Global Knowledge Japan

わくわくヒューマンスキル
ホーム > わくわくヒューマンスキル > コーチング > 第47回:「効果的な質問で、相手のやる気を引き出す」

わくわくヒューマンスキルコラム
第47回:「効果的な質問で、相手のやる気を引き出す」
執筆:飯嶋 秀行

  知り合いの女性Aさんの体験です。
 同居していた息子一家が転勤で地方へ引っ越すことになりました。
 Aさんにとっては、生まれた時からずっとひとつ屋根の下で暮らしてきた中学生になる孫娘と会えなくなることが、大変残念で、寂しくてなりません。

 

 そんなとき、「離れて暮らしていても、今はメールで簡単にやり取りすることができるわよ」
 たまたま遊びに来ていた同年代の友人が、地方に住んでいる孫から送られた写真付のメールを見せてくれました。

 

 Aさんも携帯電話は持っていましたが、年に何回か外出先から電話する程度で、ほとんどホコリをかぶっている状態でした。
 家族から「メールぐらい打てるようになったら便利だよ」とアドバイスを受けていたのですが、複雑なキー操作と文字入力が難しくて、メールを打つことはあきらめていました。


 
 友人と会話しているうちに、メールを上手に活用して、孫娘と楽しくコミュニケーションをとっている自分の姿をイメージすることができました。
「私も、友人のように、孫娘とメールのやり取りを楽しみたい」
 その思いから、Aさんの携帯メールの練習が始まりました。

 

 最初はほんの数行の文章を入力するのも大変で、何度も挫折しそうになりました。
 孫娘からの返事が来るのが楽しみで、回数を重ねるうちに、スピードは遅いものの、なんとかストレスなくメールを打つことができるようになりました。
 今では、旅先で撮影した写真をメールに添付して送るなどの操作も自然とできるようになり、孫娘とのメールでのコミュニケーションを楽しんでいます。


 
 他人から「メールを打つ練習をした方がいいよ」というアドバイスを受けただけでは「携帯のメールを練習する」という行動を開始できませんでした。
 心から実現したいと思える望ましい状態、つまり「孫娘とのメールを楽しめている自分の姿」と、「携帯メールをあきらめてしまった自分」という現状とのギャップを認識した時、自然とそのギャップを埋めたいという気持ちが生まれました。

 

 望ましい状態を達成するためには、面倒だけれど「携帯のメールをストレスなく打てるようになる」という中間目標をクリアーすることが必要だという意味づけができた時に、初めて「携帯メールを練習する」という行動を開始することができました。

 

 操作が難しくて途中何度も挫折しかかりましたが、「孫娘からの返信メールや励ましの言葉」という支援がありました。そして、誰かに指示されて練習を始めたのではなく、自分で考えて、自分で選んだ行動であることが「やる気」を維持することにつながり、最後まであきらめずに練習を継続することができました。

 

 リーダーとしてメンバーのやる気を引き出し、望ましい行動を増やすにはどうしたらいいでしょうか?
 「この仕事は上司から指示命令されて仕方なく行っている」という「やらされ感」ではなく、
「今、目の前のこの仕事に取り組むことは自分で選んだのだ」という意識があれば、「責任感」と「当事者意識」が芽生え、結果として「やる気」引き出すことにつながります。自分で選択したことであれば、多少の困難が生じても、最後までやりぬく可能性が高まります。


 
 リーダーとして、できるだけ相手に選択権を与え、やる気を出してもらうには、どのように質問するかがポイントとなります。

 

「いつまでにどんな状態になれば目標達成といえるの?」
「目標が達成された状態を10点満点とすると、現状は何点ぐらいつけられる?」
「目標と現状のギャップを埋めるために、最優先に取り組む課題は何?」
「その課題を解決するために、どんなやり方が考えられる?」
「今、3つの案が出てきたけれど、この中からどれを選びたい?」
「この案を選んだ理由は?」
「具体的にはいつから、何を始める?」

 

 質問によって、ゴールイメージを描き、現状とのギャップを明確に意識してもらうこと、そして、そのギャップを埋めるための解決策について、さまざまな角度から質問して、複数の選択肢を考えてもらう、最後は、その中から本人が最適な解決策を選ぶように質問していく。
 メンバーのやる気を引き出すためにも、自分自身のやる気を高めるためにも、いかに効果的な質問を創造できるかが鍵となります。

・・・・・


質問のスキルについては、ビジネス・コーチングのコースで詳しく扱っています。多くの演習を通じて、効果的な質問を創造するスキルを学んでみませんか。


 ビジネス・コーチング(HSC0039G)
 (「はじめてみよう!ビジネス・コーチング入門」を改題しました)
 マネジメント・コーチング(HSC0040G)
 (「使ってみよう!ビジネス・コーチング実践」を改題しました)



飯嶋 秀行(いいじま ひでゆき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。
商社で情報システムの企画・開発などを担当後、グローバルナレッジネットワーク株式会社へ入社、現在はコーチングを中心に、プレゼンテーション、リーダーシップなどヒューマンスキル系コースを担当。PHP認定ビジネスコーチ上級、中小企業診断士。著書に『コーチングがやさしく身につく物語』日本実業出版社などがある。


[コーチング][2009年8月25日配信]

*Microsoft、Windowsは、米国Microsoft社の登録商標です。
*Oracleは、米国オラクル・コーポレーションおよびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。
*BOOT CAMP、NEW TRAIN、NETGUNはグローバル ナレッジ ネットワーク株式会社の登録商標です。
*その他このサイトに掲載された社名、製品名は、各社の商標、または登録商標です。
*推奨ブラウザ:Internet Explorer 6.0/FireFox 3.0以上

© Global Knowledge Network Japan, Ltd. 2008-2011, All Rights Reserved.
  • Get ADOBE READER