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わくわくヒューマンスキルコラム
第54回: 他者の学習を支援していますか?
執筆:岩淺 こまき

 受講者の方と話していると、勉強になることや感動することが沢山あります。最近では、若手社員の方が受講後におっしゃったことが印象に残っています。


 「練習し続けることで、ヒューマン・スキルは向上することがわかりました。でも、自分一人で練習するのはめげそうなので、以前同じ研修を受講した人とチームを作って、一緒に練習しようと思います」とても意欲的な発言で、応援したい気持ちが湧きました。


 と同時に、私は少しだけ寂しい気持ちになりました。というのは、チームを作ろうと思った理由を聞いたからです。「以前研修で学んだスキルを社内で試した時に、否定されたことがあったから。邪魔されない勉強会を作って練習したい」そうおっしゃったのです。


「上司や同僚から否定や駄目出しが多く、社内でスキルを使いづらい。練習する気を無くしてしまう」


 実は、同じ意味合いの話を受講者の方からたびたび耳にします。例えば、研修受講後に普段より意識して相手の話を聴く態度をとると、「急に変わろうとしてヘンだよね」と笑われる。受講後に提出した報告書の内容を上司にきちんと読んでもらえない。仮に報告書を読んで「いいね、部内で実践してよ」と応援してくれたとしても、いざ試したり勉強会を企画したりすると「そんなのいいから、仕事して」と駄目出しをされる、など・・・。せっかく試そう、より良くしようと思ってとった行動を、周囲に否定されてしまう。そんな中で、受講後の高い意欲を忘れてしまうのです。


 こういう時に「意識して使っているんだね」と受け止めてもらえたら、続ける意欲が沸いてきます。同僚が研修を受講してきたら、「どのようなことを学んできたの?」と質問したり、「それは自分達の業務だったら、どのあたりで活用できそうなの?」など学んだスキルを教えてもらったりする。人は教えることで、理解が一層深まります。


 先輩や上司が研修を受講した後にも、様々な支援ができます。上司が、今まで行っていなかった「承認(相手の存在を認める言動)」をしたとしましょう。恐らく慣れていないから、たどたどしい承認です。あなたは内心、「研修後だからって張り切っちゃって」とか、「いつまで続くんだろう」などと、思うかもしれません。いつまで続くかは、ここでの周囲のみなさんの反応に左右されます。冷ややかな表情や態度が出ると、上司は一回でやめてしまうかもしれません。「認めてもらえて、恥ずかしいけど嬉しいです」など、まずは受け止め、具体的に感じた点をフィードバックすれば、上司は自信がつき、承認の行動を続けようという気持ちになります。研修の効果は、受講後のフォローに大きく影響されるものなのです。


 4月には新入社員が入ってきます。緊張しながらも、新入社員研修で学んだことを使って頑張ろう、と意識している人ばかりです。相手が意識的に練習しているなと感じた場合は、先輩社員であるみなさんから、「今の説明は、簡潔だったので理解しやすかったよ」とか「はじめに何を説明するか簡単にポイントを言うとわかりやすいよ」など、適切にフィードバックをすると、新入社員のスキル向上を支援できます。


 スキルは繰り返し練習する中で定着します。良い行動を定着させるためには、「スキルの練習を受け止めてくれる場」が欠かせません。周囲のみなさんからの影響は、とても大きいものなのです。

「効果的コミュニケーション・スキル
 ~ 効果的な説得、交渉へと導く対人コミュニケーション ~」

「プレゼンテーション・スキル実践演習
 ~説明力を身につけ、説得力あるビジネスパーソンになる~」



岩淺 こまき (いわあさこまき)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント。
1997年、システム販売会社に就職し、営業技術支援および導入企業向けの研修を担当。
人材紹介会社にて中途入社社員に対する研修や、メーカーでの販売促進セミナーの企画・実施を経て2007年より現職。
プレゼンテーション、コミュニケーションなどヒューマン・スキル研修の実施に当たっている。

2009年8月よりITproにて「おさえて安心 ビジネスマナー100」連載中。


 

[コミュニケーション][2010年3月23日配信]

 

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