはじめて配属された新入社員の方も大勢いらっしゃることでしょう。傍目にはどんなに落ち着いて見える人でも、どんなに経験を重ねている人でも、周りが想像する以上に、新しい環境に不安を感じているものです。


  「今年は5名新入社員が配属になるらしいね」「また新しい人が採用されたんだってね」と話題にするだけでなく、新しいメンバが入ってくることを職場全体の「イベント」として捉えてみてはいかがでしょう。出迎えるためのアイディアを出し合い、「WELCOME」の気持ちを、まずは形に表してみるのです。難しいことでなくてもかまいません。例えば私が体験したような「手書きのメッセージをプレゼントする」「WELCOMEメールを送る」などの簡単なことからでも、できることが沢山あります。


  「あなたが仲間になってくれて嬉しい」。それを伝えることが第一歩です。


  グローバルナレッジの「後輩の教え方育て方 ~OJTの効果的な進め方とスキル~」研修では、「人財育成」に必要なスキルやノウハウを体系的に学びます。「OJT担当者向けワークショップ研修」では、OJTの現場ですぐに活用できるツールを研修内で作成します。新しい方を迎え入れる準備を、一緒に考えましょう。


グローバルナレッジでは、「コミュニケーション」を軸に、様々な仕事を進める上で必要なスキルを研修のコースとしてラインアップしています。技術や知識をより活かすためのヒューマン・スキルをブラッシュアップしてみませんか?



岩淺こまき(いわあさこまき)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育トレーナー。
1997年、システム販売会社に就職し、営業技術支援および導入企業向けの研修を担当。
人材紹介会社にて中途入社社員に対する研修や、メーカーでの販売促進セミナーの企画・実施を経て2007年より現職。
プレゼンテーション、コミュニケーションなどヒューマン・スキル研修の実施に当たっている。


[後輩指導・OJT新人社員研修][2008年7月22日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第30回 新社会人の皆さんへ - 「自ら考え行動すること」
執筆:田中 淳子

  「自分で考え、行動する人材になってほしい」。多くの企業が新入社員に期待する事柄として第一に挙げるメッセージです。新入社員には「自分で考え、自分から行動を起こす」ことが非常に難しいと感じられるかもしれません。配属されてみると、「新人の私にはなかなかできない」「上司や先輩が環境を整えてくれたらいいのに」と思う場面にも多々遭遇してしまうものです。働く環境も自分を取り巻く事態も太刀打ちできないものに思えることでしょう。
  しかし、何も難しいこと、高度なことを「自分で考え、行動せよ」と先輩たちが言っているわけではありません。まずは、身の回りで手が届くことから、始めてみればよいのです。


  配属先に出社した初日のこと。新入社員Aさんは、元気よく「おはようございます!」と挨拶しましたが、先輩たちは返事をしてくれませんでした。数日経ち、「おはようございます」だけではなく、「行ってらっしゃい」「お帰りなさい」などの声掛けが少ない職場なのだと気づきました。たいていの人なら、「誰も返事をしてくれず、むなしいからやめよう」と思い、自分も挨拶をやめてしまうところです。ところが、Aさんは、来る日も来る日も、「おはようございます」「お疲れ様でした」と元気に声を掛け続けてみました。「挨拶は社会人として基本の行為だ」と自分で考えたからです。
  しばらくすると、先輩の一人が挨拶を返してくれました。その内徐々に返事してくれる人が増えていきました。数ヵ月後、Aさんの職場では、全員が挨拶を交し合うように変わったと言います。
  職場の雰囲気を変えるのは難しい。多くの人がそう思います。でも、こんな風にたった一人の新入社員が周りを動かすこともあるのです。


  別の例です。
  新入社員の常として、誰もが職場の電話をとるように言われます。取ったところで、自分宛であるわけもなく、誰かに取り次ぐことになります。ところが、「○○課長いらっしゃいますか?」と言われても、当の課長は離席中。しかもその理由が分からない場合もあります。「電話を取っても、上司や先輩がどういう理由で離席しているかわからないので困る。居場所は明確にしてほしい」と、他の新入社員は不満を漏らしていました。そんな中で、新入社員のBさんだけは違いました。
  Bさんは、こう言います。「配属直後は僕も上司達の居場所が分からなくて困りました。でも、上司や先輩の予定を押さえておけばいいのだと気づきました。最近は出社したら、まずスケジューラを開いて、上司や先輩の1日のスケジュールを確認することにしています。」
  「仕事をしやすい環境を周りが用意してくれないから私も本来の力を発揮できない」というのは、新入社員に限らず、誰もが思いがちなことです。そう言ってしまえば、うまくいかないのは自分の責任ではないと思えますし、「周りが協力してくれればできるのに」と自分に対して言い訳も立つからです。
  でもこのBさんのように、「どうすれば自分の仕事がしやすくなるか」を考えた結果、上司や先輩のスケジュールをあらかじめ確認しておくことを思いつき、行動に移す人がいます。「上司や先輩の居場所がわからないから困ると言う人」と、「自分で考え上司や先輩の行動を押さえようと動く人」。ビジネスパーソンとしての今後の成長度合いに大きな差が開くのではないか、と思ったエピソードです。


