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わくわくヒューマンスキルコラム
第99回:成功要因を探るための会話
執筆:飯嶋 秀行

最近、ある資格試験に合格しました。その成功要因を探るためにセルフコーチングをしてみました。セルフコーチングとは、自分自身をコーチングするために、自問自答形式で自分と会話することです。


「今回、資格試験に合格できた要因は何だったか?」
「試験の傾向と対策がうまくいったということはあるな」


「具体的にはどんな行動をしたのか?」
「どのような出題がされるのか、出題傾向を分析して、できるだけ本番試験に近い環境で何度も模擬試験を繰り返した。出来なかった問題については、どうしたら正解を導けるようになるか、そのために必要な知識をテキストの該当する箇所を参照しながら勉強した」


「そうそう、本番試験に近い環境で繰返し問題を解いたことが効果的だった。じゃあ、本番試験に近い環境を作るために役立ったことは何だろう?」
「えーと、すでに成功体験を持っている人に教えてもらうことが役立った。この試験についてはまったくゼロからの勉強だったので、教材の選び方、勉強方法など、合格体験を持った同僚に質問して、アドバイスをもらえたのが良かった」


「特に役立ったアドバイスは何だったか?」
「そうだなー、勉強を始めた頃、試験範囲の知識は膨大で、これではとても暗記できないと弱気になっていた。あの時、丸暗記することはあきらめて、模擬試験中心に勉強した方が良いというアドバイスが新鮮だった」
「ある程度、基礎知識を学習した後は、できるだけ本番環境に近い問題を解いて、正解できなかった問題は、テキストの該当する箇所を参照して読み込む。同じような問題が出たら、確実に正解できるようにしていく。その作業を繰り返した」
「そして、テキストの該当する部分を読む時は、なぜその選択肢が正解と言えるのか、自分の言葉で他の人に説明できるレベルまで理解するようにした」


ここまでの自分との会話から、成功要因として、以下の点が見えてきました。
・経験の無い分野に関しては、すでに成功体験を持った人に質問して、アドバイスを受けること
・目標達成(今回は試験合格)に効果的な行動を明確にして、できるだけ本番に近い環境で繰り返し練習すること


「試験勉強の間、一番苦労した点は何だっけ?」
「そうだな、どの教材で、どのように勉強すればよいかはアドバイスをもらって分かったけれど、忙しい仕事の合間をぬって、勉強時間を確保することが大変だった。特に最初は、分厚い教材を前に、なかなかヤル気が出ず、まったくモチベーションが上がらなかった」


「モチベーションを上げるために、役立ったことは?」
「上司から指示されて取り組んだことだったので、なぜ自分がこの資格を取得しなければならないのかという意味づけをするところから始めた」


「意味づけって、具体的には?」
「この資格を取得すると、どんなメリットがあるのか?自分自身が本当にやりたいこと、自分のビジョンと関連づけて考えた。すでに資格を取得して活躍されている方の話を聞くことも役立ったな」


「えーと、意味づけ以外に役立ったことは?」
「"締切効果"があった。自分で受験日を予約する試験なので、受験日を設定してからスイッチが入った。なんとなく勉強していると、だらだらしてしまいがちだけど、締切日が決まって、残り時間が明確になれば、もうやらざるをえない状況になったんだ」
「それまでは、テレビを観るとか、遊びに行くとか、他のこともやりながら、隙間時間で勉強していた。でも、どう考えてもそれでは残り時間が足りないことが分かったので、締切日を設定してからは、試験勉強以外のことは止めて、試験勉強に集中できた」


「受験日を決めたこともあるけど、実はもう一つ締切効果があった。合格することを他人に約束したんだ。社外の勉強会の仲間が同じような時期に資格試験にチャレンジしていて、次回の勉強会で会う時には、お互いに、笑顔で合格の報告をできるようにしましょうと約束した」
「人に約束すると、今度会った時に、やっぱりダメでしたとは言いたくないので、約束を守らなければという気持ちになった。お互いの成功を応援し合うという関係になれた。その人と何度かメールのやり取りをしたけど、その時の応援メールは今でもとってある。時々読み返して励まされた」


