Trainocate Japan, Ltd.

わくわくヒューマンスキルコラム
第111回 一人前のその先へ ~いつもの毎日に、アンラーニングする勇気を~
執筆:岩淺 こまき

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研修の場でお会いする皆様から、感動や驚きなど沢山の刺激を頂きます。「ぐっとくるなぁ」と思うことの多い日々です。


私が担当している研修の「トレイン・ザ・トレーナー」では、最終日に1人ずつ「誰かに何かを教える」テーマで、10分程度のトレーニングを行う総合演習があります。受講者は、これから社内講師になる人や、講師として長く経験のある人までさまざまですが、多くの方が自分の担当講座を総合演習のテーマに選ばれます。


ある時、著書も出されている50代のベテラン講師がこの研修に受講者として参加されました。総合演習の場で、受講者全体を巻き込み、学ぶ場を活性化させるファシリテーション型のトレーニングを披露してくれました。他の受講者は、「おぉ~」と絶賛。「こういうトレーニングいいですよね!」「受講者だったら嬉しいです」「私もこういうスタイルでやってみたいです~」と口々に伝えていました。担当講師の私は、ふと、気になっていた点を質問してみました。


「〇〇さんは、普段、一方向で講義一辺倒のスタイルだって、おっしゃっていませんでしたか?」

すると

「そうなんですよ!」

と、満面の笑み。続けて照れ臭そうにこうおっしゃいました。

「今回、講師養成講座を受講して、いろいろ考えるところがあって。このままのスタイルじゃいけないな、と。で、学んだ事をできる限り取り入れてやってみようと思ったんですよね。せっかく研修の場なんで。受講者を巻き込むなんて初めてトライしたんですが、いかがでしたか?」


他の受講者から、一層大きな称賛が上がりました。私も心から、すごい!と思いました。
すごい!と思ったのは、ファシリテーション型スタイルが効果的だった事ではありません。長く慣れ親しんだスタイルを自分から手放し、新しいスタイルを取り入れたこと。そして、目の前の人達に喜んでもらえるスタイルを作り上げようとチャレンジされたことです。


これは研修中の出来事ですが、仕事の仕方でも同じことが言えます。慣れ親しんだスタイルをやめることは痛みを伴いますし、新しいスタイルを取り入れるのは勇気と体力がいります。特に、過去に成功体験を積んだ内容であればあるほど、「従来のやり方」に頼りがちになります。


一人前やベテランと言われる人が「成長が止まった」と感じ、周囲から「伸び悩んでいるな」と思われるのは、ココです。今の世の中は変化が激しくて、お客様から求められることも、会社の方針も変わっていきます。昨日までOKだったスタイルが、今日は違うかもしれない。ずっと同じスタイルでは勝負できないのに、自分の確立した「従来のやり方」でその場をやり過ごしてしまい、次第に目の前の状況に適さない「時代遅れ」な人になってしまいます。


一人前やベテランと言われる人達がさらに成長し、伸び続けるために必要なのは、組織学習の研究者であるヘドバーグが提唱した「アンラーニング(unlearning)」という考え方です。アンラーニングとは、いったん学んだ知識や価値観を意識的にほぐして、時代に合わないものを捨て、新たに必要な知識を学び直すこと。自分のスタイルがある中でも、意識的にこの考えを実行することで、成長し続けることができます。


冒頭でご紹介した50代のベテラン講師は、まさに「アンラーニング」を実践し、目の前の環境(受講者)に適したスタイルを披露してくれたのです。当然、ご本人は苦労されたようでしたが、それを上回る達成感を味わえたようにも見えました。


日常の仕事でも活用し続けると良いのですが、失敗できない!というプレッシャーの中、躊躇する時もあるでしょう。「研修の場」は、チャレンジしたり安心して失敗したりできる「アンラーニング」に適した場です。みなさんのより良い「アンラーニング」の場として活用して頂けるように、私自身もまた「アンラーニング」し続けていきます。

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トレイン・ザ・トレーナー
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魅力ある研修や教材作りのノウハウ
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人材開発の基礎知識 
~理論を活用し、効果的な研修を企画・運営する~

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グローバルナレッジ ヒューマン・スキル講師
岩淺 こまき (いわあさこまき) プロフィール

グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント。
1997年、システム販売会社に就職し、営業技術支援および導入企業向けの研修を担当。
人材紹介会社にて中途入社社員に対する研修や、メーカーでの販売促進セミナーの企画・実施を経て2007年より現職。 プレゼンテーション、ファシリテーション、リーダーシップ、講師養成講座、などヒューマン・スキル研修の開発・実施に当たっている。


<活動>
◆ITエンタープライズ「プロマネ1年生の教科書」「その一言を言う前に」「岩淺こまきのオン/オフで使えるプレゼン術」連載中。
◆オルタナティブ・ブログ「明日の私を強くするビジネス元気ワード」公開
◆日経ITpro「おさえて安心 ビジネスマナー100」連載中
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[大人の学び][2015年11月17日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第110回:「その指示、ホントに伝わっていますか?」
執筆:高橋 俊樹

〔ケース1〕
上司「これ、できなくてもいいからやってみて」
部下「はい、わかりました」


〔ケース2〕
上司「これ、時間があったらやっておいて」
部下「はい、わかりました」


〔ケース3〕
上司「いい感じによろしくね」
部下「はい、わかりました」


複数人で仕事をする以上、仕事は必ず指示からスタートします。スタートとなる地点で、どのような内容で、どのような言い方で相手に指示を与えたかによって、ゴールである仕事の成果は大きく変わります。成果だけではなく、ゴールに向かおうとするやる気にも大きな影響を与えます。


私も上司からの適切な指示のお蔭で、効率的に、やる気を持って業務を遂行できたという経験があります。一方で、指示が曖昧で、何度も上司に確認に行く羽目になり、修正の繰り返しが続き、やる気を保てなくなったこともあります。おそらく皆さんにも指示にまつわる様々な体験があることでしょう。


では、指示をする際に、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。
私が担当するリーダーシップ系の研修で、受講者の皆さんから出てくる「良い指示を出すために工夫していること」をご紹介します。


・目的や背景を伝える
・なぜ、「あなたに担当してほしいか」についてメリットや意義を添える
・納期に余裕を持たせる
・相手のできる範囲でやってもらう
・チャレンジさせる
・相手が工夫できる余地を残す(事細かく指示しない)
・こまめにフォローする
・指示を出す際に、相手の仕事をの状況を聴く
・メールだけでなく、口頭で補足する
・アウトプットのイメージを伝える
・力を入れるべき点、多少力を抜いても良い点を伝える


色々な工夫をされていることがわかります。


冒頭のケースに戻ってみましょう。このケースのような指示を出したことがある、と思い当たる方もいるはずです。これらは、若手の方から聞いた、「上司や先輩から出された指示で困ってしまった代表例」なのです。


〔ケース1〕
上司「これ、できなくてもいいからやってみて」
●意図→チャレンジさせたい:失敗してもOK、まずは挑戦、できなくても私がフォローするから・・・

部下「はい、わかりました」
●気持ち→できてなくてもよいならやらなくてもいいのでは、それが何につながるのかがわからない・・・


〔ケース2〕
上司「これ、時間があったらやっておいて」
●意図→相手のできる範囲でやってほしい:無理しなくてOK、余裕があればやってほしい・・・

部下「はい、わかりました」
●気持ち→やっぱり時間がなかったのでできませんでしたとは言えない、なんとか時間をやりくりしなければ・・・


〔ケース3〕
上司「いい感じによろしくね」
●意図→相手が工夫できる余地を残す:君のやり方に任せるよ、阿吽の呼吸、細かく言わなくてもわかるよね・・・

部下「はい、分かりました」
●気持ち→???どんな感じ?私としてはいい感じに仕上げたのに結局やり直し?


相手に配慮して出したつもりの指示でも、言葉が足りていないために相手に意図が伝わらないこともあります。指示を出す際に大切なことは、意図を言葉にして、省略せずに伝えることです。長い期間、仕事を一緒にしている人であれば、多くを語らない指示であったとしても相手が理解してくれることもあります。しかし、相手との関係が短期間(新入社員、キャリア採用で新たに加わったメンバー、社内の他部署、初めての協力会社など)の場合は、特に気をつけなければなりません。


良い指示は仕事の成果ややる気だけでなく、相手との信頼関係にもつながります。無意識に行いがちだからこそ、もう一度、自分の指示を見直してみてはいかがでしょうか?


