Global Knowledge Japan

わくわくヒューマンスキル
ホーム > わくわくヒューマンスキル > 信頼される社会人になるための基礎講座

わくわくヒューマンスキルコラム
第95回:自信はどこから湧いてくるのか
執筆:田中淳子

「自信がないんです」という相談を受けることがあります。「もっと褒めてほしい」「頑張っていることを認めてもらいたい」という声も聴きます。この気持ちはすごくよくわかります。誰かに褒められたい、誰かに認めてもらいたいと考える、こういった声は私の中にもあります。


「自信はどこからやってくるのだろう? 誰かに褒められたら、周囲に認められたら確固たる自信を得られるのだろうか?」 このテーマについてずいぶん長いこと考えてきました。たとえば、上司が私を褒めまくってくれたら、それで「おお!私は大丈夫だ。OKだ!」と自信満々になれるものなのだろうか。ちょっと違うような気がしていました。


どうやれば自信が得られるのか。他者からの褒め言葉や承認に頼らず、何かもっと核となるものが必要なのではないだろうか。そう考えていた中で自らの経験で気づいたことがあります。


ここ数年、ちょっとずつ太ってきました。体重も体脂肪率も今までにない数字を叩きだすようになりました。それが私にとっては受け入れがたい事実として目の前に迫ります。周囲から「太ってないよ」と言われても、自分が自分で許せないわけです。加圧トレーニングやジムに行くなどいろいろ試しましたが、効果につながりません。些細なことですが、自信を喪失するには十分な事態です。


そんな時、甥っ子の4歳の誕生日がありました。イキイキと前向きにさまざまなことに挑戦しながら生きている彼を見ていて、「それに引き替え、私は何をしているんだろう?」と落ち込みました。その日、決意しました。「じっくり成果が出ると言われているウォーキングを始めよう」と。甥っ子の誕生日の翌朝から歩き始めました。


それから3ヵ月、ほぼ毎朝、早朝ウォーキングをしています。朝4時半自宅出発です。開始時は6時出発だったのですが、歩いている都立公園で5時45分からラジオ体操をしていることに気づき、それに間に合うよう5時半出発に変えました。その内、ラジオ体操で終わるほうが効率よいと思い、4時半から歩き、仕上げにラジオ体操をしてすっきり帰宅。これでもまだ6時15分くらいですので、朝の支度ものんびりできます。大雨でなければ毎日です。1時間半くらいで8km~10kmほどになります。ウォーキング用の靴、ウェア、帽子などもたくさん買いそろえました。何冊かの本も読み研究しました。


開始して11週間目まで体重にも体脂肪率にも何の変化も訪れませんでした。途中でなんどか落ち込むこともありましたが、Facebookなどでそういう嘆きを書き込むと、大勢が「効果が出るのは3ヵ月から!」と励ましてくれました。


諦めずに続けていたら、12週目に入った頃、すとんと落ちたのです。体重と体脂肪率。気づけば背中についていた贅肉もかなり削ぎ落ちました。脚も細くなりました。最初は筋肉痛になっていた全身が10kmほどのウォークでは難なく続けられるようになりました。


肉体の変化は精神の変化をもたらしました。「私にもできる」「私にもできた」。毎朝ただひたすら歩いているだけです。何をしているわけでもありません。ただただ続けました。そして、3ヵ月経過して効果が表れ始めました。


この経験から悟ったことがあります。
自信はどこから来るのか。他者の言葉からではない。自分の内側から湧いてくるものだということを。


自分がしたことの中からしか自信は生まれないのだ。ただ、褒めてほしい、認めてほしい、励ましてほしいと思っていてもそういう外側からの刺激だけでは自信は生まれてこないのです。自分がして、自分でできるようになったことから自信は生まれてくる。その時、周囲が「頑張っているね」「よくやった」「いいね!」と言ってくれることは、スパイスのようなもの。もちろん励みにはなりますが、メインではない。


何かに「自信がない」と言う時、いつまでも悶々とその「自信のなさ」を見つめていても何も始まらない。それより、一歩でも前進したほうがいいのだとこの経験から気づきました。


今の私は、私がこれまでに選択してきたすべてのものでできています。太ったのも体力が落ちたのも私が選択してきた行動の結果です。自信がないのも自分が選択した結果生じた事態です。これを克服するのは自分の行動でした。


折角成果が出始めたのでこれからも継続します。ただひたすら一歩前へ、一歩一歩前へと進んで行きます。


信頼される社会人になるための基礎講座 ~自ら学び、成長し、貢献する~


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
田中 淳子 (たなか じゅんこ) プロフィール
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。
1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。
コミュニケーション、リーダーシップなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。企業のOJT制度支援は10年に及ぶ。

【ブログ】
・アイティメディア オルタナティブブログ「田中淳子の"大人の学び"支援隊"!
【著書】
・(NEW)『ITマネジャーのための現場で実践!若手を育てる47のテクニック』(日経BP社)
・『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』(日経BP社)
・『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(電子書籍、日経BPストア)
・『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)
・『コミュニケーションのびっくり箱』(電子書籍、日経BPストア)

[信頼される社会人になるための基礎講座][2013年8月26日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第90回:恥をしのんでカミングアウト
執筆:岩淺 こまき