自分との会話を続けることで、別の視点からの成功要因も見えてきました。
・なぜその目標にチャレンジするのか、自分の本当にやりたいビジョンとの関連を意味づけること
・締切日を決めて逆算で残り時間を意識して行動すること
・今やるべき最優先の課題に自分の持ち時間という資源を集中すること(選択と集中)
・目標達成に向かって行動することを他人に約束すること(コミットメント効果)


いかがでしょうか?失敗した時に反省をすることも大事ですが、成功した時にこそ、成功要因を探るための会話が効果的だなと感じています。 成功するための望ましい行動を今後も継続することに役立ちます。セルフコーチングなら、自分ひとりで手軽に試すこともできます。


あなたがリーダーの立場であれば、部下が成功した時に質問することで、成功要因を明確に意識させることもできます。

成功要因を探る会話にはコーチングのスキルが役立ちます。セルフコーチングや対面のコーチングについては以下のコースで学ぶことができます。


ビジネス・コーチング(HSC0039G)2日間

マネジメント・コーチング(HSC0040G)2日間

[コーチング][2013年12月18日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第98回:つらいフィードバックを受け取ったら・・・?
執筆:岩淺 こまき

ある企業で事務職として働いている友人が、こんな話をしてくれました。


職場でマネージャ層向けの360度評価があった。部署の共有フォルダに評価結果が記されたファイルがあり、なぜかマネージャではない自分への360度評価もあった。思わず開いて1シート目をみたら、隣の男性社員から自分へのフィードバックだった。そこには、「○○さんは感情豊かなのはよい。明るいときはよいが、嫌なことがあったときにネガティブなオーラを出し、周りに悪影響をあたえるのをやめてほしい」と書いてあった。息が止まるくらいショックだった・・・。


友人は「他人様に迷惑だけはかけずに生きていこう」を信条としていたので、自分が周囲に迷惑をかけていたことに大きなショックを受けたのでした。私は、友人の気持ちを察しつつ、その後どうしたのかを問いました。友人は言いました。


はじめはその隣の男性社員に対して、「あなたには言われたくない!」と思った。でも、迷惑だというのは、彼にとっての事実だから、迷惑をかけたことは申し訳ないと反省した。だから、普段の自分の仕事の仕方を振り返って、彼に影響を与えそうな言動を洗い出し、それをやめようと思った。そして「①私語は慎む」「②嫌なことあってもため息や独り言「やだなー」を言わない」を実践することを決めた。


そのあと友人は、2つの行動を死守しました。結果、隣の男性社員については表面上、あまり変化が見られませんでしたが、職場では2つの変化に気づきました。「集中しやすい職場になった」「上司との関係が良くなった」のです。ため息や愚痴を言わなくなったことにより、上司がフォローしようという気持ちになったのかもしれません。友人は「もっと早くやればよかった。自分もため息なんてつかなくても平気だって分かった。今となってはフィードバックがあってよかった」と言っています。


この話を聞き、私が友人のことを「スゴイ!」と思ったポイントが3つあります。



  1. 予想外かつ、不本意な改善のフィードバックを受け止める「謙虚さ」

  2. 今までと違う行動をとる「勇気」

  3. 行動をとり続ける「根気」


特に①が素晴らしいと私は思いました。人は改善のフィードバックに対して、拒否反応を示しやすいものです。「そんな言い方ないでしょう?」や「あなたには言われたくない」と、本質とは異なる部分でフィードバックを捉えてしまうのです。仮に、一旦は受け止めたような「ふり」はしても、「自分の行動や考え方が正しい、あなたの方が変わるべき」という頑固な考えに捉われて、フィードバックを否定するケースもあります。


友人が、そのまま自分のふるまいを変えなかったら、どうなったでしょう。恐らく、隣の男性社員のストレスが増し、上司との関係は変化なし。態度を改めない友人に、周囲が「この人は何をフィードバックしても変わらない」と諦めモードになり、友人と積極的に関わりたくない人が増えてくる。友人自身はそれによってさらにストレスを抱えてしまう。負のスパイラルが始まって、悪い関係性が強化されていきます。