先日のデキゴト。

私「これ、納期が明日だったのをすっかり失念してたんだよね。やらなきゃいけないんだけど、今日はもう手いっぱいで自分には無理。ほんと、ほんと悪いんだけど、代わりによろしくね」


後輩「え・・・・・・分かりました。・・・・それにしてもひどい指示ですね・・・・」


ごもっとも。ただいま反省中です。

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【PDU対象】マネージャのためのチームビルディング
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■【PDU対象】後輩の教え方育て方
~OJTの効果的な進め方とスキル~
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高橋 俊樹(たかはし としき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント/産業カウンセラー
1991年、自動車メーカー、営業担当者向けの教育の企画・実施を担当
その後テレマーケティング会社を経て2001年より現職
ヒューマン系講師として新入社員から管理職まで幅広く人材育成支援に当たっている

[コミュニケーション後輩指導・OJT][2015年10月19日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
【OJT茶話会】特別レポート:応募者数が多いのはよいことか?「三幸製菓によるカフェテリア採用」に学ぶ
執筆:田中淳子

田中淳子の「OJT茶話会レポート」を掲載します。

「OJT茶話会」とは、2011年からグローバルナレッジで主宰している人事・人材開発者向けコミュティ活動です。2015年6月17日(水)開催時のテーマは「新卒採用」。

ユニークな採用で有名な三幸製菓のユニークな採用についてお話を伺った上で、「自社ならどうする?」「何が課題?」「何が活かせる?」を参加者の皆さんで議論しました。茶話会の進行役を務める田中淳子が、「これからの新卒採用」」について考察します。




就職活動の解禁日が変更になったことで、かえって学生にとっては活動が長期化したのではないか。学生も企業も疲弊しているように思う。――― こういう声をよく耳にする。よかれと思って変更した制度や取り組みも最初からそう意図通りにいかないことはある。これからも新卒採用は、様々に試行錯誤を繰り返すのだろう。


ところで、「日本一短いES」をご存じだろうか。ESとは「エントリーシート」のことである。日本一短い、とにかく、短いのだ。→ コチラ


第15回「OJT茶話会」(2015年6月17日(水)開催)では、この「日本一短いES」の仕掛け人でもある 三幸製菓の杉浦二郎さんから、同社のユニークな採用の取り組みについて話していただいた。

目から鱗、「え?それありですか?」なお話の数々に参加者も私も「目から鱗」がたくさん落ちた。順を追ってレポートしていこう。


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三幸製菓と採用


三幸製菓は昭和37年(1962年)創業の「あられ・おかき・おせんべいの製造販売」企業である。7人の人事担当者で人事業務全般を担当している。

杉浦さんはこう切り出した。


私が人事に入った頃は、経営側に「採用が大事」という考えがなかった。採用の予算枠は少なく、採用に関心を示さなかった。「採用が大事」ということを経営に向けてプレゼンした。

三幸製菓はコンシューマー製品を作っている企業。イメージは大事だ。そういう意味では、採用もそもそもPR、広報である。三幸製菓がいかに成長しているかも「採用」で知ってもらう。採用はブランディングだしポジショニング。戦略を立てて世間に訴えていかないとダメでしょう?」こう訴え、ようやく経営にも理解してもらえた。


「採用」というのは、学生に会社を知ってもらうだけではなく、上手に行えばブランディングにつながる活動なのだ、と杉浦さんは経営に訴えていった、という。そういえば、この日、杉浦さんは段ボール1箱分の「三幸製菓」の「おせんべい」も提供してくださったのだが、この日以来、参加していた私たちは、コンビニやスーパーで「三幸製菓のおせんべい」を探すようになったし、意識して手にするようになった。ブランディングの一つと言われたら、なるほど~と実感する。


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※おせんべいを事前に1箱送ってくださり、参加者全員でいただきながら、お話をお聴きしました。とてもおいしいおせんべいでした。



「採用」って何だろう


一般的に採用は、「なんとなくこういう人を採用したい」という感じになりやすい。具体的には「能力」と「会社とのフィット」を見たいと考える。ところが、「能力」は「学歴」に、「会社とのフィット感」は、「面接官とのコミュニケーション能力」に置き換わりやすい。


「学歴」と「面接官とのコミュニケーション能力」という測り方となれば、結局、すべての企業が「共通の評価軸」で学生を見ることになる。どの企業も同じ評価軸で競ったら、大手有名企業に負けるに決まっている。この採用戦略では、自社のポジショニングをあえて劣勢に持って行ってしまう。


そもそも私は「面接」にも疑問を持っている。できれば「面接」をしたくない。極論すれば、面接には意味がないと思っている。質の高い面接をするには、アセッサーとしての訓練が必要。採用担当全員にその能力をインストールするのは非常に困難になる。未熟な面接担当者の面接は、「好き嫌いの熱量交換」になりがちである。だから判断も「感じいいね」といったものになりやすい。


「面接」なんか不要だ。「面接官のスキルが高くなければ、"感じよい"とか"私にとって好印象"という点で評価してしまいやすい」と言われれば、納得する。


一方、「感じよい、いい印象だ、という感覚での採用が問題だろうか」という声も参加者からは挙がっていた。 


どちらがよい悪いではなく、それぞれの企業にとっての「評価軸」を定めればよいのだと思う。



三幸製菓の採用のポイント


三幸製菓では「スキル=行動特性」と「会社とのフィット感」は「性格適性」と「経営とのフィット感」で見ようと考えた。


いかに自分たちの会社に合って、自分たちの会社で成長・活躍できる人材を定義して、採用していくかを考えることにする。このやり方であれば、他社とぶつからない。自分たちなりの戦略を立てて、採用をしていくこととした。


採用については、こういう公式があると思う。


「企業知名度や規模×採用設計力=採用力」


● 知名度が高ければ、採用設計力が高くなくても採用力は高くなる
● 会社の知名度が高くなければ、採用設計力がものを言う


「採用担当者」は「採用をプロデュースする力」が求められる。ところが、一般に、採用担当者は、エントリー数をKPIにしたがる。たとえば、三幸製菓の過去最高のエントリー数は13,000人。「うわー、13000人も来た!」とその時は思った。でも、よく考えてみれば、採用するのは、その中の数人。

選考しているのではなく、落とすことにエネルギーを費やしていて、むなしい。だったら、「エントリー」という考え方そのものをやめてしまい、「選考」について考えればよいのではないだろうか。大事なことは、その人がいかに活躍するか、ではないか。


「社長! 3000人もエントリーシートが届くんですよ」
「おお、凄いなぁ」

という風に「応募者数で喜んでいていいのか?」と杉浦さんはおっしゃる。

「大半を採用しないのに、そこにエネルギーを費やしている。でも、そこじゃないだろう」というのだ。



「採用」で何を見ていくか


三幸製菓では、採用のゴールは「2年後」とした。つまり、採った人の「2年後のパフォーマンスが上位であること」


「2年以内に辞める、2年経ってもパフォーマンスが上がらない、周囲からの評価が低い」とすれば、採用の仕方が悪いのだ。2年後活躍しなければ意味がない。2年後に活躍してくれたらその採用は成功だと評価軸を決めた。


能力を「先天的能力」と「後天的能力」と分けた。後天的に身に着くもので、自社で開発可能なら(採用時は)そこを見ない。比較的先天性が高いか、自社で開発できない能力であれば「採用」で見る必要がある。このあたりは、横浜国立大学で「採用学」を研究している服部先生のご協力も得て、整理した。


たとえば、「コミュニケーション能力」は「可変要素が高い」ため、採用では「見なくてよい」とした。もちろん、得意不得意はあるかもしれないが、それより、「想像力がある」とか「バイタリティがある」といった「変わりづらい」ことを見ることにした。



参加者からは、「コミュニケーション能力だけではなく、他の能力も入社以降の育成でなんとでもなる。人は変わる」という意見も出ていた。一方で、「もちろん、育成で手間を掛ければ、ある程度のところまで、どんな人でも育てられるば、そういうやり方は、個別対応が増えて、とても時間(コスト)がかかってしまうよね。だったら、可変要素の少ない部分は、採用時に見極めるというのも妥当なのでは」という声も挙がった。


そうやって、入社2年前後の社員のパフォーマンス分析をし、共通項に基づくアンケート調査を全社員に。ハイパフォーマーの特性を見ていった。「6分類」の適性をあぶりだす作業に1.5年間かけた。


これが「日本一短いES」の次に提示される「35の質問」へとつながる。



「35の質問」で見ている適性の詳細


「35の質問」でどのような適性を判断しているのか、解説があった。


●外向性:色々なことに意欲的にかつがつと取り組む

●開放性:様々な人を許容でき、やりとりできること

●認知欲求 :考えることが好き、難しいほど刺激的でやりたくなる

●垂直的集団主義:体育会系な世界が好き

●水平的集団主義:「みんなで巻き込んで一緒にやっていこうね」という感じ

●あいまいさの享受:よくわからない仕事をやれる、とにかくやろうよ、と動ける。あいまいな状態のまま受け入れられるか

●達成性:目標に向かってこつこつ努力し続けられるか



「カフェテリア採用」

  ......なぜ17種類もの採用方法を?