  新入社員の皆さんは、色々とやってみたいこともあることでしょう。配属されてみたら、与えられる仕事が考えていたものと違っていたり、必ずしも自分の希望通りではなかったりすることもあります。でも、その時々で、状況をよく観察し、自分や自分を取り巻く環境をより良いものにするにはどうしたらよいかを考えていくと、新人の自分でもできること、すべきことがある、と気づくはずです。


  新入社員に求められている「自ら考えて動く」とは、いきなり大ヒットを打つような仕事振りを遂行することではなく、与えられた仕事について、自分ならではの考えや工夫を盛り込むことから始まります。小さな仕事であっても、日々の職場での振舞いであっても、そのひとつひとつを常に自分で考え、意思を持って取り組むこと。どんなことに対しても「自ら考えて動く」ことを自分に課していれば、それが企業で期待される人材像へと向かう第一歩となることでしょう。


仕事の基礎力 ~新入社員のためのルールとマナー~」(HS0039CG)
新入社員や若手社員に必須のビジネスマナー、仕事をする上で守るべきルールなどを体系的・実践的に学習します。
テキストは「全ページ」カラー、イラストも豊富で、受講後に「ガイドブック」のように活用できます。

 


田中 淳子 (たなか じゅんこ)

グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、リーダーシップなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。

 

【ブログ】 
「ヒューマンスキルの道具箱」
 

【著書】
『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(日経BP社)
『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)

 

【連載中】 
日経BP朝イチメール「コミュニケーションのびっくり箱」(月曜日配信、無料) 

 


[後輩指導・OJT新人社員研修][2008年3月25日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第23回 人に教えることの難しさ
執筆:高橋 俊樹

  16年前になります。私が新卒で入社してすぐ2ヶ月に渡る新人研修が始まりました。1クラス約30人、全体で8クラスほどあったと記憶しています。クラスにはそれぞれ担当となる先輩社員が1名ついて、ビジネスマナーから業務に必要なスキルまで多岐に渡る研修を実施します。研修初日、どんな先輩がきて、どのような研修が始まるのだろうと少しどきどき、わくわくしていた中で、私のクラス担当になった先輩社員は教室に入ると、とても嬉しそうな表情で入社のお祝いと期待の言葉を述べてくれました。第一印象がとても良かったのを今でも覚えています。その後2ヶ月間、新人の目線で接し、分かり易く教えていただき、様々な知識やスキルを楽しみながら習得することができました。クラスの誰もがあの先輩のような社会人になりたいなという尊敬や羨望の眼差しで見ていました。


  現在、私は教育事業に携わり、ヒューマンスキル関連の研修を主に実施しています。入社した時のクラス担当の先輩と対象者は異なっても、同じように、「教える」ことを生業としています。自ら教育に関わるようになって感じるのは、人に何かを教えるという当たり前の行為がとても難しいということです。研修の場だけでなく日々の業務の中でもうまく伝えられない、言ったことを理解してもらえないなどとてももどかしい思いをすることがあります。


  誰かに何かを教えるという場面は誰しもあることだと思います。例えばOJT担当者が新入社員に対して業務に必要な技術について教える、上司が部下に対して仕事の進め方を教える、社外のお客様に対して自社製品の概要や操作方法などについて教えるなどです。そういった時、どのように教えればよいか迷ってしまうことはありませんか?


  自分が誰かに何かを教わった場面を思い出してみてください。とても分かりやすい教え方で、理解が進んだという事もあるでしょうし、逆に、余計分からなくなったということもあるはずです。分かりにくい教え方は、結果として時間も無駄になりますし、相手の理解が誤っていると、その後の仕事にも大きな影響を与える恐れがあります。それでは何故、分かりやすい教え方ができる人と、できない人がいるのでしょうか。これは学習効果の高い教え方を知っているか、知らないか、また、教えることそのものに対して持っている意識の差から来ているものだと思います。


  私も教育に関わるようになってから、冒頭の先輩の教え方はとても上手だったと気付きました。いくつか思い出してみると、ほんの一部ですが以下のような例があります。


  ● 一方的に進めるのではなく新人のレベルに合わせて理解を確認しながら伝える
  ● 興味を持てるように実際の体験談をもとに、具体例やたとえ話などを多く盛り込む
  ● 何故、そうする必要があるのかの理由や、しないとどうなるかを伝え、考えさせる
  ● 学ぶべきスキルや知識に最もマッチした演習や実習を盛り込む