改善のフィードバックは、内容が真実かどうかはさておき、言っている人からすれば「事実」です。深呼吸して、一旦は受け止めるとよいと、私は思います。そして伝える側は相手が受け止めやすいように、タイミングや表現方法を整えて伝えることも大事です。例えば人格ではなく、「行動」に焦点を当てて伝えます。冒頭のフィードバックを「○○さんは嫌なことがあったときに、ため息や独り言「やだなー」を言う。それに左右され自分も嫌な気持ちになる」と言えれば、相手も受け取りやすくなります。


フィードバックを受けた時の対処法も、フィードバックを与える時の表現も、どちらも少し変えてみることができれば、チームや人間関係によい効果をもたらすはずです。


岩淺 こまき (いわあさこまき)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント。
1997年、システム販売会社に就職し、営業技術支援および導入企業向けの研修を担当。
人材紹介会社にて中途入社社員に対する研修や、メーカーでの販売促進セミナーの企画・実施を経て2007年より現職。 プレゼンテーション、ファシリテーション、講師養成講座などヒューマン・スキル研修の開発・実施に当たっている。

ITproにて「おさえて安心 ビジネスマナー100」連載中。
アイディメディアにて「岩淺こまきのオン/オフで使えるプレゼン術」「明日の私を強くするビジネス元気ワード」公開中。

[大人の学び後輩指導・OJT][2013年11月25日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第97回:凄いプレゼン!
執筆:高橋俊樹

2020年のオリンピックの開催地が東京になりましたね!その際に行われた東京招致の最終プレゼンテーションが、とても素晴らしいと様々なメディアで取り上げられていたことはご存知の方も多いと思います。


日本のプレゼンテーションは、評価者の最終決定にかなりの影響を与えたと言われています。ちなみに東京オリンピックの直接的な経済効果は一説では3兆円だそうです。極端ですが、プレゼンテーションの成果が評価者の東京開催決定への判断の後押しをさせたとすると、9人のプレゼンターで割ったら、1人3300億円位の経済効果を背負ったプレゼンテーションだったという見方ができます。


プレゼンターもオリンピック開催による経済効果について認識していたでしょうから、緊張して頭が真っ白になったり、声が震えたり、表情が強張ってしまったりしてもおかしくない状況だったのではないでしょうか。


実際には、どのプレゼンターも緊張している様子や、原稿をただ読みあげるような印象もほとんど感じさせませんでした。外国語が苦手な私が言うのもおこがましいのですが、日本人として見ていてとても誇らしい気持ちになりました。

終始笑顔を絶やさず、聞き手をしっかりと見ながら話をされていて、その人の言いたいことや想いがよく伝わってくる素晴らしいプレゼンテーションだったからです。

きっと当日を迎えるにあたって、「伝える内容」はもちろん、「話し方」についても、話す際の表情や態度、しぐさに至るまで専門家の指導の下、相当な練習を積み重ねた結果だろうと思います。改めてプレゼンテーションの効果ってすごいなと実感させられました。


とても話題にのぼった国民的ニュースなので、これをきっかけにプレゼンテーションって大事だよね、学びたいなと考えた方もいると思いますので上達のためのちょっとしたヒントをご紹介します!


「内容と話し方はバランスよく磨く」
当然、どちらも大事なのですが、一般的にはどちらかに偏っている方が多いようです。例えば、話すのが苦手な人は「資料を作りこむ、修正する作業で一杯一杯」「話は苦手なので資料さえできていれば何とかなる」。話すのが得意な人は「内容はなくても話し方でカバーする」「資料はなくても平気」などです。内容がどれだけよくてもそれを伝えられなければダメでしょうし、中身のない内容を上手な話でごまかすにも限界があります。両方をスキルアップさせることが大切です。

「プレゼンテーションは日常で実践」

仕事ではあまりプレゼンの機会はありませんという方もいらっしゃいます。さすがに私達の仕事ではオリンピックのような何千億を背負った大掛かりなプレゼンテーションは少ないかもしれません。しかし、お客様へ仕様を説明する、社内で承認を得る、リーダーにお願いするなどのコミュニケーションもプレゼンテーションの一つと捉えると、大小問わず機会はたくさんあるはずです。特に話し方や立ち振る舞いはこれまでの癖がついていますので、一朝一夕に直せるものではありません。日常のコミュニケーションの中においても、話をする際はプレゼンテーション・スキルを意識して実践することが上達への近道です。