「35の質問」の開発に1年半かかり、2015年度から。2016年度の「日本一短いES」はネットで拡散した(2015年3月5日リリース)


「日本一短いES」。最初に最低限の確認をする。(「おせんべいが好き?」「新潟で働ける?」この2つを最初に尋ねてしまう)次に「35の質問」。これが「適性検査」になっている。面接に代わるものとして作ってあり、区分としては7つ。「6分類」と「不合格」。「35の質問」の回答することが「適性」の判断になり、「適性」に応じた「カフェテリア採用」(17種類)を提示する。


会社としては、「多様性」、多岐に渡る能力を持つ多様な人材を求めているのに、単一の選考フローで見るのは疑問だ。個々の特性を「全部同じ面接方法で採用します」と言っているようなもの。脚が早い人は、「走ってもらって」選考する、というように多様な採用をするのがよいのではないか。そんな考えから「カフェテリア採用」を設計した。

「志望動機」は採用の最後の段階で訊くのでもよいくらい。人生の大きな選択なのだから、途中までは「分からない、まだ迷っています」と学生が言うのは当たり前。大事なことは学生が「自分で決める」こと。



この部分も目からウロコ。

「応募動機は?」
「当社をなぜ志望したのですか?」
と最初の段階で訊いてしまう。


けれど、学生だって働いたこともないのに、揺れ動くのは当たり前。だから、志望動機は、最後のほうに尋ねるのでもよいと杉浦さんは言う。その上で、学生が「自分でここに来ると決めた」感がとても大切なのだと。


確かに、学生も情報をたくさん持っているし、就職活動用のお作法も押さえているし、「志望動機」を尋ねれば、それなりに「上手なこと」は言うに違いないが、それを聴いてどうなるというものでもないように思う。



今年は17個の採用メニュー


*17個の解説があったが、このレポートではそのうちのいくつかを紹介する。

●「おせんべい採用」

・おせんべいへの愛を存分に語ってもらう。この採用は評判高い。家族を巻き込んでムービー作ってくる人もいる。このタイプが入社すると社内が活性化する


●「キャプテン採用」
・みんなでやろうよ、とまとめていくような人。学生同士で採点していく。同年代で「この人がキャプテンだと思う人」が「キャプテンだよね」という考え方


●「DIY採用」
・学生が「どこを見ているんですか?」と言うので、「だったら自分が最も輝く、能力をアピールできる選考スタイルを考えて出して」というもの


●「がんばったで賞」
・「結果につながらないけど頑張りました」というプロセスについてアピールしてもらい、そこを評価しようという採用


●「ガリ勉採用」
・目の前のやらなければならないことを「一生懸命やった人」。普段は大人しくても「研究の話になるとものすごく饒舌になる」、入社するとものすごく勉強し新しい知識を身に着け、新しい商品を作っていく人になる


●「日本一長いES」
・30日間エントリーシートを書き続けてもらう


このたくさんの採用メニューがあるのだが、興味ある方は、エントリーしてみるとよい。自分の特性がどの採用メニューにつながるか試してみると、このシステムを実感できると思う。(茶話会でも参加前に全員が試しておいた)




今後について


最後に杉浦さんはこう締めくくった。


採用だけではなく、組織開発や人材育成などすべてにつなげていかなければならない。
大事なことは、今までは、縦ライン(偉くなる)」が一般的だったが、これからは「複層化(モザイク化)」、つまり、「様々な働き方」に対応していく必要がある。

人事制度、選考、育成、評価も多様化する。今後はそういうことすべてをやっていかなければと思っている。

私は様々な場所で三幸製菓の採用についてプレゼンする。"なぜ時間をとってまで、いろんな場で自社のことを話すんですか"とよく質問される。1つは、HRの領域で「採用」の立ち位置が若干低いと思われているような気がするという課題意識から。エントリーレベルの仕事と思われがち。人材育成や組織開発は難しいと思われがち。でも、「採用」をちゃんとやること。それなりの立場の方は採用にもっとコミットしてもらえると、その会社の「採用」はちゃんとしてくると思う。


2つ目は、基本的には全部オープンにしている。個人情報以外は、自分の考えをオープンにし、賛否両論の意見をいただくと、自社にまた活かしたい。来年も同じことを話していたら、頭の中が変わっていないなと思ってください(笑)


杉浦さん、興味深いお話をありがとうございました。



この後、参加者でこのプレゼンをきっかけに議論をした。採用に関わる方、採用された社員の育成に携わる方、どちらにも関わっている方など多岐に渡る参加者からは、以下のような声が挙がっていた。


● どういう採用、選考を経て採用に至ったとしても、「あなたはここを見て選んだ」ということを本人にフィードバックすることがとても大事。いかに「選考されているか」という納得感が入社の決め手、ロイヤルティの決め手になりそう。「ちゃんと選考されている」感。入社後も生きてくるはずと信じている。
学生が「選考されて、見てもらって、取ってもらった」という意識が強くなれば、リアリティショックがあっても、モチベーション高く取り組むのではないか。どこを評価されたのか、どこを見てもらったのか、ちゃんと見てもらったかわからないから承諾もためらうのかもしれない。「ちゃんと選考した、これだけ見て決めたんだよ」「こういうところを見て採用された」とわかれば、自信を持って仕事できる。


●新卒研修で「君のここがいいね」と言うと、「そんな風に言ってもらったことがない」と言われることが多い。ここ1-2年増えた。いかに認められていないかというのが現代の若手かも。キャリア採用の中でも「若手」は「どうして選ばれたのですか?」とフィードバックを欲しがる。それが後々の「内定承諾」にも影響している。


●どういう人材を求めているか、を「人事」が「現場」と握れているかというとちょっと怪しい。たとえば、「コミュニケーション能力」が大事というが、では、何をもって「コミュニケーション能力」と定義しているのか、明確にしているだろうか。これは、職場に戻って人事と現場とで話し合う必要があると思った。


他にも有意義な議論が交わされ、途中、質問には杉浦さんが丁寧に答えてくださった。

参加者全員が「自社に持ち帰りこれを試してみます」をコミットして、解散した。
次回「OJT茶話会」開催時にその成果を共有することになっている。

皆さんの成果が楽しみである。






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●企業の人事・人材開発担当者向けコミュニティ「OJT茶話会」は、各社のOJT事例を共有しようというところから2011年に発足しました。現在30社ほどの企業がメンバとなっています。IT、製薬、メーカーなど多種多様な業界の方が集まり、OJTに限らず、人材開発に関わる幅広いテーマを毎回集まっています。

参加条件は2つだけです。「可能な限り継続参加してくださること」「いつか自社事例をプレゼンしてくださること」。参加は無料です。ご興味のある方は、担当営業にご連絡くださいませ。


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田中 淳子 (たなか じゅんこ) プロフィール

グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、インストラクショナルデザイン、トレーナー養成などヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。2003年からは、企業の「OJT支援」に力を注いでいる。

【ブログ】
 ・ITメディア オルタナティブブログ「田中淳子の"大人の学び"支援隊"!

【著書】
 ・NEW) 『ITマネジャーのための現場で実践! 若手を育てる47のテクニック』(日経BP社)
 ・NEW) 『本物の自信を手に入れる! セルフファシリテーション』(ダイヤモンド社、共著)
 ・『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』(日経BP社)
 ・『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(日経BPストア)
 ・『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)
 ・『田中淳子の人間関係に効く"サプリ"-職場で役立つ30のコミュニケーション術』(アイティメディア)

【連載】
・アイディメディア 誠Biz.ID 「上司はツラいよ

・@IT自分戦略研究所 「田中淳子の"言葉のチカラ"





[大人の学び後輩指導・OJT新人社員研修][2015年8月18日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第109回:「お母さん、お仕事って楽しいの?」
執筆:岩淺 こまき

「お母さん、お仕事って楽しいの?なんでお仕事しているの?」

 

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ある土曜日の19時頃、3歳9か月の長男に言われた言葉です。

「う?うーんと。まぁ、仕事って、大変な事も多いけど、本来楽しいものっていうか、おもしろくあってよいものっていうか・・・かな?」と、しどろもどろになりつつ、答えました。長男は「ふーん」と言って、また自分の遊びの方に戻っていきました。

 

私はここ数年で2回の育児休業を経験し、2回とも4月1日から前と同じ職場に復帰しました。育児休業中に、転職することも専業主婦になることも考えました。なぜ働くか、を考えてきたはずなのに、上手に答えられなくて反省しました。

 

反省しながら2回の育児休業をふりかえり、自分のある変化に気づきました。
それはわずかながらも「物事を前向きにあきらめて、限られた資源でどうしようかなーと考える癖がついた」ことです。

 