  そして最も大きかったのが、当時新人であった私達に対して、学生、子ども扱いするのではなく、同じ社会人、同じ会社の一員だということを常に意識し、同じ大人として接してくれたことでした。もちろん新人ゆえの言動で叱られたこともありますが、それもすぐに指摘された点を改善できるような言い方だったと記憶しています。


  人に何かを教えるのはとても難しいことです。しかし、より効果の高い学習を行うための基本となる技術はあります。単に「知っているから」「その分野の専門だから」「説明できればよいから」ではなく、貴重な時間を割いて行うものだからこそ、しっかりと大人に対する教育の考え方やスキルを身につけておきたいものです。


  毎年、春は多くの企業の新人研修に関わっています。その中で、学習目標をきちんと達成し、必要なスキル・知識を身につけていただくことはもちろんですが、くわえて、自分自身、当時のクラス担当だった先輩のようになれているのかな、ということを今でも思い出すようにしています。


  「トレイン・ザ・トレーナー」(ON258) では、成人に対する学習の考え方に基づき、「教える技術」を強化し、質の高い研修を提供するための知識とテクニックを学び、研修の現場でそれらを実施・応用できるようになることを目指します。



高橋 俊樹(たかはし としき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。
1991年、自動車メーカーに就職し、営業担当者向けの教育の企画・実施を担当。その後、テレマーケティング会社を経て、現職。ビジネススキルグループのマネージャ兼インストラクターとして、新人から管理職までを対象とした各種ヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。


[後輩指導・OJT新人社員研修][2007年9月 7日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第20回 新入社員の受け入れ態勢は整っていますか
執筆:高橋 俊樹

  今年の新入社員が4月に入社してから早くも2ヶ月近くが過ぎました。民間企業の求人数も右肩上がりで08年卒業予定の求人数は1991年以来17年ぶりに過去最多数を記録し、採用活動は今後も大変な状態が続きそうです。
  さて、そのような中、皆様の会社の新入社員受け入れ態勢は準備万端でしょうか?採用活動が激しさを増す中で、貴重な新入社員をどのように育てていくかは重要なテーマですし、今年の新入社員に限らず来年、再来年の後輩社員へと継続し、会社の組織全体に波及する問題でもあります。
  最近では、単に職場の先輩社員に新入社員の面倒を任せるのではなく、OJT(*)を制度として捉え、先輩社員、新入社員双方の育成を目的として実施する企業が増えています。ではどのような点に留意すればよいのでしょうか?
  ※OJT(On The Job Trainingの略)職場において行われるトレーニング


  OJT制度をきちんと運用していくためのポイントは、3つあります。



① 「期待する人材像」の明確化
② 指導計画の作成(何を、いつ教えるのか)
③ コーチング、ティーチングを組み合わせた指導



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  ① 人材像の明確化
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  多くのOJT担当者がOJTを任された際の不安要因としてあげるのは「どこまで育てれば良いのか分からない」という点です。
  この問題を解決するためには、ゴールの人材像を明確にしておくことが重要です。OJT終了時(一般的には先輩社員から手離れする2年次にあがる時点)に新入社員にどのような人材になっていてほしいのかをまず決めなければいけません。実際に新入社員からこのような話を聞くことがあります。


  「今やっていることが何につながるのか、何の役に立つのか分からない」


  「まだまだできないことが多く、成長している実感が湧かない」


  「自分には何を期待されているのかが不明である」


  このような声があがるのは、OJT担当者が新入社員に期待する目標が描けておらず、双方で明確に共有できていないことにも起因しています。最初に、新人に期待する人材像を明確にしておきましょう。



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  ② 「指導計画」の作成
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  目標が明確になれば、それに向かって何を教えれば良いのか、またどのタイミングで教えればよいのかが把握でき、計画も具体的に立てることができます。育成の計画を立てておけば、目標に向かってどこまで成長できていて、足りないものは何なのか進捗を確認しやすくなりますし、目標達成に向けた動機付けにもなります。これは皆様が毎年、自分の業務の目標設定をして、その目標に対して業務計画を立てるのと同様です。



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  ③ コーチング、ティーチングを組み合わせた指導
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  さて、OJT担当者による指導が始まると、OJT担当者が悩むのは「どのように教えたら良いのか」ということです。指導方法には大きく分けてコーチングとティーチングの2種類があります。ティーチングが指示・命令を中心とした指導方法であるのに対して、コーチングは相手に考えさせ、相手自身から答えを導くという方法です。コーチングは自律的な行動を引き出しますので、新入社員の指導の際にも大変効果的です。