「研修を受講する」
以上に加えて大切なことは、「早いタイミング」で学習し、「専門家」に見て貰う事です。プレゼンテーションについてきちんと学習したことがある人は意外にも少ないものです。しかし、組織の中での自分の立場が上がれば上がるほど、利害関係者は増えます。すると当然話し方によって相手に与える影響の範囲も広がります。できるだけ早いタイミングでスキルを習得することが大切です。


自分のプレゼンテーションは専門家など第三者に見て貰うと多くの気づきがあります。資料は社内でも周囲の人が的確なフィードバックをしてくれるものですが、話し方はその人のコミュニケーションに依る所が大きいためか、改善した方がよいと思っていてもなかなかストレートに言ってくれる人がいないからです。自分が他者からどのように見えているのかを把握しておきましょう。


宣伝のようになってしまいますが、プレゼンテーションをブラッシュアップしたいと思ったならぜひ、研修受講を検討してみてください。


かくいう私も先日、13年ぶりにプレゼンテーションの研修を受講しました。
プレゼンテーションやインストラクションすることが仕事なので、分かりやすく伝えるように常に気を付けているつもりです。しかし、受講してみると無意識にちゃんと出来ているものもあれば、意識しているのにまだ改善の余地があるもの、すっかり染みついてしまった癖などが新たに発見できました。いつもの同僚の講師ではなく、お互いに初めて研修で知り合った講師や受講者からのフィードバックには新たな視点があり、とても新鮮で良い機会になりました。


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グローバルナレッジのプレゼンテーション研修は、皆様の学習したい領域に応じたカリキュラムになっています。資料の企画・作成に特化した2日間と、話し方に特化した2日間をご用意しています。
皆様のご受講、心よりお待ちしております。

【PDU対象】プレゼンテーション・スキル 企画・作成編 ~ロジカルな構成と説得力ある資料作成~

【PDU対象】プレゼンテーション・スキル 実施編 ~わかりやすい話し方と相手を動かす説明力~


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高橋 俊樹(たかはし としき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント/産業カウンセラー
1991年、自動車メーカー、営業担当者向けの教育の企画・実施を担当
その後テレマーケティング会社を経て2001年より現職
ヒューマン系講師として新入社員から管理職まで幅広く人材育成支援に当たっている
2010年4月まで日経BP、ITproのselfupで「コミュニケーション・スキル講座」を連載

[プレゼンテーション][2013年10月25日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第96回:望ましくない行動を減らす質問
執筆:飯嶋 秀行

先日雨の中、旅行に行く家族を、最寄りの駅まで車で送っていくことになりました。車を玄関先に回して待機していた私が、大きなカバンとともに、慌てて乗り込んできた家族に、
「忘れ物はない?」と質問すると、
「ありがとう、大丈夫よ」との答えが返ってきました。
 ところが、駅まで送り届け、自宅に戻ってみると、玄関先で待っていた妻から、「今電話があって忘れ物をしたので、申し訳ないけど駅まで届けて欲しい」と言われました。再び急いで駅まで戻り、忘れものを届けることになりました。私が確認のために行った「忘れ物はないですか?」という質問は残念ながら効果がありませんでした。
 
「忘れ物はない?」と質問されて、「大丈夫」と答えたものの、会社に行ってみると忘れ物をしていることが発覚して困ったという体験が私にも何度かあります。
忘れ物をした直後は、ショックが大きく、自分の軽率な行動を後悔し、もう二度と忘れ物をしないぞと固く決意するのですが、しばらくすると、決意したことを忘れてしまい、再び忘れ物をしてしまうこともあります。
 では、どうしたら忘れ物を防ぐことができるでしょうか?「もう二度と、忘れ物はしないぞと固く決意する」など、意志の力に頼るのみでは、再発防止策にはなりません。
 「忘れ物をする」という望ましくない行動が起きないように、具体的な対策が必要です。