例えば1人目の育児休業の時は、世の中に溢れている情報に追い込まれたことを憶えています。代表的なママ雑誌などに勝手にストレスを感じてしまうのです。「そうか、『求められている働くママ像』は、育休中にMBAとったり大学に入ったりしてキャリアを伸ばしつつ、子供やママ友と会う時もメイクやオシャレに手を抜かず、家族の健康のために食育アドバイザーになり、毎日キッチンに立ちながら仕事する事なんだ!」と読み解きました。

 

「できるか、そんなもん!」

 

と言い切れなかったのは、産後のホルモンバランスのせいなのかは分かりませんが、ともかく自分を苦しめた記憶があります。


ところが二人目になると、そんな余裕もなくなるので、「できる人もいるかもしれないけど、ごめん、そこまでは無理。その代り今は、君たち(子供達)が笑ってくれることに注力します。そして昔のスーツは太って着られないけど、新しくスカートを買えば小奇麗に見えるので許してください(旦那さんへ)」くらいに割り切る気持ちが出てきました。

 

何かの出来事がおこった時に "できること" と "できないこと" を分け、できることにフォーカスし、「こういう方法ならイケルかも」と考えられるようになったのです。
"できないこと" をあきらめはしますが、"どうせ私にはできない、できる状況じゃない・・・" など後ろ向きに捉えるのではなく、"できないのは仕方ないけど、どうやったら近づけるか" と、前向きにあきらめることができるようになりました。

 

思えば私の周りのママ達(だけじゃないと思うけれど)は、みんなしなやかで、明るく頑張っています。しなやかに感じるのは、彼女たちと話をしていると「子供によりよい人生を生きて欲しい、自分もあきらめたくないし幸せを実感したい」が伝わってくるからだと思います。「誰もわかってくれない、何もやってくれない」という言葉を聞くことが無いのです。

 

フルタイムで働いているご夫婦も、旦那さんが海外赴任で、ひとりで子供2人を育てているママも、遠くから保育園に通っているママも、徹夜明けで着替えだけしてすぐ出勤するママも、保育園が休みの日曜日に勤務や夜勤が入るご夫婦も・・・

 

皆いろいろな事情を抱えています。そして日々理不尽な出来事に翻弄されます。
例えば、今まで市の「一時あずかり制度」を使って所要を済ませていたのに、今年から「就労目的以外は使用不可」になって、子連れでは行けない用事なのにどうしよう、とか、上の子と同じ保育園に入れずにどうやって送り迎えしよう、とか、細かい事だと17時以降に会議招集?お迎え間に合わないよー!などなど・・。

 

でも、みんな最後に言うのです。
「ほんと、どうしようかなーですよね。まぁなんとかやるしかないですよね」と。
そうして「物事を前向きにあきらめて、限られた資源でどうしようかなーと考える」ことを実践し、前に進んでいます。

 

このような "しなやかさ" や "折れない心" 「レジリエンス」と言います。
「レジリエンス」は、混沌とした現代で活躍する、全てビジネスパーソンに必要なマインドと言えます。
頑張っているママ達は、この「レジリエンス」の実践者と言えるでしょう。

「レジリエンス」で必要な事は、思考の柔軟性です。
つまり、厳しい状況でもネガティブな面だけではなくポジティブな面を見いだす事ができる人が、逆境を乗り越える事ができる」と心理学者イローナ・ボニウェル博士は語っています。
(引用:NHK http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail02_3486_all.html)

 

頑張っているママ達は多かれ少なかれ、みんな独自の経験の中で"思考を柔軟にしてしなやかに頑張って"います。そんな「レジリエンス」に少しでも近づけたのではないか、と自画自賛したい気持ちになったのでした。

 

さて、こんな事を考えながら「なんで仕事しているの?」に改めて答えようと思いました。そこで寝かしつけの絵本の後、「さっきの『なんでお仕事するの?』に、もう一回答えてよい?」ときくと、「うん」と長男。

 

「まずね、お仕事は大変な事もあるけど、楽しいと思っているよ。それでね、なんで働くかっていうと、『誰かを喜ばせるために』働いているんだよ。お父さんやお母さんが働くと、お客さまとか会社の人が喜ぶでしょう。それでお金がもらえて、そのお金で○○ちゃん達と楽しいことができたり、美味しいものが食べられたりするよ。働くと『嬉しい』が増えるから、働いているんだよ。」

 

納得したのか期待した答えだったのかは分かりませんが、長男は「ふぅん」と返事して、満面の笑みで眠りにつきました。

 

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グローバルナレッジ ヒューマン・スキル講師
岩淺 こまき (いわあさこまき) プロフィール


グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント。
1997年、システム販売会社に就職し、営業技術支援および導入企業向けの研修を担当。
人材紹介会社にて中途入社社員に対する研修や、メーカーでの販売促進セミナーの企画・実施を経て2007年より現職。 プレゼンテーション、ファシリテーション、リーダーシップ、講師養成講座、などヒューマン・スキル研修の開発・実施に当たっている。 

<活動>

◆ITエンタープライズ「その一言を言う前に」「岩淺こまきのオン/オフで使えるプレゼン術」連載中。オルタナティブ・ブログ「明日の私を強くするビジネス元気ワード」公開
◆日経ITpro「おさえて安心 ビジネスマナー100」連載中

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[キャリア大人の学び新人社員研修][2015年7月 1日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
【OJT茶話会】特別レポート:色々な働き方があっていいじゃないか(3)
執筆:田中淳子

グローバルナレッジネットワークで開催している「人事、人材開発担当者向けのコミュニティ活動」である「OJT茶話会」、第14回会合(2015年2月25日開催)のレポート第3弾。

ここまでに、サイボウズ社の「ワークスタイル動画」をきっかけに、同社の人事制度、動画制作意図、世間の反応などについて紹介してきた。

① レポート第1弾 サイボウズ社ワークスタイル動画について①
② レポート第2弾 サイボウズ社ワークスタイル動画について②


レポート第3弾の今回は、サイボウズ社に続き、プレゼンテーションして下さった株式会社JBS 小田川仁さんの事例を紹介する。

小田川さんは2人目のお子さんの誕生に合わせて育休を取得。2.5か月の育休を通じて感じたことをひとりの男性育休経験者として率直に話してくださった。


タイトルは「育休シテミタ」。ご自身の体験を赤裸々かつ、面白おかしく語られた。


同社ではすでに2人の男性が育休を取得しており、小田川さんは「人事として率先して取得してみよう」と思ったそうだ。事前に家族とも十分話し合い、上司とも話し合い、周囲が「とってみたら」と勧めてくれたこともあり、取得に踏み切ったという。以前から、家事も担っていたし、ご自身にとってはごく自然の選択だったようだ。


「育休を取ることにした」と周囲に公表した時、男性と女性とで異なる反応があって面白かったそうだ。


幼稚園のママ友からは、"いいわねぇ、うちの旦那にも取らせたいわ"と言われました。あと"いい会社ねぇ"。これは、一番多く言われた言葉ですね。一方、男性からは、"奥さん、専業主婦なのに?""休めていいね"といった反応や"いくらもらえるの?"という声もあったんですよね。


念のために解説しておくと、現在、「育児休業制度」は、妻が未就業であっても男性に取得する権利が認められている。また、育休は育児(とそれに伴う家事)をするためのものなので、「休める」訳がない。さらに言えば、無給である。男性たちの反応を聴くと、自分に関係ないと思われている制度にはいかに理解が進んでいないかということがわかる。

小田川さんの育休コンセプトは、ずばり 「母乳以外は全てやる!

母乳をあげることはできないけれど、それ以外のことならなんでもやるぞと決めて、2.5か月間ほとんどすべてのことを行ったそうだ。(妻は、上のお子さんの世話もあるし、身体を休める必要もある)


実際に何もかもやってみてわかったのは、性差による違いはほとんどないということです。


しかし周囲はそう思わないらしく、男女ではやはり反応がずいぶん違っていた。


時々、Facebookに子育てや料理のこととか、幼稚園バッグを作ったなんてことを書いたり写真を載せたりすると、女性の友だちからはたくさんの"いいね!"と"コメント"が来るんです。でも、男性の友だちは、ひたすら沈黙を守るんですよね(笑)。

それで考えたんですよ。男性も家事育児に対する思い込みがあるけれど、女性にも思い込みがあると思うんです。"うちの旦那には無理""うちの夫にはどうせできない"と決めつけている人が多いと感じました。

でもやってみなければ分らないし、そもそも、やったことなければ、やり方も分からないんです。仕事では初めてのことをやるときにはOJTをするのだから、家事だって育児だってOJTが必要だとボクは思います!