  とは言え、知識や経験が浅い新入社員に、すべてコーチング手法を用いて考えさせるのには無理があります。新入社員に対して、まずはより学習効果を高めるティーチングの技術、コツを知っておくことが必要です。効果的なティーチングは新入社員の早い成長を促すだけでなく、今後、OJT担当者がリーダーなどの役職に付いた際、メンバや後輩の指導・育成をする際にも役立つはずです。自分自身が教えてもらった時のこと、また周囲の上司や先輩などの指導の仕方を改めて観察してみるだけでも様々なヒントが得られます。


  ここでご紹介したのは、OJTを効果的に運用していく上で特に重要な3つのポイントです。新入社員を早く一人前の人材に育成するためには、上記のような工夫、取り組みが大きな効果をもたらします。また、OJT担当者だけに任せきりにせず、組織をあげて協力し新入社員の育成に取り組んで行くことが必要なのは言うまでもありません。
  多くの企業では、そろそろ新入社員の合同研修も終わりに近づき、配属に向けて慌しい時期を迎えていることでしょう。皆様の職場では新入社員に対するOJTの準備は整っていますか?


  (*)2007年7月に無料セミナー『「人を育てる」仕組みとOJTトレーナーの役割』を開催いたします。


(*)OJT担当者のためのコーチングスキル実践
  OJT担当者が、若手社員に「何を」、「どのように教えればよいか」を学習します。OJTとは何か、何を教えればよいのか、さらに、目標設定の仕方や指導方針の作成までを演習をしながら学びます。特に「どのように」の部分では、自発的に考え行動する若手社員を育てるためのコーチングについても学習します。


(*)OJT担当者向けワークショップ
  OJT担当者に任命された方がOJT開始前に準備すべきことからOJT進行中の指導方法までを考え、計画作りをするためのワークショップです。スムースにOJTを開始できるよう、OJTで使える様々なツールを実際にOJT担当者同士でディスカッションしながら作成していきます。


(*)OJT担当者上司向けセミナー ~OJT担当者の支援と部下のコーチング~
  OJTをうまく進めるためには、新入社員を組織全体で育成するという意識を持つ必要があり、上司はその要の部分を担っています。OJT担当者が作成した「人材像」や「指導方針」「指導計画書」などの成果物を上司が理解し、OJTがスムースに進行するようサポートするためのコーチングスキルも学習します。
このセミナは、「OJT担当者向けワークショップ」とセットで開催します。



高橋 俊樹(たかはし としき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。
1991年、自動車メーカーに就職し、営業担当者向けの教育の企画・実施を担当。その後、テレマーケティング会社を経て、現職。ビジネススキルグループのマネージャ兼インストラクターとして、新人から管理職までを対象とした各種ヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。


[後輩指導・OJT新人社員研修][2007年5月21日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第19回 ノートは未来の自分へのプレゼント
執筆:森 美緒

  4月――桜の花が咲き、新年度が始まるこの季節になると、自分が新入社員の時に配属先の上司から言われた言葉を思い出します。
  出社初日、上司は私に「これから言うことはノートに書いて絶対に毎日見直しなさい。」と前置きをしてから、ホワイトボードに大きくこう書いたのです。




新入社員 ⇒ 自分のことだけは、きちんとできる
社員 ⇒ 会社内での自分の役割を理解して協働できる


  上司は、書き終えてからこう解説してくれました。


  新入社員として、まず自分に任された仕事だけは責任を持って取り組みなさい。自分に任された仕事をきちんとできて初めて会社の一員です。自分に足りないものを自分で見つけて先輩に聞きなさい。
  自分のことがきちんとできるようになったら、自分の仕事は会社の中でどのような意味があるかまで視野を広げなさい。そうすると、自分の役割が見えます。自分の役割を確認したら、協働するために自分は何ができるのかを考えて行動しなさい。その行動を起こし協働できて初めて新入社員ではなく、一緒に戦える戦力(社員)です。


  まだまだ学生気分が抜けていなかった当時の私は、その言葉の意味をあまり深く考えずになんとなくノートにメモを取り、なんとなく聞いていました。そして、毎日新しい業務知識を覚えていく内に、この言葉をすっかり忘れてしまいました。
  入社して2年目に、私は新しい部署へ異動しました。異動の際、使い終わってからずっとデスクの引出しに眠っていたノート数冊を見つけました。捨ててよいかどうか判断しようとパラパラと見ていると、この言葉が目に飛び込んできたのです。そして、自分は今戦力といえるだろうか?と考えました。「自分の仕事だけには責任を持つ」という言葉を正当化して独りよがりな仕事の仕方をしているのではないだろうか?と、自分の働き方をふりかえりました。この時、初めて上司が云わんとしていたことが理解できました。責任を持つのは当たり前のことで、その1つ上を目指すようにあの日上司は私に言っていたのです。そのページを読み直した事がきっかけとなり、引き出しにしまってあったノートの端から端まですべてに目を通しました。そこには今だからこそ心に響く言葉がたくさんありました。入社式での役員の言葉、朝礼で支社長が話したこと、先輩から注意されて取ったメモ。働く場所が替わったとしても、私が仕事をする上で大切なことに気づくヒントが、ノートのあちこちに散らばっていたのです。