 先日、このテーマでコーチングする機会がありました。
「お恥ずかしい話なのですが、最近、仕事で必要な書類を自宅に忘れてしまい、お客様先で大失敗をしました。私の注意が足りないといえば、それまでなのですが、せっかくコーチングしてもらうなら、このテーマでコーチングしてもらい、二度と忘れものをしないように対策を考えたいです」
「なるほど、忘れ物をしないように、対策を練りたいということですね。どのような時に忘れ物が発生しますか?」
「どのような時と言いますと?」
「○○さんは、いつも、いつも、忘れ物をするわけではないですよね」
「ええ、たまにです」
「その"たまに起きる時"は、どのような要因が重なった時なのですか?」
「いつもとは違った行動をしたときに起こります。例えば、荷物が多くなり、いつもとは違う鞄に入れ替えをした際などに、忘れ物をしやすいです」
「なるほど、鞄を変えた時ですね。他にはどうですか?」
「会社の仕事を自宅に持ち帰って作業した時ですかね、机の上に書類を広げて作業した後に、鞄に入れ忘れることがありました」
「いつも使っている鞄の中身をさわらない時はOKで、鞄そのものを入れ替えたり、鞄の中身を机に広げて作業したりしたときに、起こりやすいということですね」
「そうです」
「だとしたら、そのような要因が重なった場合でも、忘れ物をしないようにするために、どんな工夫が考えられますか?」
「どんな工夫?そうですね。鞄を入れ替えることはめったにないのですが、その際は、基本的に必要な物が漏れていないか、目視で確認すれば防げると思います。問題は自宅の机に書類を広げて作業した時ですね」
「忘れ物をした際は、机の上はどんな状態だったのですか?」
「そう、書類が乱雑に広げられていて、重ねて置いてある状態でした。つまり書類が山積み状態になっているときに、その下に大事な書類が紛れ込んでいたケースがありました」
「それって、どうしたら、防げるのですか?」
「うーん、机の上に書類が山積み状態になっているからいけないのであって、そもそも、書類は本棚に立てかけてあって、机の上には書類が何も無い状態が実現できればいいですよね」
「そうですね。今、机の上はどうなっていますか?」
「いくつかの書類が常時、平積み状態になっていて、整理されていないですね」
「望ましい状態は?」
「机の上には、ノートPC以外のものは何も置いていない状態がベストです。机の上がノートPC以外何も載っていない状態を目で確認できれば、机に広げた書類を鞄に入れ忘れることはなくなると思います」
「会社に出かける際に、机の上を目視して、ノートPC以外何も載っていない状態を確認できれば、忘れ物がない状態をチェックできるということですね」
「そうです、シンプルですね。今日帰ったら早速、机の上を整理して、ノートPC以外何もない状態を実現します。気持ちがすっきりしました。ありがとうございます」


「忘れ物をする」という望ましくない行動を減らしたい場合、「もう二度と忘れ物などしないぞ」と決意するだけでなく、その行動が起きやすい環境を改善する必要があります。今回の例でいうと、日常的に机の上にノートPC以外何も無い状態を作るということです。
環境を改善することで、望ましくない行動の発生頻度は低くすることが可能です。
このとき「二度と忘れ物をしないように」と指示命令するのではなく、他者が質問して、本人に考えてもらい、自分で考えた複数の選択肢の中から自分で選んでいる状態を作ることで、その改善のための行動は起きやすくなります。

冒頭の旅行の忘れ物のケースでは、出発直前のギリギリのタイミングではなく、緊急度が低い前日のうちに、コーチング的な質問ができたら防げたかもしれません。


 部下の行動を改善するための、効果的な質問については、以下のコースで学ぶことができます。


ビジネス・コーチング 2日間

マネジメント・コーチング 2日間

[コーチング][2013年9月17日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第95回:自信はどこから湧いてくるのか
執筆:田中淳子

「自信がないんです」という相談を受けることがあります。「もっと褒めてほしい」「頑張っていることを認めてもらいたい」という声も聴きます。この気持ちはすごくよくわかります。誰かに褒められたい、誰かに認めてもらいたいと考える、こういった声は私の中にもあります。