女性の家事負担がなかなか減らないのは、女性側の思い込みもあるとは、なかなか鋭い指摘だと思う。

育休中、家事育児に専念して「不安、葛藤、孤独」を感じたこともあったという。


なにせ、育児って初めてのことばかりだから、不安だらけなんです。これを妻一人で頑張っていたら、自分はその不安を理解できていなかったんだ、ということにも気づきました。新入社員が職場に配属されて抱える不安と同じじゃないかと思ったんですよね。

だから、夫婦で話し合う。どんな家族にしたいか、どんな生活を送りたいか、どうやって子供を育てたいか。話し合ってビジョンを共有する。方法も共有する。分からないことはOJTで教えてもらい、自分もまた熟達していく。すべて「職場でやっていること」なのに・・。家庭でもやればいいじゃないか、チームビルディング。夫婦でやればいいじゃないですか、OJT。


熱を帯びてきた小田川さんのトークに、来場の人事、人材開発担当者の皆さんは、ひたすらペンを走らせている。メモ!メモ!!メモ!!!

小田川さんは、サイボウズ社の「ワークスタイル動画」第一弾にちらっと登場する夫からのメールのシーンが印象的だったそうだ。(動画の開始18秒あたり)


「子どもが熱出た」と妻が夫にメール。
夫からは、「ごめん、会議だから帰れない」と返事。
妻は、「お迎えは私がするっていつ決まったんだっけ」とつぶやく。 (注1)


どう返事したらいいか悩みますよねぇ。あれ、よくあるケースだなぁと思って。「子どもが熱出した」というメールが来ると、「このメールは、なんて返してほしいんだ?」と悩む。「おお、わかった」と返すと他人行儀な感じだし、「ごめん、仕事で抜けられなくて帰れない」と返すと積極的じゃない、協力的じゃないと思われるかもしれないし、「メールを返さない」という選択肢をとると「なんでメールをチェックしないの」と思われちゃうし、あのメールを受け取ったパパ側にも葛藤がある。ボクは、以前、1時間くらい一生懸命考えてから返事して、結果的に返事が遅いと怒られたことが...(笑)。もっと具体的に「こうしてほしい」と言うといいんじゃないか。「できるだけ早く帰ってきてほしい」とか「何時に帰って来られますか?」ともっと具体的に書いたほうがいい。男性も女性ももっと相手に「具体的な要求」を伝えた方がいい。

なるほど。「察してくれ」というようなメールは、互いに余計なエネルギーを費やす割に、相手の意に染まない行動を取ると、さらに不興を買う。それで夫婦が気まずくなるのであれば、最初から「熱が出たから帰って来て」とか「何時に帰れるかを教えて」などと「相手にしてほしいこと」を伝えるとよいというわけだ。

小田川さんは2.5か月の育休を取得し、働き方が変わったという。それまではかなり属人的な仕事の仕方をしていたが、休むためには誰かに引き継がなければならない。引き継いでいくことで、チームでカバーし合えるようにもなるし、結果的には「小田川はこんな仕事をしていたのか」と回りからもより理解が得られるようになった。仕事をシェアし、任せることができれば、別な仕事にチャレンジすることもできる。チームで働くことの大切さを改めて実感できたそう。

最後にこんな話もしてくださった。


子どものことで休みを取ることもあります。部内に休みますメールを出す際、あえて「明日は子どもの行事があるので1日休みます」と理由も書くようにしているんです。それは、周囲のワーママが「子どものことで休みをとって申し訳ない」と思わないようになればいいな、という意図があってのことです。


これを受けて、サイボウズの大槻さんはこう話す。


サイボウズって変な会社で(笑)、Facebookでもつながっているんです。子どもの写真なんか皆アップするので、皆で子育てを見守っているような気分になって。たとえば、誰かの子供が具合悪いと書いてあるとシンパイし、回復したと書かれていると、皆でよかったね、とほっとするという...。

ワークライフバランスというのは、ワークとライフを明確に分けて考えるという考え方でもなければ、ワークとライフを完全に切り離して、境目をはっきりさせていくというものでもない。

こんな風にワークとライフがうまく溶け合っていくと、多様な働き方が実現しやすくなるのではないかと私も思った。


サイボウズ社のワークスタイル動画と育休を体験した男性の話。


「これからの働き方」を考えるヒントがたくさん詰まっていた「第14回OJT茶話会」(2015年2月25日開催)。

参加者全員が「持ち帰ってこれをやります!」と何かしらのコミットメントをして解散した。第15回(6月17日開催予定)では、その成果共有からスタートする予定である。


注1) サイボウズ社動画「大丈夫」の18秒あたり。実際には、「お迎え行けない?」とリクエストしているが、「会議だからダメ」という返事のほうが印象に残りやすい。


※「人事、人材開発担当者向けのコミュニティ活動」である「OJT茶話会」は、年4回の会合を行い、互いの企業事例を学んでいます。単なる勉強会ではなく、情報共有をしてから、自社の取り組みに反映するという有機的な活動を目指しています。メンバには、IT企業だけではなく、製薬、メーカー、食品など多くの企業が名を連ねてくださっています。
継続参加と自社事例についてプレゼンすることが参加条件です。
ご興味がある方は、ご連絡ください。 

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田中 淳子 (たなか じゅんこ) プロフィール

グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、インストラクショナルデザイン、トレーナー養成などヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。2003年からは、企業の「OJT支援」に力を注いでいる。

【ブログ】
 ・ITメディア オルタナティブブログ「田中淳子の"大人の学び"支援隊"!

【著書】
 ・『現場で実践! 若手を育てる47のテクニック』(日経BP社)
 ・『セルフファシリテーション』(ダイヤモンド社、森時彦氏との共著)
 ・『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』(日経BP社)
 ・『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(日経BPストア)
 ・『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)
 ・『田中淳子の人間関係に効く"サプリ"-職場で役立つ30のコミュニケーション術』(アイティメディア)

【連載】
・アイディメディア 誠Biz.ID 「上司はツラいよ
・@IT自分戦略研究所 「田中淳子の"言葉のチカラ"

[キャリア][2015年6月15日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
【OJT茶話会】特別レポート:色々な働き方があっていいじゃないか(2)
執筆:田中淳子

前回は、「いろいろな働き方があっていいじゃないか(1)」で、サイボウズ社の人事制度についてレポートした。


今回はそのサイボウズ社の「ワークスタイル動画」の制作意図やOJT茶話会の参加メンバの感想などを紹介する。


▼第2弾ムービー「パパにしかできないこと」...「大丈夫」と合わせて再生回数は100万回を超えている(2015年4月30日現在)。


サイボウズ社は何を目指していたのか。


そもそもの出発点は「企業認知向上のため共感していただけるムービーを作ること」だったそうだ。とはいえ、「製品の宣伝をする」ことではないと考えた。だったら、自分たちが取り組んで来たワークスタイル改善の問題、とりわけ一番苦労の多い「働くママ」について取り上げたいねという話になった。ただし、解決策を示すのではなく、それぞれの立場で、それぞれの視点から考えるきっかけ作りになればいいという想いでムービー制作を行ったという。


「みんな、ひとりひとりが、それぞれの視点から考えるきっかけ作りになればいいと思った」というワークスタイル動画の制作意図を聴き、「だから、大丈夫じゃないからなんとかしましょうよ」という終わり方をしなかったのか、と私も納得した。


国は、「女性の活躍推進」を声高に叫んでいるけれど、「女性が仕事をすること」と「子育て」の問題は不可分であり、現時点では、どうしても「女性側の負担」は高くなりやすい。


もちろん、「うちは完全分業制です」という進んだ夫婦もいるけれど、それはまだマイナーで、女性側の負担の大きさは、女性の「頑張り」でカバーしているというのが現状だろう。


「OJT茶話会」でこの動画について感想を述べ合った際、「うちの妻もこんな風に感じていたのかな」と改めて自分のパートナーの気持ちに想いを馳せたという方がいらした。そうやって誰かの心に何かが響いたとしたら、サイボウズ社の目的は十分達せられたのだろう。


今回の動画は、ワーママに焦点を当てていたけれど、働く人を取り巻く問題は、子育てだけではない。私が直面している介護の問題もある。結婚年齢がどんどん上がっていることで、子育てと介護のダブルパンチを食らっている人もいる。もちろん、自身の健康問題を抱える人だっている。


そういう様々な事情がある人たちが、それでも、「充実感を味わいながら、幸せに、できるだけ長く働く」ことができたら、一人ひとりがハッピーになるだけではなく、組織だってハッピーになれるはず。日本もまたハッピーな国になっていくだろう。


今回の「OJT茶話会」では、サイボウズ社のワーママ動画を見ながら、参加者10数人と議論を交わした。皆さんからは以下のような声が挙がった。


●私は育休から復職したとき、あえて時短を選ばなかった。時短を選んだところで、きっとそんなに早く退社できないだろうなと予想したこともあるが、家族も「時短」に慣れてしまうと、定時までの就業に戻った時、子どもの期待が生れてしまい、大変だろうな、と思ったからだ

