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わくわくヒューマンスキルコラム
第14回 相手が受け入れやすい伝え方
執筆:高橋 俊樹

  思ったこと、考えたことを相手に伝えるときに、どのようなことに気をつけていますか?最近、私が実際に体験した例を紹介します。


■ 保冷剤をつける?


~洋菓子店Aの対応~
私 : 「これと、これをください」
店員 : 「はい、かしこまりました。ショートケーキとエクレアですね。
お客様、お持ち帰りはどのくらいのお時間ですか?」
私 : 「大体30分くらいかかると思います」
店員 : 「それでは保冷剤をお付けいたしますか?」
私 : 「あ、はい、お願いします」
店員 : 「はい、それでは保冷剤を2個お付けいたします。料金は100円です」
私 : 「・・・」


~別のある洋菓子店Bの対応~
私 : 「これと、これをください」
店員 : 「はい、かしこまりました。ショートケーキとエクレアですね。
お客様、お持ち帰りはどのくらいのお時間ですか?」
私 : 「大体20分くらいかかると思います」
店員 : 「20分くらいですね、それでしたら保冷剤はなくても美味しく召し上がれます。有料で保冷剤をお付けすることも出来ますが、いかがいたしましょうか」
私 : 「では、なしで結構です」
店員 : 「ありがとうございます。それではできるだけ早く召し上がるか、早めに冷蔵庫へお入れ頂けますでしょうか。」


  この2つの対応を見てどのように感じたでしょうか。1つ目のA店の対応は、最初に保冷剤が有料であることを伝えておらず、相手の受け取り方を配慮していない、一方的な印象を受けました。逆に2つ目のB店の対応は、『美味しく召し上がれます』『有料で・・・』と相手の立場、受け取り方を考慮した、心配りが出来た伝え方で、大変親切な印象を受けました。


  私たちは仕事でもプライベートでも様々な場面で自分の考えを伝えあっています。その時にちょっとした伝え方の違いで、相手に不愉快な思いをさせてしまうこともあります。これは、敬語(尊敬語、謙譲語、丁寧語)など、言葉そのものの使い方が正しければ良いというものではありません。どれだけ丁寧な言葉を使っても、何をどのように表現し、伝えるかによって、相手の受け止め方や印象が変わってしまうものなのです。


  最近、コールセンター業務に携わる方達の研修(*)が増えてきています。電話でのサポートやアドバイス、提案活動では、直接顔が見えない分、言葉の使い方、相手が受け入れやすい伝え方が、より必要になります。自分では丁寧に正しく敬語を使って応対しているのにお客さまとよいリレーションが築けなかったり、クレームに発展してしまったりしてしまうこともあるそうです。


  しかし、このことは相手の顔が直接見えたとしても、同じことではないでしょうか?コールセンター業務に限らず、どの仕事も相手とのコミュニケーションによって成り立っています。だからこそ、私たちは、自分の思いや考えを、そのまま相手に伝えるのではなく、相手がそれをどう感じるのか、どう受け止めるのかをもっと考えて行く必要があるのです。そのために、相手に伝える際は、次のことを自問自答することをおすすめします。


  『自分の伝え方によって、相手の権利やプライド、モチベーション、相手との関係をそこねてしまわないだろうか?』


  もし、上の問いかけに『YES』と思ったならば、相手の立場に一度立ってみることをお薦めします。自分が相手だったらどのように伝えてくれたら嬉しいか、受け入れやすいかを考えてみてください。自分の側だけでものを言うのではなく、相手の立場や状況を考慮したものの伝え方に気をつければ、相手とさらによいコミュニケーションを取ることができます。


  余談ですが、冒頭の洋菓子店。どちらのお店も味に定評があり有名なのですが、2つ目のB店は1つ目のA店よりも美味しかった記憶があります。店員さんの対応の差でしょうか?しかし、ちょっとした差かもしれませんが、この差の積み重ねが、「また行きたい、あそこで購入したい、あの人からサービスを受けたい」という気持ちにつながっているのかもしれません。

 
* 「
効果的コミュニケーション・スキル」(ON306)
コールセンターに携わる方を対象に、効果的コミュニケーションをアレンジして実施することもできます。『相手の話を正しくより深く聴くためのスキル』や、『自分の伝えたいことを主張的に伝える』、『相手を説得するために必要なスキル』などを中心にご提供します。ご要望に応じて、さらにアレンジすることが出来ますので、お気軽にご相談下さい。



高橋 俊樹(たかはし としき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。
1991年、自動車メーカーに就職し、営業担当者向けの教育の企画・実施を担当。その後、テレマーケティング会社を経て、2001年より現職。プレゼンテーション、ネゴシエーション、コーチングなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。


[コミュニケーション][2006年11月27日配信]

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