「自信はどこからやってくるのだろう? 誰かに褒められたら、周囲に認められたら確固たる自信を得られるのだろうか?」 このテーマについてずいぶん長いこと考えてきました。たとえば、上司が私を褒めまくってくれたら、それで「おお!私は大丈夫だ。OKだ!」と自信満々になれるものなのだろうか。ちょっと違うような気がしていました。


どうやれば自信が得られるのか。他者からの褒め言葉や承認に頼らず、何かもっと核となるものが必要なのではないだろうか。そう考えていた中で自らの経験で気づいたことがあります。


ここ数年、ちょっとずつ太ってきました。体重も体脂肪率も今までにない数字を叩きだすようになりました。それが私にとっては受け入れがたい事実として目の前に迫ります。周囲から「太ってないよ」と言われても、自分が自分で許せないわけです。加圧トレーニングやジムに行くなどいろいろ試しましたが、効果につながりません。些細なことですが、自信を喪失するには十分な事態です。


そんな時、甥っ子の4歳の誕生日がありました。イキイキと前向きにさまざまなことに挑戦しながら生きている彼を見ていて、「それに引き替え、私は何をしているんだろう?」と落ち込みました。その日、決意しました。「じっくり成果が出ると言われているウォーキングを始めよう」と。甥っ子の誕生日の翌朝から歩き始めました。


それから3ヵ月、ほぼ毎朝、早朝ウォーキングをしています。朝4時半自宅出発です。開始時は6時出発だったのですが、歩いている都立公園で5時45分からラジオ体操をしていることに気づき、それに間に合うよう5時半出発に変えました。その内、ラジオ体操で終わるほうが効率よいと思い、4時半から歩き、仕上げにラジオ体操をしてすっきり帰宅。これでもまだ6時15分くらいですので、朝の支度ものんびりできます。大雨でなければ毎日です。1時間半くらいで8km~10kmほどになります。ウォーキング用の靴、ウェア、帽子などもたくさん買いそろえました。何冊かの本も読み研究しました。


開始して11週間目まで体重にも体脂肪率にも何の変化も訪れませんでした。途中でなんどか落ち込むこともありましたが、Facebookなどでそういう嘆きを書き込むと、大勢が「効果が出るのは3ヵ月から!」と励ましてくれました。


諦めずに続けていたら、12週目に入った頃、すとんと落ちたのです。体重と体脂肪率。気づけば背中についていた贅肉もかなり削ぎ落ちました。脚も細くなりました。最初は筋肉痛になっていた全身が10kmほどのウォークでは難なく続けられるようになりました。


肉体の変化は精神の変化をもたらしました。「私にもできる」「私にもできた」。毎朝ただひたすら歩いているだけです。何をしているわけでもありません。ただただ続けました。そして、3ヵ月経過して効果が表れ始めました。


この経験から悟ったことがあります。
自信はどこから来るのか。他者の言葉からではない。自分の内側から湧いてくるものだということを。


自分がしたことの中からしか自信は生まれないのだ。ただ、褒めてほしい、認めてほしい、励ましてほしいと思っていてもそういう外側からの刺激だけでは自信は生まれてこないのです。自分がして、自分でできるようになったことから自信は生まれてくる。その時、周囲が「頑張っているね」「よくやった」「いいね!」と言ってくれることは、スパイスのようなもの。もちろん励みにはなりますが、メインではない。


何かに「自信がない」と言う時、いつまでも悶々とその「自信のなさ」を見つめていても何も始まらない。それより、一歩でも前進したほうがいいのだとこの経験から気づきました。


今の私は、私がこれまでに選択してきたすべてのものでできています。太ったのも体力が落ちたのも私が選択してきた行動の結果です。自信がないのも自分が選択した結果生じた事態です。これを克服するのは自分の行動でした。