●働き方はまさにダイバーシティの一環で考えていくべきことで、いかに会社や日常生活に「タイバーシティ」を取り入れていくかが大事だと思った

●ワーママが大変なのはこの動画でもよく分かったが、どうすればいいのかは、会社や家庭でもっと話し合ったほうがいいと感じた


...人事担当者・人材開発担当者として、あるいは、一人の働く個人として、多くのことを考えるきっかけが得られたワーママ動画。


参加者からの多岐にわたる質問に、大槻さんは一つ一つ丁寧に答えてくださった。


中でもこの質問が象徴的だった。


参加者からの質問:「サイボウズさんは、男性の育休を義務化するのですか?」
大槻さん:「男性も育児休暇を取りなさい、としてしまったら、結局、ダイバーシティじゃなくなる。モノカルチャー(単一の文化)の押しつけになる。そうではなくて、人事制度はいろいろ作ったから、あとは一人ひとりが自分で考えて選択してね、というのが基本的な考え方です」


「ダイバーシティ」とか「グローバル化」とか言葉でいうことは簡単だが、それは、モノカルチャーを脱却し、「一人ひとりが自分で考えて生きていくこと」と「多様な考えや生き方を周囲も理解していくこと」の両方がますます重要になるのだろうと思った。


最後に大槻さんはこう締めくくった。


いろいろな人事制度を作っていますが、「なぜサイボウズはこんなにうまくいったのか?」とよく訊かれます。
女性活用が、世間で流行っているからといった "きれいごと" からスタートしたのではないのです。"経営課題" に直結していました。
「優秀な女性が出産を期に退職しちゃうのはもうストップしよう」という切実なところからスタートしました。
だから、「世間で話題だから」「流行っているから」ではなく、この手の問題を考えるとき、"うちの会社の課題は何か" という点から皆さんも考えるとよいのではないでしょうか。
社員間で問題意識を共有し、共感が得られれば、そういう制度や仕組み・取組みは、きっと長続きすると思います。


ただの真似ではなくて、自社ならではの課題を見つけ、社員が自分たちの働きやすさを追及するために一緒に自社ならではの制度を考え、皆が働きやすい制度を勝ち取っていく。


個人と組織がそれぞれに自律しつつ支え合うような関係がこれからの時代には必要になるのではないだろうか。

この「OJT茶話会」では、サイボウズ社のワークスタイル動画のほかに、第二部では、あるIT企業で育児休暇を取得した男性の経験談もお話していただいた。育児休暇を取るにあたっての周囲の反応や休暇中の生活、気持ちなどの赤裸々なお話は、これまた大勢の心に響いた。

 

次は「男性の育休とそれにまつわるお話」をレポートする。お楽しみに。


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田中 淳子 (たなか じゅんこ) プロフィール

グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、インストラクショナルデザイン、トレーナー養成などヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。2003年からは、企業の「OJT支援」に力を注いでいる。

【ブログ】
 ・ITメディア オルタナティブブログ「田中淳子の"大人の学び"支援隊"!

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 ・NEW) 『ITマネジャーのための現場で実践! 若手を育てる47のテクニック』(日経BP社)
 ・NEW) 『本物の自信を手に入れる! セルフファシリテーション』(ダイヤモンド社、共著)
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[大人の学び][2015年5月19日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
【OJT茶話会】特別レポート:色々な働き方があっていいじゃないか(1)
執筆:田中淳子

今回から3回にわたって、田中淳子の「OJT茶話会レポート」を連載します!

「OJT茶話会」とは、2011年からグローバルナレッジで主宰している人事・人材開発者向けコミュティ活動です。

今回の連載でご紹介するのは、サイボウズ株式会社 コーポレートブランディング部長 サイボウズLiveプロダクトマネージャー・大槻幸夫さんをゲストとしてお招きし、ワークスタイルを主題として開催した回の模様です。

茶話会の進行役を務める田中淳子が、レポートを通じて多様化する「働き方」について考察していきます。




2014年12月、サイボウズ社から発表されたワークスタイル動画「大丈夫」はご覧になっただろうか。


公開当時、私のTwitterのタイムライン(皆さんのツイート(つぶやき)が掲載される欄)には、この動画への共感、賛同が多数並んでいたし、Facebookでも動画をシェアすると共に自分の想いを綴っていた友だちが多かったことを思い出す。


ワーキングマザー(以下、ワーママ)は、口ぐちに「そうなのよ、そうなのよ!」「わかってくれてありがとう!」と絶賛し、男性の多くは、「こういうことをきちんと考えないといけないよね」と自戒を含めコメントしていたように記憶している。


そこまで世間を騒がせているものであれば、流行に後れてはならじ!とばかりに動画を見てみた私は、多くの方の寄せる絶賛とは少し異なる感想を持った。


簡単に言うと、「え?..."ママ、大丈夫?"..."ママによりそうこと"...これで終わっていいの?"よりそう"でいいの? そう疑問に思ったのだ。


「大丈夫じゃねーよ」と誰か反論しないか、「寄り添う」だけじゃなくて、(いや、それはありがたいことだけれど)「こんなの全然大丈夫じゃないから、なんとかしようよ」「大丈夫になるように、みんなで考えようよ」「個人の問題と考えるのはもうやめようよ」と声高に言ってはくれないか? なんとなくそんな風に引っかかってしまい、ついブログで突っ込んでみた。「サイボウズのワーママ動画に私も物申す」。すると、このブログ・エントリーが私史上最大の1491もツイートされてしまった。


「世間はやはり関心を持っている! いろんな意見に関心を寄せている!」
「ぜひ、自社にお招きし、お話を聴かせていただこう」。


場所は2011年から当社で主宰している「OJT茶話会」という名の人事・人材開発者向けコミュティの会合だ。サイボウズ社の動画をきっかけに、でワークスタイルとか人事とか人材開発について企業を超えて議論したら面白いだろうなと考えた。


善は急げ。このワーママ動画の仕掛け人と一度だけお会いしたことがあるというだけの理由で、図々しくも連絡を取り、「当社で開催する人事・人材開発担当者だけのイベントでサイボウズさんの取り組みや、あのワーママ動画の裏側をお話いただけませんか?」とお願いしたのだった。


二つ返事で引き受けてくださったのは、サイボウズ株式会社 コーポレートブランディング部長 サイボウズLiveプロダクトマネージャー・大槻幸夫さん。


2015年2月25日、とうとうその日がやってきた。


「人事・人材開発担当者向けコミュニティ"OJT茶話会"」第14回会合において、サイボウズ社の取り組みをお話いただくことが出来たのだ。


タイトルは、「サイボウズがチャレンジする新しい働きかたとその成果、そして、企業コミュニケーション」。


まずは、サイボウズ社の人事制度について聴く。


非常にユニークな制度満載で、以下のようなものがあるという。


●選択型人事制度
 *人生のイベントに合わせて働き方を変更できる
 (時間に関係なく働くワーク重視型、
  少し残業して働くワークライフバランス型、
  定時時間内で働くライフ重視型から選べる)
●ウルトラワーク
 *時間、場所の制限なく、働く時間と場所を自由に選べる
●育「自分」休暇
 *35歳以下の若手に退職後6年は復帰可能な制度
 *社外で別のノウハウを得た社員を引き戻し、組織の強さを高める目的を持つ
●副業解禁
 *断りなく副業可能、他の会社に所属してもよい


他にもいろいろな制度を紹介していただいたが、興味深かったのは、以下のフレーズである。

 

人事制度は福利厚生ではない。仕事の生産性を上げるための制度である。

サイボウズ社では、サイボウズが考える「働くこと」とは、「より多くの人が、より成長して、より長く働ける」ことであり、人それぞれの事情などに応じて、働き方を自由に変えられることが大事だと大槻さんは話す。


制度は、社長が決めるトップダウンではなく、従業員から「こんな制度があったらいいな」と出てきた声に対して、人事部が検討し、社員を交えたワークショップも繰り返し、決定するそうだ。実際に社長発案の社内保育園は、全員の猛反対(「どうやって都心のオフィスまで子どもを連れてくるのだ!」など)にあい廃案になったとか。


あくまでも「生産性向上」を目的に制度を作っていくため、仮に、社員にとってはどんなにいい制度に思えても、生産性向上につながっていないと思われる場合は制度自体がなくなることもあり得ると社員にも説明しているそうだ。


一旦制度が出来たら、その運用のためのルールを浸透させることよりも、「何のためにその制度を作ったのか」という理念や目的を共有することほうが大事だと大槻さんはおっしゃる。


そんなユニークな制度多数お持ちのサイボウズ社が公開した動画は冒頭で述べたように大反響を巻き起こした。


次回は、サイボウズ大槻さんのプレゼンテーションからポイントを紹介していく。


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田中 淳子 (たなか じゅんこ) プロフィール


グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、インストラクショナルデザイン、トレーナー養成などヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。2003年からは、企業の「OJT支援」に力を注いでいる。