  その時から私は、使い終わったノートも絶対に捨てまいと決め、未来の自分のためにノートを取るようになりました。
  会議の内容や、業務に必要なことだけでなく、その時に聞いて感銘を受けた言葉、よく分からないこと、メモを取ったとき自分がどう感じたのかも書いています。
  ノートを見直すと、感銘を受け自分も他の人に伝えたい言葉の正確な言い回しを確認でき、「この頃はこんな事も分からなかったのだな」とノートを書いた時より成長した自分を感じることもあります。ノートに書かれた「がんばるぞ」という自分の意気込みに励まされることもありました。


  私が社会人になってから今日までに使い終えたノートは21冊。随分多くなりました。それでも冒頭にご紹介した上司の言葉が書いてある1冊目のノートを今でも時々見直します。そして、1冊目を見直すたびに、とても残念な気持ちになります。ノートの重要性に気づく前にノートに書き損ねた事や、新入社員だからこそ言ってもらえた言葉がきっとたくさんあっただろうと思うからです。
  耳にした時はピンと来なくても、時が経って経験を積んでから、意味を理解できることがあります。ところが、かなしいことに理解できる時になって思い出そうとしてもなかなか正確には思い出せないものです。


  今月から社会人としてのスタートをした新入社員の皆さん!
  新入社員研修の期間中も配属後も、たくさんの先輩から話を聞き、たくさんのことを学ばれると思います。
  そのすべてをノートに記録するのは、大変だし面倒な作業だと思われるかもしれませんが、ぜひどんどんノートを取ってください。今は意味の分からない言葉、ぴんとこないフレーズが、近い将来、必ず自分の財産になります。


  グローバルナレッジでは、企業ごとの人財育成計画にそった形で新入社員研修の計画段階から、準備、実施、評価・フィードバックまですべてのフェーズにおいてお客様を強力にサポートするサービスを提供しております。



森 美緒(もり みお)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育トレーナー。
1999年、教育出版社に就職し、営業および営業担当者向け研修を担当。商社での秘書業務を経て、2005年、グローバル ナレッジ ネットワークに入社。
2006年より現職。プレゼンテーション、コミュニケーションなどヒューマン・スキル研修の実施に当たっている。


[新人社員研修][2007年4月24日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第13回 たくさん読んで、たくさん書く
執筆:田中 淳子

  それほど混んでいない時間帯に乗り込んだ電車で、いつものように本を取り出し読み始めました。なんとなく周りの雰囲気がいつもと違う、と顔を上げ、見回すと、私の近くに立っている5~6人が全員、本を読んでいたのです。携帯電話をいじっている人に囲まれることの多かった最近にしては、非常に珍しい光景でした。同時に、「ああ、まだこんなに本を読む人がいるんだな」と嬉しくも感じたものです。


  最近、若手社員の「文章力を強化する方法」を指導してくれないかという相談が増えています。上司やリーダーに提出する報告書、議事録、その他日常のメールなどにおいても、「何を伝えたいのかわからない文章が多い」といいます。「事実の羅列だけになっている」「報告なのか相談なのか意図がわからない」「そもそも文章として成立していない」などという問題が、主に若手社員の間で起こっているようです。おそらく、"誰に何をどう伝えればよいのか"が自分でも明らかになっていない状態で書くため、読み手にとっては、意味不明の文章になってしまうのでしょう。
  こういう若手社員に「新聞や本を読みますか?」と尋ねるとたいてい「新聞は読んでいない」「本は年に1冊も読むか読まないか」といった答えが返ってきます。これでは、文章力を高めることは難しいでしょう。


  文章力をつけるためにすべきことは3つあります。「たくさん読むこと」「たくさん書くこと」「人からフィードバックを受けること」です。多くの文章を読み、どういう文章が読みやすくわかりやすいか、逆にどういう文章が読みづらくわかりづらいかを体験する。自分で多くの文章を書いてみる。そして、第三者に添削してもらったり、フィードバックを受けたりする。こういう地道な努力以外に文章力を強化することはできません。これは、料理の腕を上げるための方法と似ています。
  おいしい料理を作るためには、色々な料理をたくさん食べ、どんな料理がおいしいか、どんな料理がおいしくないのかを体験的に知る必要があります。おいしい料理を食べたことがなければ、どういう味を目指せばよいのか見当がつきません。また、自分が作っている料理がおいしいのかおいしくないのか、なかなか自己診断できないことでしょう。試行錯誤しながらも多くの料理を作り、誰かに食べてもらい、評価してもらう。そうすることで、徐々に自分の味が決まってくるのです。