折角成果が出始めたのでこれからも継続します。ただひたすら一歩前へ、一歩一歩前へと進んで行きます。


信頼される社会人になるための基礎講座 ~自ら学び、成長し、貢献する~


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田中 淳子 (たなか じゅんこ) プロフィール
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。
1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。
コミュニケーション、リーダーシップなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。企業のOJT制度支援は10年に及ぶ。

【ブログ】
・アイティメディア オルタナティブブログ「田中淳子の"大人の学び"支援隊"!
【著書】
・(NEW)『ITマネジャーのための現場で実践!若手を育てる47のテクニック』(日経BP社)
・『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』(日経BP社)
・『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(電子書籍、日経BPストア)
・『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)
・『コミュニケーションのびっくり箱』(電子書籍、日経BPストア)

[信頼される社会人になるための基礎講座][2013年8月26日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第94回:失敗した時の気持ちのコントロールどうしていますか?
執筆:岩淺 こまき

 このところ、立て続けに失敗をしました。プライベートでは友人との約束を守ることができなかったこと、仕事では思ったように成果を出せなかったり、周囲とうまくやりとりできなかったりしたことがありました。


 私は失敗すると、自分の至らなかった点や駄目な点ばかりを考えるなど物事をネガティブに捉えてしまいがちなので、必要以上に落ち込む、悲しむなど後悔ばかりしてしまうことがあります。そうすると、精神的な余裕や時間を消耗するだけでなく、「また失敗したら、うまくいかなかったら・・・」と仕事に着手するタイミングの遅れなどにもつながります。さらに成果に対しても「この程度しかできなかった」という低い自己評価になりやすく、ますますネガティブな感情になってしまうのです。このような状況が繰り返されると、最終的に「やはり自分は仕事ができない」「この仕事に向いていない」という気持ちになり、「学習性無力感(努力しても報われないので、何をしても無駄)」を学習した状態になってしまいます。


 そもそも、問題が起こった際の捉え方は、人によって異なります。出来事に対してポジティブに捉える人もいれば、ネガティブに捉える人もいます(人によっては原因を他責で考えて、怒りがわいてくる人もいるようです)。ネガティブになることは決して悪いことではありませんが、その状態から早く抜け出すためのコントロールの仕方を自分なりに持っておくことが大切です。気持ちを早く切り替え、浮上することができれば、イライラしたり、焦ったりすることもなく、次の行動を早く起こせるようになります。


 ネガティブに捉えがちな私が、早く気持ちを切り替えるために考えたアイディアや、周囲の人から教えてもらって実際に効果のあったものをご紹介いたします。


●身体を動かす
 ・3回深呼吸する。緊張状態になっているので、少し和らげる効果がある
 ・いつもと違う行動をとる。通勤ルートを変えたり、いつも行かないお店でランチする

●心情を吐き出す
 ・今の気持ちを思いつくまま書き出して発散する。論理性は求めなくて良い
 ・集中して感情にひたる。泣いても落ち込んでもよい。ただし時間を決めて守る
 ・心の中のネガティブ感情をむしり取って、机の上におくイメージを持つ。
  これをイメージすることで、自分とネガティブ感情を「切り離した」と、納得させる。
  その上で冷静に問題解決に向き合えると割り切り、後で蒸し返さないようにする

●違う視点で考える
 ・自分に良い影響を与えた書籍や人を思い出してみる
 ・1ヶ月後の自分からアドバイスをもらうとしたら、と考えることが客観視を助ける
 ・他人にアドバイスを求める


 いかがでしょうか。「自分はこれ」という手段があるならそれだけでもよいでしょうし、いくつか手段を用意する、組み合わせて使ってみる、上から順番に試してみるのもよいでしょう。その時の状況やタイミング、考えていることによって、効果のある手段は変わってきます。ただし、どのような手段を取っても最終的に目指すのは下の2点です。

  1. 感情に折り合いをつけ、現実を認識すること
  2. 次の行動をとること

 色々考えているのに、結果的に「無力感」を学習してしまうなんて、人生がつまらなくなってしまいます。そのようなことを学ぶ前に、気持ちの切り替え方を学んだ方がよい。1分でも1秒でも早く、次に集中して取り組めるようにしたいものです。