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【著書】
 ・NEW) 『ITマネジャーのための現場で実践! 若手を育てる47のテクニック』(日経BP社)
 ・NEW) 『本物の自信を手に入れる! セルフファシリテーション』(ダイヤモンド社、共著)
 ・『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』(日経BP社)
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【連載】
・アイディメディア 誠Biz.ID 「上司はツラいよ
・@IT自分戦略研究所 「田中淳子の"言葉のチカラ"

[キャリア大人の学び][2015年5月 7日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第108回:ストレスマネジメントの基本は、"セルフケア"
執筆:田中淳子

不調を感じ通院、医師からは「うーん、ストレスたまっていませんか?」と言われ、「そんなの当たり前だろー」と思い、「できるだけストレスためないようにしてくださいね」とアドバイスされ、「そりゃ無理だわー」と思う、というような体験は誰でもしたことがあるはずです。


「ストレス」というのは、あってはならないものと思われがちですが、実はそうではありません。私たちが社会で生きていくことができるのは、実は適度なストレスがあるからです。


そもそも「ストレス」とは何でしょうか?平たくいえば、「自分にかかる圧力とそれを押し戻そうとする力」のことを指します。押す力と押し戻す力が適度なもので、かつ、バランスが取れていれば特に問題はありません。ストレスという言葉を生み出したカナダの生物学者 ハンス・セリエは、「ストレスは人生のスパイスだ」と言ったそうです。


たとえば、朝ちゃんと起きることも、ネクタイを締めなければならないことも、9時までに会社に行くことも、午前中に仕上げねばならぬ仕事があることも、納期までに顧客に報告書を出さなければならないことも、未経験な領域に挑戦することも、すべてストレスです。


問題は、ストレスが過剰にかかる状況なのです。自分にかかってくる圧力が大きくなれば、押し戻そうとする力もまた大きくなります。風船をイメージしてみればわかりますが、強く押し過ぎると風船が割れてしまうように、心身に何等かのダメージをもたらすのは当然のことです。


ストレスの影響は、主に、心理、身体、行動に現れると言います。


心理。たとえば、不安で仕方ない、イライラしている、など。
身体。たとえば、眠れない、腹痛、腰痛など。 
行動。たとえば、過度の飲酒、拒食過食など。


人によって現れ方は異なるものの、ほんの少し「いつもと違う」状態になり、自分自身に「危ないよー」「気をつけろー」と合図を送ってきます。その段階で気づいて、なんらかの手を打てば、ストレス状態をなんとかできますが、何をすればいいか、というのがまた難しいのです。


ストレス対応策として「3R」という言葉があります。


Rest、Relaxation、Recreation。休息、リラックス、娯楽。


このうち、娯楽・・たとえば、運動をする、ゲームをする、などは仕事から心身を解放するという意味では有効です。しかし、これらもまた別のストレス要因になるので、やり過ぎは禁物です。


「大変な仕事を忘れられるから、土日は趣味のフットサル三昧」
「気難しい上司に叱られたことを頭から追い出したいので、夜は呑みまくる」。
もちろん、嫌なこと、自分に対するプレッシャーからいったんは解放されるでしょうが、こうやって何かをし続けていたら、それはそれで心身を休める暇がありません。


だから同時にRelaxation(たとえば、呼吸して落ち着く、のんびりする)や「Rest(休息)」も意識することが大事なのです。


深呼吸などして心身を落ち着かせ(Relaxation)、きちんと休憩を取り、夜も睡眠時間を確保し(Rest)、休日も無理ない範囲で娯楽も楽しむ(Recreation)ようにもする。そうやってセルフケアを心がけると、自分のストレスを上手にコントロールすることができます。


災害からのサバイバル術などでよく「自助→共助→公助」という言葉を使います。
まずは自分の身を守り、次に周囲の他者を助け、そして最後に公的支援を待つといったものです。ストレス対策も同じように最初にすべきことは自助です。


3R以外にも、「ものごとの捉え方を見直す」、「自分なりのストレス対応法を用意しておく」など様々なセルフケアの方法があります。いくつかの方法を取り入れてまずは自分をケアします。それができているからこそ、他者のケアもできるようになります。

マネージャになると、部下のストレスケア(ラインケアと言います)も求められますが、その場合でも、マネージャ自身のセルフケアが最優先なのです。


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2015年12月から企業には「ストレスチェック」が義務づけられます。(50人以上の事業者に義務づけられ、それより少ない事業者には当面の間、努力義務となります)


現在、「健康診断」を受診することが義務づけられているのと同じように、「ストレスチェック」も受けることが義務となってくるのです。


グローバルナレッジでは、2015年秋から「ストレス」関連研修シリーズを開始します。


3R だけではなく、「他者とのかかわり方」、「やっかいな出来事の捉え方」など様々な観点から、「セルフケア」に関する知識やスキル、「部下の悩みの聴き方」や「適切なアドバイスの仕方」など「ラインケア」についての学習などいくつかの研修を立ち上げていきます。


詳細は順次、当社Webサイト、メルマガ、Facebookページでお知らせいたします。


★「キャリア」に関する研修   2015年7月 開催★
自分のキャリアを棚卸し、今後のキャリアを考えるという行為も実は「ストレスマネジメント」に役立ちます。


【PDU対象】自分のキャリアを考える ~原点回帰し、「自分軸」を見つけるワークショップ~


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田中 淳子 (たなか じゅんこ) プロフィール


グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、リーダーシップなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。2003年からは、企業の「OJT支援」に力を注いでいる。


【ブログ】
 ・ITメディア オルタナティブブログ「田中淳子の"大人の学び"支援隊"!


【著書】
 ・NEW) 『ITマネジャーのための現場で実践! 若手を育てる47のテクニック』(日経BP社)
 ・NEW) 『本物の自信を手に入れる! セルフファシリテーション』(ダイヤモンド社、共著)
 ・『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』(日経BP社)
 ・『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(日経BPストア)
 ・『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)
 ・『田中淳子の人間関係に効く"サプリ"-職場で役立つ30のコミュニケーション術』(アイティメディア)


【連載】
・アイディメディア 誠Biz.ID 「上司はツラいよ
・@IT自分戦略研究所 「田中淳子の"言葉のチカラ"

[ストレスマネジメント][2015年3月27日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第107回:将来のビジョンはなくても、大切な価値観はある
執筆:田中淳子

会社員になったばかりのころ、よく上司との面談でこう質問されました。


「田中さんは、5年後10年後、どうなっていたいの?」


新入社員の頃は、「まだ右も左もわからないのに、そんなこと尋ねられてもわからない」と戸惑いました。


入社5年も経つと、今度は「そんな先のことなんかわからない。ここまでの5年だって、ずいぶん紆余曲折があったのに」と質問に対して意味を感じられずに困惑するようになりました。


当時(90年ごろ)、上司たちは、20代の私に口ぐちにこう言いました。


「だって、いつまでもインストラクタやってるの?そうじゃないでしょう?いつまでも"ただの"インストラクタじゃダメでしょう?30代後半にもなれば、マネージャになるでしょう?」


「え?そうなの?」と思ったものです。しかし実際には社会人30年目になる今でも私はマネージャでもリーダーでもなく、「インストラクタ」。だからといって、"ただの"インストラクタなわけはなく、それなりにキャリアを積んだインストラクタをやっているわけです。


「5年後10年後にどうなりたいの?」という質問がとにかくあまり好きではありませんでしたが、今になってみれば、「これだけ変化の大きい世の中で、5年後10年後のビジョンを明確に持っていたからっていったい何があったというのだろう」とすら思います。現に当時所属していた企業はなくなってしまいましたし。


「ビジョン、ビジョンってメンドクサイなぁ」と思っていた時、平本あきおさんの本に出合いました。「将来のビジョンと言われると困惑する日本人が多いが、仕事をするのに何もよりどころがないわけではなく、自分が大切にしている"価値観"は持っている。日本人のキャリア観は、ビジョン型より価値観型のほうが多い」といったことが書かれていました。その後、縁あって平本さんと直接お話しする機会があり、価値観型キャリアについて伺うこともできたのですが、「ビジョンではなく価値観をよりどころにする日本人」というお話は、非常に興味深いだけでなく、私の長年の疑問に答えてくれる考え方でもありました。


「ビジョン」はなくても「価値観」ならあるでしょう?―――。
こう問われると「はい」と素直にうなずけます。


私は今でも「5年後10年後どうなっていたい」という問いに答えは持っていないのですが、「これが好き、これは大事」という価値観は常に自分の芯に持っています。


たとえば、「人の成長に寄与すること」「できるだけ、生身の人間とFace to Faceで会う場面でその成長支援をすること」「楽しく勉強できた、もっと学び、成長したいと思っていただけるよう努力すること」などはずっと大切にしてきたことです。