  文章を読まなければ、自分の文章をよくするための基礎力がつきません。とにかく、まずは文章を読むこと。新聞でも、雑誌でも、本でもいい。食わず嫌いにならず、色々なジャンルの文章を読んでみる。慣れないと1冊の本を読み通すのですら1ヶ月以上かかってしまうかもしれません。それでも懲りずに続けていれば、少しずつ読む癖がつきますので、読むスピードも速くなってきます。できるだけ多くの本を読むことで、どういう表現がわかりやすいのか、読みづらいと感じるのはなぜかなど自分なりに分析もできるようになります。そうやってたくさんのインプットを得た後に、自ら文章を書いてみれば、どこがよくてどこが悪いのか自分でも判断ができるようになります。


  部下や後輩に本や新聞など文章を読む習慣をつけさせるためには、上司や先輩などの力が必要です。たとえば、「こういう本があるけど読んだ?」と仕事に関係ある本について話題にしてみる、「これ、読み終わったからあげるよ」と本をプレゼントする、あるいは、始業前や昼休みなどに新聞を広げて読んでいる姿を見せるなど、範を示されると、それを見て部下や後輩は刺激を受けるようになります。部下や後輩の文章力について嘆く前に、まず上司や先輩が背中を見せなければなりません。
  その文章は「紙に印刷されたものである」こともポイントです。インターネットでニュースを読んでいるからいい、というのではなく、紙の新聞で記事を読むことで、自分が見たいものだけでなく、多くの情報が手に入ります。それだけ、多くの文章にも接する機会が増えるからです。時代に逆行するかもしれませんが、私は、あえて「紙で文章を読む」ことを大切にしたいと考えています。


  私たちヒューマン・スキルの講師陣は、読んだ本をExcelシートに記録し、全員で情報を共有しています。互いにどんな本を読んでいるか理解し合えますし、他のメンバの評価を確認してから、その本を読むか読まないかを決めたりする場合もあります。メンバ同士で読んでいる本の情報を常に共有し、「いろいろな本を読もう」という意識を高めあうのに役立っています。


  読書の秋がやってきました。今日は、本屋さんに立ち寄って、1冊手にとってみませんか?


* 「新入社員フォローアップ研修」(HS0054CG)
  多くの企業では1月~3月の間に、新入社員向けフォローアップ研修を実施します。新社会人としての1年を振り返るだけでなく、2年次に上がる自覚を高めるために開催されます。仕事の棚卸やスキルの再確認などを行ったり、文章力や会話力のスキルアップを図ったりするカリキュラムです。企業ごとに異なるニーズがありますので、ご要望にあわせてアレンジして実施することが可能です。


★「田中淳子のわくわくヒューマン・スキル」は、次回から「わくわくヒューマンスキル」としてグローバルナレッジのヒューマン・スキル担当講師陣が持ち回りで執筆いたします。どうぞお楽しみに。

 


田中 淳子 (たなか じゅんこ)

グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、リーダーシップなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。

 

【ブログ】 
「ヒューマンスキルの道具箱」
 

【著書】
『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(日経BP社)
『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)

 

【連載中】 
日経BP朝イチメール「コミュニケーションのびっくり箱」(月曜日配信、無料) 

 


[新人社員研修][2006年10月23日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第9回 新入社員のOJTを成功させる秘訣
執筆:田中 淳子

  ITエンジニアとして採用された新入社員が各部署に配属され、職場でのOJT(On the Job Training)が始まるのはたいてい6月~7月です。
  グローバルナレッジでは、OJTトレーナー(新入社員の指導担当者として人事部や上司などから任命された人)とOJT制度を支援するために、いくつかの研修プログラムを行っています。研修を通じて各社のOJTを見てきた経験から、OJTを成功させるための秘訣を3つ挙げてみましょう。


1.職場全体を巻き込む
  新入社員をきちんと育てるためには、OJTトレーナーの「教える意気込み」や「上手な教え方」「きめ細かい接し方」などが不可欠です。ただ、育成の全てがOJTトレーナーの責任かといえばそうではなく、職場の上司やOJTトレーナー以外の先輩社員も新入社員の育成に少なからぬ影響を及ぼしていることを忘れてはなりません。
  「新入社員は、職場全体で育てるのだ」という意識を部門内で共有し、OJTトレーナーだけではなく、上司や他の先輩も皆で新入社員を見守り、指導し、時には褒めたり、注意したりしていかなければなりません。
  OJTがうまく行かない例がいくつかあります。
  例えば、「専任のOJTトレーナーがいるのだから、私が口出しすることはあるまい」と他の先輩が新入社員と距離を置く場合があります。こうなると、新入社員の育成は、OJTトレーナーひとりの肩に重くのしかかかってしまうことになります。
  OJTトレーナーが出張や休暇で不在になると、新入社員が放置されてしまうという問題もよく起こります。OJTトレーナーの不在期間は、育成の代行を決めておくことで、新入社員が放っておかれるという事態を防ぐことができるのです。
  「職場全員で育成する」風土を醸成するために、「OJTのキックオフミーティング」を開くこともお薦めします。これにより「どんな人材に育成したいか」「日ごろどのように接するか」など社員間で意識を合わせることができるからです。


