Global Knowledge Japan

わくわくヒューマンスキルコラム
第22回 成果を出す会議
執筆:森 美緒

  昔、職場を替わったばかりの頃、同僚から「私たちのミーティングの司会進行は特定の人にせず全員で持ち回りにしようよ!」と言われました。その同僚は一番社歴が長く知識も豊富で、メンバのリーダー的存在でした。私はてっきりその方がミーティングの主催者となり、司会進行をすると思っていたのでとても驚いたことを今でも覚えています。
  同僚は「誰かが仕切るミーティングではなく、誰でも意見を言いやすい場にしたい。だから、誰か特定の人にするのではなく持ち回りで司会進行をしよう。」と提案しました。当時ファシリテーションという言葉もファシリテーターという役割も知らなかった私に、同僚は雑誌の特集でとり上げられていたファシリテーションのコピーを渡してくれました。これが、私とファシリテーション(※) の出会いです。
(※ ファシリテーションとは会議などチーム活動をうまく進行するための手助けをすることです。)


  同僚からもらったコピーの他にもファシリテーションに関する著書を読み進むうちに、「そもそも会議とは何をする場なのか」を、自分がまったく定義していなかったことに気づきました。
  司会進行役のチームリーダが議事に沿って話をする。参加メンバはそれを聞き、メモをとる。たまに質問したり、意見を言ったりする。色々な会議に参加した経験の中で「なんとなくこんな感じ」と私が身に付けていた会議のイメージとは、そんな曖昧なものだったのです。
  辞書で「会議」を調べてみると、「お互いの意思を伝えるための話し合いをし、何らかの結論(成果) を出す場」となっています。ファシリテーションに関する多くの著書にも同じような定義が書かれていました。会議はファシリテーション次第で話し合いの場になり、協力して成果を出すことができる場になるのだと、目からウロコが落ちる思いでした。
  実際、持ち回りで進行を務めた会議は、お互いの意見やその背景を話し合うことができ、とても有意義なものでした。会議で決定したルールや上司に出す提案内容はメンバ全員の意見をまとめた納得感のあるものでした。
  その頃から私は会議が楽しく待ち遠しいものになりました。自分がファシリテーターの時も参加メンバの時も主体的に会議に参加できるようになったからです。


  何を目的に開催され、ゴール(求められる成果) がどこにあるのかが不明確な会議は多いと思います。一方的に話して参加メンバの発言をすぐに否定する会議進行をしている方、会議の場で席を暖めていればよいと思っている参加メンバの方・・・
  一方的に報告や提案をする会議の主催者と、会議を退屈な時間だと捉えている参加メンバ、これでは話し合いはできません。
  会議を有意義なものにするには「話し合う」ことでお互いの意思を伝達し、納得感のある成果を出す必要があります。「聴く」と「話す」の両方があって、やっと「話し合う」になります。ファシリテーションにはさまざまなスキルが必要ですが、コミュニケーションはその中でも重要なスキルです。ファシリテーターが会議の際に持つ役割は議事項目の消化ではありませんし、まして勝手な結論付けをすることではありません。ファシリテーターの役割は「聴く」と「話す」が円滑に進むよう手助けして参加メンバの納得の上に成果を出すことです。
  話し合ってお互いに納得できる成果を出せるなら会議が今よりも楽しいものになるはずです。


  余談ですが、グローバルナレッジには6つの会議スペースがあります。
  花・鳥・風・月・NorthPole・ゴルフ場
  それぞれが名前にちなんだデザインになっています。
  入社初日に、「月にいます。15時に戻ります。」と書かれたメモ書きをみて、まだ会議室の名前を知らなかった私は悩んだものです。
  今ではすっかり慣れたもの。今日も「風」で会議です。どんな成果が出せるのか楽しみです。


  「ファシリテーション・スキル基礎」(HS0036CG) では、会議の準備から後処理までの流れを体系的に学びます。会議が円滑に進む準備段階でのポイントを押さえ、参加メンバから意見をひきだしまとめていくコミュニケーション力を演習で実践的に身に付けることができます。



森 美緒 (もり みお)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント。 産業カウンセラー。
1999年、教育出版社に就職し、営業および営業担当者向け研修を担当。商社での秘書業務を経て、2005年、グローバル ナレッジ ネットワークに入社。
2006年より現職。プレゼンテーション、コミュニケーション、ファシリテーションなどヒューマン・スキル研修の実施に当たっている。


[ファシリテーション][2007年7月24日配信]

*Microsoft、Windowsは、米国Microsoft社の登録商標です。
*Oracleは、米国オラクル・コーポレーションおよびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。
*BOOT CAMP、NEW TRAIN、NETGUNはグローバル ナレッジ ネットワーク株式会社の登録商標です。
*その他このサイトに掲載された社名、製品名は、各社の商標、または登録商標です。
*推奨ブラウザ:Internet Explorer 6.0/FireFox 3.0以上

© Global Knowledge Network Japan, Ltd. 2008-2011, All Rights Reserved.
  • Get ADOBE READER