こういう「価値観」は、普段誰かに語ることもなければ、自分の頭の中ですら具体的に言語化することもそうそうありません。でも、たぶん、私のように「将来のビジョンって言われてもないんだよね」と戸惑っている人の多くも「大切にしている価値観」「大事にしている仕事への想い」であれば持っていると思うのです。


毎日めまぐるしく様々なことに翻弄され、立ち止まって自分の足元を見つめる機会はなかなかありません。けれども、人は、何かの節目に遭遇した時、ふと「私が大切にしているのは何か」を考えるものかもしれません。


その節目は人事異動など外的要因からもたらされることもあれば、転職とか新しい仕事への挑戦など自分から作り出すこともあります。どの場合であっても節目においては、あらためて自分の価値観と仕事を照らし合わせる作業をきっと行うはずです。


どういうきっかけでも自分が仕事をする上で大切している価値観を明確に言葉にしておくと、何かに迷ったり不安になったりした時に、その価値観を「よりどころ」として進むべき道を判断できることでしょう。


年度末が近付いています。間もなく4月を迎えます。仕事をする上での大切にしている価値観を言葉にしてみるのにふさわしい季節がやってきました。


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2015年7月開講! 「キャリア」を考えるワークショップ型の研修を開始します。


自分のキャリアの「原点回帰」をしたり、自分のキャリアの「節目」を棚卸したりしながら、今後、自分のキャリアをどうデザインしていきたいか考える研修です。


演習スタイルは、「内省」と「対話」の連続です。個々人がじっくり考え(内省)、他者と語り合いながら(対話)、あらたな気づきを得ます。


2014年トライアルで実施したところ、参加者の皆様が、「元気が出た!」「明日から頑張る!」と笑顔でお帰りになりました。


【PDU対象】自分のキャリアを考える ~原点回帰し、「自分軸」を見つけるワークショップ~


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田中 淳子 (たなか じゅんこ) プロフィール

グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、リーダーシップなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。2003年からは、企業の「OJT支援」に力を注いでいる。

【ブログ】
 ・ITメディア オルタナティブブログ「田中淳子の"大人の学び"支援隊"!

【著書】
 ・NEW) 『ITマネジャーのための現場で実践! 若手を育てる47のテクニック』(日経BP社)
 ・NEW) 『本物の自信を手に入れる! セルフファシリテーション』(ダイヤモンド社、共著)
 ・『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』(日経BP社)
 ・『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(日経BPストア)
 ・『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)
 ・『田中淳子の人間関係に効く"サプリ"-職場で役立つ30のコミュニケーション術』(アイティメディア)

【連載】
・アイディメディア 誠Biz.ID 「上司はツラいよ
・@IT自分戦略研究所 「田中淳子の"言葉のチカラ"

[キャリア][2015年2月18日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第106回:仕事の「原点」を思い出す
執筆:田中 淳子

プロジェクトマネージャ向けに「キャリア」を考えるセミナーを行った時のことです。

冒頭で「今の仕事に就いたきっかけ」を周囲の方と共有する時間を設けました。


「原点回帰」と名付けているこのワークでは、何歳であろうとそれぞれが「私が今の職業に就いたのは」「今の会社に入ったきっかけは」と自分の「原点」を丁寧に、そしてとても楽しそうに話していきます。グループのメンバも「へぇ、そういう出会いがあるんですねぇ」「ほぉ、そういうことがきっかけになるんですね」などとやはり身を乗り出して楽しそうに聴いています。


「学生時代の研究テーマに近いことが出来そうな会社だったから」
「学生時代のアルバイト先の先輩が先に就職した会社で、よく話を聴いていて、IT業界っていいなぁと思って受けたのです」
「早く自立しよう、自活できるようになろうととにかく"会社"というものに入ろうと思っていました」
「ITって世の中のいろいろなことに関わる技術だから、面白いだろうなと思って飛び込みました」


皆さんの職業の原点は、実にさまざまです。


原点を語るのは、自分の歴史を思い出すようでとても楽しい気分になってくるようです。一人3分と時間の目安を示しても、たいていの方がオーバーしてしまいます。しかも、「原点」を語ってください、と伝えているのに、ほとんどの方が「・・・という流れで今に至る」と現在までのストーリーで語ります。

自分のことを語るのは気持ち良いものですし、他者が真剣に聴いてくれるので、とてもすっきりする効果もあります。


原点を語っていくと、「私の初心はこれだったな」「最初の志はここにあったな」と思い返すことができ、今の自分と比べて、「意外にずれていない」「ちゃんと原点から"軸"はあったぁ」などと、自分の仕事を見つめなおすことができるようです。


出版社に勤める30代の友人がこんな話をしてくれました。


「高校生が職場見学にやってきました。職業のイメージを持つために、いろいろな業界の見学を授業の一環でしているとのこと。私は3人の高校生をエスコートしながら、この部署は、編集部で、ここは販売で、ここは・・・と案内しました。特に、所属部門である販売の仕事についてはより丁寧に説明しました。実は最近、仕事に対して疑問に思うこともあって、モチベーションも下がり気味だったんですけど、高校生に自分の仕事を説明しているうちに、"ああ、私の仕事はこういう仕事だったんだ""私は、○○や××がしたくて、ここにいるんだった"と自分の原点を思い出すことが出来ました。高校生に"ありがとうございました"と言われましたが、私の方こそ"ありがとうございました"という気持ちになりました」


彼女は、自分の仕事を他者に語りながら、自分の原点や仕事への想いを再確認できたそうです。やる気も再燃し、自分のしていることの意義を再認識できたとも言います。


毎日が忙しいと、自分が何のために仕事をしているのかという意識はつい薄れてしまいがちです。朝起きて、通勤して、1日の仕事が始まり、いずれ終わり、帰宅して、「ああ、早く週末にならないかなー」と思いながら金曜を迎え、日曜には「サザエさん症候群」(※1)になってまた月曜を迎える。その間、多くの課題に取り組み、困難を乗り越えてはいるものの、自分が「何をしたくて今ここで働いているか」ということは考えずにただ日々が過ぎ去っていきます。そして、気づけば年末がやってきます。「今年もなんだかとても忙しかったなぁ」と思いつつ、数日で新年を迎え、また同じサイクルが始まってしまいます。


でも、時々はちょっとだけ立ち止まり「私の原点は何か」「何がしたくてここにいるのか」を考えてみるとよいと思うのです。そうすれば、自分の働く意義が明確になってくるはずです。


セミナーの最後に、ある方がぼそっとこうおっしゃっていました。


「自分がこうやってキャリアの棚卸をしてみただけで、ずいぶんすっきりしたし、リフレッシュできた。うちのプロジェクトメンバだって同じようにいろんなことを考えているはず。仕事に対する想いとか考えなんかをもっと聴いてみなくてはいけないなぁ」


誰もが自分の仕事について語るうちに明るい表情になるのを見ながら、自分のためだけでなく、プロジェクトのメンバにもこの「原点回帰」を促してみていただきたいなぁと思いました。


あなたの仕事の「原点」は何でしょうか?


※1) 「サザエさん症候群」・・・日曜夜18時半になると、「ああ、また明日から仕事かぁ」と憂鬱になることを指します。Wikipediaにも載っています。


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日本プロジェクトマネジメント協会主催「PMシンポジウム2014」において2014年度に表彰制度が新設され、私、田中淳子は「優秀講演賞」を受賞しました。
毎年PMシンポジウムで2.5時間のセミナーを担当してきた結果を認めていただき、大変光栄に思います。 


*表彰制度や授賞式の模様はコチラ です。

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【関連コース】
グローバルナレッジネットワークでは、プロジェクトマネジメント関連コースを多数開催しています。

【PDU対象】【現場体験型】ステークホルダーを動かすあの手この手 ~プロジェクト成功の鍵~


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田中 淳子 (たなか じゅんこ) プロフィール

グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、リーダーシップなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。2003年からは、企業の「OJT支援」に力を注いでいる。
【ブログ】
 ・ITメディア オルタナティブブログ「田中淳子の"大人の学び"支援隊"!
【著書】
 ・NEW) 『ITマネジャーのための現場で実践! 若手を育てる47のテクニック』(日経BP社)
 ・NEW) 『本物の自信を手に入れる! セルフファシリテーション』(ダイヤモンド社、共著)
 ・『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』(日経BP社)
 ・『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(日経BPストア)
 ・『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)
 ・『田中淳子の人間関係に効く"サプリ"-職場で役立つ30のコミュニケーション術』(アイティメディア)

【連載】
・アイディメディア 誠Biz.ID 「上司はツラいよ
・@IT自分戦略研究所 「田中淳子の"言葉のチカラ"

[キャリア大人の学び][2015年1月 5日配信]

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