2.自分が育てられた時代や環境に固執せず、新入社員を受け入れる
  長いキャリアをお持ちの方から「部下をどう褒めればよいかわからない」、「きつく叱ってはいけないのか」、「黙って言う通りにしろというのはダメなのか」などと言われることがあります。また、「自分が若い時は上司の指示通りに仕事をした。いちいち目的など聞かなかったが、今の若手社員は "なぜですか?" "目的は?" と聞き、理由がわからないとなかなか動かない」と嘆く声も聞きます。確かに、少し前までは、部下は上司の言う通りにすること、先輩の指示に従って後輩は動くことが当たり前だったのかも知れません。若いうちは理由など考えず、ただがむしゃらに邁進すればよかった時代もあったでしょう。
  しかし、時代と共に、新入社員の考え方は変わってきています。ここ数年は特に、「仕事を通じて自分の成長を実感したい」「きちんと納得した上で仕事に取り組みたい」と考える人が増えています。育成する側もそういった考え方や職業に対する態度の変化に対応していかなければなりません。
  年長者は、おそらく、自分が習ってきたのと同じように新入社員と接してしまうのでしょう。ところが、新入社員の反応は、想像と異なっており、そのことに戸惑いを感じてしまうのです。ベテランが育った時代にはその時代ならではの方法があり、現在の若手が育つためには、それに合った別の方法がある。これはどちらがよいとか悪いと言った話ではなく、互いにそれぞれの方法を受け入れることがもっとも建設的な気がします。
  上司や先輩は頭を柔軟にして、その時その時代に合った方法で新入社員の育成に取り組んでいく必要があるのです。


3.OJTトレーナーに発散の場を
  OJTトレーナーは、日々「育っていく新入社員を見守る楽しみ」を感じると共に、「大変さ」も味わっています。
  たとえば、あるOJTトレーナーは、何度話しても理解してくれない新入社員に、どう対応すればよいのかと悩んでいました。新入社員が作成した書類の改良点を指摘しただけで激しく落ち込んでしまったため、徐々に「腫れ物に触るような」接し方しかできなくなったと困り果てている人もいました。もちろん、慣れない環境に置かれた新入社員の悩みも大きいのですが、教え育てる責任を持っているOJTトレーナーのストレスも相当なものなのです。OJTトレーナーとして苦労していること、心に思っていることなどをどこかに吐き出し、すっきりしたいこともあります。
  ある企業ではOJTトレーナー全員を毎月1回集めて、情報交換する場を設けています。進捗の確認ができるだけでなく、OJTトレーナー同士で気持ちが共有できることも意義のひとつです。「実は私も同じことで悩んでいた」「僕もそのことで随分苦労したんだ」――。OJTで遭遇した色々な悩みや問題を分かち合えるだけで、随分気が楽になります。
  こういった情報交換の場を作れなくてもできることはあります。職場の上司や先輩が、OJTトレーナーの話を時々聞いてあげることも、OJTトレーナーのモチベーション維持に役立つのです。


  希望に燃えて社会人になった新入社員。「後輩を育てる力がある」と見込まれて任命されたOJTトレーナー。それぞれが楽しく充実して過ごし、共に成長していくことができるよう、職場全体でOJTを支援していきたいものだと思います。


★グローバルナレッジでは、OJT制度を支援する以下の研修を実施しております。詳細は、担当営業かフリーダイヤル0120-009686 田中、高橋までお問い合わせください。


●『OJT担当者向けワークショップ』(HS0056CG)
OJTトレーナーに任命された方が、何をいつどんな風に教え、育てればよいのか学ぶワークショップです。
●『OJT担当者上司向けセミナー』(HS0057CG)
OJTトレーナーの上司向けセミナーです。OJTの支援方法を理解し、新入社員やOJTトレーナーにコーチングするためのスキルを学びます。
● 『OJT担当者向けフォローアップ研修』(HS0055CG)
OJTが半年ほど進んでからのフォローアップ研修です。OJTトレーナー同士で課題を持ち寄り、残り数ヶ月のOJT期間でできることを決め、翌日からすぐ実行に移します。

 


田中 淳子 (たなか じゅんこ)

グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、リーダーシップなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。

 

【ブログ】 
「ヒューマンスキルの道具箱」
 

【著書】
『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(日経BP社)
『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)

 

【連載中】 
日経BP朝イチメール「コミュニケーションのびっくり箱」(月曜日配信、無料) 

