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わくわくヒューマンスキルコラム
第39回:「ふりかえり」の時間を確保する
執筆:岩淺こまき

自分の誕生日に一年の行動指針を立てています。仕事やプライベート、様々な角度から設定しています。行動指針は翌年の誕生日まで見えやすいところに表示し、定期的にふりかえりを行います。(ふりかえりとは自分の行動を細かく見つめ直すということです)

行動指針と言っても堅苦しい内容ばかりではありません。毎日の心構えや美容に至るまで、多岐にわたります。ですから、ふりかえりの行為を楽しいと感じることができます。2007年の行動指針の一部をご紹介しましょう。


【項目:行動(理由)】
・心構え:周囲の人達への信頼や感謝を、態度や言葉で伝える
(理由:信頼や感謝の気持ちは、思っているだけでは相手に伝わらないことがあるため)
・美容 :飲み会は5回/月までにする
(理由:飲む回数を増やすと身体に負担がかかるため)


行動指針を見ながら「今日は上司からアドバイスをもらったが、感謝の言葉を伝えられなかった」や、「今月の飲み会は5回までで収まった。空いた時間は社外勉強会に行くなど有効活用できた」など、「良い点」「改善点」の両面から行動をふりかえるのです。定期的にふりかえっているのは、目標達成、つまり「なりたい自分になる」ための有効な行為だからです。


ふりかえる効果は大きく2つです。
1つ目は「自分を客観視できる」こと。行動指針も目標も、設定段階では「こうしたい」「こうなりたい」といった理想像があります。しかし、今の自分に何ができて何ができないかといった立ち位置があやふやなまま行動し、理想に到達するのに遠回りしていることも少なくありません。今の自分を客観視するためにも、ふりかえりが必要なのです。
2つ目は「自分の良い点と改善点を明確にできる」こと。良い点は強化できますし、改善点が明らかになれば、どのように改善していけばよいかも考えやすくなります。

もしふりかえることをしなければ、日々の忙しさに行動指針を意識することすら忘れてしまうかもしれません。これではせっかくの行動指針も、何の効果も出せずに役目を終えてしまいます。

ヒューマン・スキルの研修では、演習の後に必ず「ふりかえり」の時間を設けています。これは研修を、教育学者のデヴィット・コルブ氏が提唱した「学習サイクル」に基づいて進めているからです。「学習サイクル」を意識することで、研修で習ったスキルやテクニックが身につきやすくなります。「学習サイクル」は4ステップから成り立っています。

 

学習サイクル_8.gif

1:経験:とにかくやってみる
2:観察:やってみたことをよく観察する
3:考察:観察して気づいたことを考察する
4:応用:実際の場面での適用方法を考える

1→2→3→4→1→2→・・と進めます。先ほどの「アドバイスをくれた上司に感謝を伝えられなかった」にあてはめてご説明しましょう。


まず「経験」で行動を明らかにします。
「上司に感謝を伝えられなかった」

次の「観察」で自分(や他人)を具体的にふりかえります。

 「感謝を伝えたはずが上司はむっとした表情をした。同僚Aさんの感謝の言葉には、上司は嬉しそうにしていた。自分は上司の目を見ないで伝えていた。Aさんは上司の目を見ながら、はっきりと感謝を伝えていた」

上司の目を見ずに伝えていた自分を客観視できました。その中から自分に取り入れられることはないか「考察」します。
「上司の目を見て伝えることは、意識すればできそうだ」

取り入れられることが決まったら「応用」できる場面を考えます。
「目を見ることを意識してから、感謝を口に出す」


今後は感謝を伝える場面で「応用」で決めたことを実行します。「上司の目を見ることを意識してから」感謝の言葉を口にするのです。そうすると「目を見ながら感謝を伝えた」という「経験」が新たに生まれますので、それを基にまたサイクルを回します。この過程を繰り返すことで「目を見ながら感謝を伝える」スキルが上達し、なりたい自分に近づけます。

誕生日や思い出深い出来事があった日などは、ふりかえる時間を設けてみてはいかがでしょうか。年末年始のこの時期は絶好の機会です。失敗だけではなく成功したときも、ふりかえることで沢山の学びを得ることが出来ますよ。



岩淺こまき(いわあさこまき)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育トレーナー。
1997年、システム販売会社に就職し、営業技術支援および導入企業向けの研修を担当。
人材紹介会社にて中途入社社員に対する研修や、メーカーでの販売促進セミナーの企画・実施を経て2007年より現職。
プレゼンテーション、コミュニケーションなどヒューマン・スキル研修の実施に当たっている。


[コミュニケーション][2008年12月24日配信]

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