白に近い、可憐なソメイヨシノの色が目にやさしく、心も晴れやかになる季節ですね。
個人的には、八重桜や枝垂れ桜に多い、薄紅色や淡紅色をした花の方が好きです。以前から友人と花見にいった際には「少しピンク色が強い花が好きだ」と言っていたものです。さて、今年は家族と花見に行きました。満開の花をみて、私はいつも通りの歓声をあげました。「あの辺の薄紅色の桜が綺麗ね」と。


すると母はあっさり「あれは桃だねぇ」と言ったのでした。


私は絶句しました。日本人のココロの花ともいえる、桜と桃の区別を三十年以上誤って認識していたのでしょうか、と。一瞬自分の無知に焦りを覚えたのですが、よく考えると間違って覚えていたり知らないことがあったりすることは恥ずかしいことではありません。「えー、そうなんだ」と自分の間違いをひと笑いしてから、母から幹や花びらでの見極め方を教えてもらって、楽しく花見を終えました。


この出来事に対し、私の頭の中では、さまざまな思いが駆け巡りました。


三十過ぎて、この間違いは恥ずかしい!でもまぁ、友人の前で恥をかかなくて良かったかな。いや、桃とピンク色の桜(特に八重)は一見似ているし、ひょっとしたら友人もわからなかったのかも知れないかも。それにしても「間違うことは良いことだ」は、教育心理学の世界でも言うけれど本当の話だわ。間違った時に理解したことって、印象深く覚えるから、忘れそうにないなぁ・・・、などなど。


一連の出来事をふりかえり感じるのは「フィードバック(指摘)に対してオープンな気持ちで対応することの大切さ」です。今回の例では、自分の誤りを笑って認めたということがオープンな気持ちにあたります。笑って認められたからこそ、この後に続く母の説明をしっかりと聞くことができ、今後活用できる正しい知識を得ることができました。ここで母からのフィードバックに対し、心を閉ざしてしまっていたらどうなるでしょう。「娘の間違いがそんなに嬉しいのかしら」「なにも夫の前で言わなくてもいいのに、カッコ悪い」など、フィードバックされた内容を正しく聞くこともできないし、ネガティブ感情に捉われて、教えを請うどころの話ではなくなってしまい、自分の成長の機会を失っていたことでしょう。


松尾睦先生の研究によれば、成長する人材としない人材の違いは、「経験から学ぶ力」の差にあるということです。経験から学ぶ力の強い人は、経験から意図的に学びを抽出し、次の経験に活かしています。仕事やなんらかの行動をとる前には「ストレッチ(背伸びした)」する目標を立て、「エンジョイメント(楽しみ)」を見出しながら活動します。そして活動の中から学びを得るために、適切に「リフレクション(ふりかえり)」を行い、次の目標を設定するのです。


いずれも重要な要素ですが、経験から得た学びを成長につなげるためは、私は特に、適切にふりかえることが欠かせないと考えています。適切にふりかえるポイントは、他者からのフィードバックを受けることです。なぜなら自分だけでふりかえりをしていると、できていないのにできている、できているのにできていないと思い込むなど、誤った自己認識をする可能性があるからです。現状把握が正しくできていないうちに立てた計画は、残念ながら効果的とは言えません。現状を正しく客観視するために、他者からのフィードバックを受けるのです。何が足りなくて何を行えばよいかを把握したのち、計画を立てることが、成長する上で貴重な資源となります。


実際には他者からのフィードバックは、耳に快いものばかりとは限りません。特に自分の間違いや不十分であることへのフィードバックは、聞きたくない気持ちになる時もあるでしょう。しかしそこで心を閉ざさず、オープンな心でフィードバックに向き合うことで、成長につながるのです。


「心がオープンであること」。この姿勢は、仕事をする上でとても大切なことに思えてなりません。自分が正しい認識を持ち、新しい知識を得ることは、視野が広がり楽しさを実感できるはずです。4月は新しい経験が多くできる季節です。経験を成長の機会につなげるためにも、心をオープンにしていきたいものです。


信頼される社会人になるための基礎講座

参考:松尾 睦『「経験学習」入門』ダイヤモンド社

クイズ:この花はなんでしょう?
ume.jpg

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
岩淺 こまき (いわあさこまき)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント。
1997年、システム販売会社に就職し、営業技術支援および導入企業向けの研修を担当。
人材紹介会社にて中途入社社員に対する研修や、メーカーでの販売促進セミナーの企画・実施を経て2007年より現職。
プレゼンテーション、ファシリテーション、講師養成講座などヒューマン・スキル研修の開発・実施に当たっている。
2009年8月よりITproにて「おさえて安心 ビジネスマナー100」連載中。

[信頼される社会人になるための基礎講座新人社員研修][2013年4月 1日配信]

※Microsoft、Windowsは、米国Microsoft社の登録商標です。
※Oracleは、米国オラクル・コーポレーションおよびその子会社、関連会社の米国およびその他の国における登録商標です。
※PMI、PMP、PMBOKは、プロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute, Inc.)の登録商標です。
※ITIL®はAXELOS Limited の登録商標です。
※American Management Association は、米国アメリカン マネジメント アソシエーションの登録商標です。
※BOOT CAMP、NEW TRAIN、Glovalueはグローバルナレッジネットワーク株式会社の登録商標です。
※その他このサイトに掲載された社名、製品名は、各社の商標、または登録商標です。

© Global Knowledge Network Japan, Ltd. 2008-2016, All Rights Reserved.
  • Get ADOBE READER