 


[後輩指導・OJT新人社員研修][2006年6月23日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第7回 体験談に目を輝かせる新入社員たち
執筆:田中淳子

  2006年度の新卒新入社員を迎えられた企業も多いことと思います。毎年、各社の新入社員研修を担当しますが、今年2006年の新入社員は、総じて真面目で前向きです。
  私は、ビジネスマナーなど研修の初期段階で行う研修を担当することが多いため、新入社員とは入社数日後の「社会人になりたて」時点に会うことがほとんどです。


  ある企業様では、ビジネスマナーや営業から製造・納品までの仕事を疑似体験できる「フライングカーコーポレーション」(*)を実施しました。この研修では、ビジネスマナーや顧客との関係構築などについての講義と演習がありますが、その合間に私自身の体験談も話すようにしました。新入社員時代に上司に「笑顔で挨拶していない」と叱られた話など具体的な出来事を紹介しました。今年の新入社員は、こういう「体験談」を真剣に聞いてくれます。研修レポートでも「体験談をもっと聞かせて」というリクエストが多いのには驚きました。20歳も年の離れた講師の体験談など、「関係ない」「つまらない」と思うのではと危惧していましたが、真剣に耳を傾け、ノートをとるのです。


  その企業様では研修後の夜、2年目の先輩を交えた懇親会を企画されました。そこでも新入社員は、1年先輩にあたる社員に色々な質問をし、熱心にメモを取っていました。「今はどんな仕事をしているのですか?」「土日はどんな風に過ごしていますか?」「どんな勉強をしていますか?」「残業は多いですか?」などあらゆることを尋ねています。
  中には、「こんなことを聞くのはなんですが、身体を壊したことはありますか?」といったものもありました。
  彼女は、「"SEは身体を壊して一人前"と聴いたことがある」と真顔で尋ねるのです。
  聞かれた先輩は、「私だけじゃなくて、誰も身体壊した人はいませんよ。」と答えていました。


  こういった質疑応答は微笑ましいものですが、新入社員にしてみれば、「仕事とはどんなに大変なのか」「辛いのだろうか」と多くの不安があるのでしょう。そんな中で先輩が、明るく楽しく自分の仕事を語っていたことに、新入社員は、とても感動したようです。この時の懇親会について、後日、レポートにはこんなことが書かれていました。



  • 「先輩が私たちの目をまっすぐに見て、堂々と自分の仕事について語ってくれた。たった1年しか違わないのに、カッコいい。」

  • 「先輩が楽しそうに仕事の説明をしてくださった。自分も一日も早く、あんなふうに楽しそうに仕事を語れるようになりたい。」


  後輩は、先輩が明るく堂々と自分の仕事を語る姿を見て、不安を払拭できたようです。「1年後」の自分の姿をイメージしやすいこの懇親会は大成功であったと思います。
  社会人になったばかりというのは、多くの不安や疑問を抱えています。「今は、同期同士でまとまって研修を受けていても、配属後ばらばらになる。一人でやっていかれるだろうか?」といったことも心配でしょう。
  講師が、実務での体験を話すと、「そういうことがあるんだな」と講義内容と実務のイメージを結びつけるのに役立つようです。若手の先輩社員が語る現場の話は、「数年後の自分」を疑似体験できるよいきっかけにもなります。
  日常生活で年長者から話を聞く機会は、減っています。だからこそ、どんな話でも新鮮に映るのかもしれません。体験談、現場の話をどんどん聞かせることが、先輩の仕事の一つなのだと思います。


  ただし、体験談にはタブーもあります。「自慢話」と「お説教」です。いくら体験談だとは言え、「だから私はこんなに立派になった」とか「私もこうしてきたのだから、キミたちもこうしなければならない」といった話では、「そんなこと言われても時代が違う」、「先輩と私は違う」などと思い、気持ちが引いてしまいます。「自慢話」と「お説教」を避け、純粋に自分の体験談を話す。成功談はさらっと、失敗談は、臨場感を持って語るとよいようです。
  新入社員が配属されるのを楽しみ待っている先輩の皆さん、後輩に語れる「体験談」を今のうちに整理しておいてはいかがでしょうか?


*「
フライングカーコーポレーション」(ON312)は、ビジネスマナーとビジネスシミュレーションを体験型で学習するものです。新入社員研修の導入部にご利用いただくだけでなく、配属直前研修や新入社員フォローアップ研修で採用していただくこともあります。3部構成になっているため、個別に分割して実施することも可能です。詳細は、担当営業か田中・高橋までお問い合わせください。(0120-009686)

 


田中 淳子 (たなか じゅんこ)

グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、リーダーシップなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。

 

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【著書】
『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(日経BP社)
『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)

 

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[ビジネスマナー新人社員研修][2006年4月20日配信]

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