 さて、今回失敗続きの私は、どのように自分をコントロールしたのかというと、心情をはき出して、ある書籍の力を借り、自分で感情に折り合いをつけ、「次はこういう風にする」と決めた内容を人に話ました。そして今日も元気に仕事をしています。


~ご案内:ブログ始めました~

職場で感じるストレスの原因は、人間関係によるものが多いそうです。本ブログでは、某企業の若手社員「私」の困ったり悩んだりした毎日を舞台に、仕事や物事がより円滑に進むようなコミュニケーションのヒントをご紹介します。「私」を自分に置き換えてもよし、「私」にアドバイスをするつもりで読んでもよし。「ちょっと試してみようか」と思って頂けるように書いていく予定です。
■明日の私を強くするビジネス元気ワード


岩淺 こまき (いわあさこまき)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント。
1997年、システム販売会社に就職し、営業技術支援および導入企業向けの研修を担当。
人材紹介会社にて中途入社社員に対する研修や、メーカーでの販売促進セミナーの企画・実施を経て2007年より現職。 プレゼンテーション、ファシリテーション、講師養成講座などヒューマン・スキル研修の開発・実施に当たっている。
ITproにて「おさえて安心 ビジネスマナー100」連載中。
アイディメディアにて「明日の私を強くするビジネス元気ワード」公開中。

[チームワークと
フォロワーシップ
][2013年7月18日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第93回:「やってみて 言って聞かせて」・・・その先にある言葉
執筆:高橋俊樹

このコラムを書いているのは、2013年元日から175日目にあたる日です。気が付けば1年の半分に近い月日が経ちました。6月~7月にかけてのこの季節、頭に思い浮かぶことは何でしょうか?私は、「ジメジメ」「傘」「もうすぐ夏だ」などの他に、「配属」というキーワードが思い浮かびます。この季節は、特にIT企業では新入社員たちが現場に配属される時期です。新入社員を迎え入れるためのOJT研修実施のご依頼や打ち合わせが増え始めると、ああ、今年も半年経ったなぁと実感するのです。

職場にフレッシュな新入社員たちを迎え入れるのは楽しみな反面、受け入れ態勢や接し方などで不安に思っている方も多いと思います。そこで今回は、そのような時に是非思い浮かべて頂きたい、素敵な格言をご紹介します。


「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」


太平洋戦争時、第26、27代連合艦隊司令長官だった山本五十六の言葉です。(米沢藩の9代藩主であった上杉鷹山の言葉を参考にしたと言われています)この格言は現代においてもOJTで新入社員を指導・育成する際の接し方のヒントとして適用できます。


私が新入社員の時のことです。自動車メーカーに勤務していた私は、現場を知るための研修の一環として、販売店へ出向を命ぜられました。販売店ではすぐに顧客リストと電話スクリプト(会話の流れが書いてあるもの)を渡され、電話をかけてアポの約束を取るように指示されました。しかし、その内容にとても抵抗があり躊躇していると、「確かに、スクリプトを見ると抵抗があるかもしれないが、実際はそうでもない。俺がまずやるから」と上司がお手本を見せてくれました。そして見事に、一件目の電話でお客様のアポを獲得したのです。その後、ポイントやコツを分かりやすく教えてくれ、私が電話をかけている時は横で細かくメモを取り、良い点や改善点を指導してくれました。4件目位だったと思いますが、ようやく私もアポを獲得することができました。上司は満面の笑みで「やればできるだろ?今のはとても流れが良かったぞ」と褒めてくれました。これがとても自信につながったことは今でもよく覚えています。


「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」という言葉の通りの経験でした。これは先に手本を見せる指示の仕方の一つです。


山本五十六のこの格言は、とても有名なので「そんなの知っているよ」「聞いたことあるよ」と思われた方も多いとかもしれません。実はこれには続きがあるのです。
どのような言葉なのかというと・・・


「話し合い 耳を傾け承認し 任せてやらねば 人は育たず」


「やっている 姿を感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず」


指示するだけでも相手は「動く」かもしれませんが、言われたことしかできなくなる可能性があります。2節目以降で述べられているように、相手の考えや想いを傾聴し、受け止め、仕事内容によっては細かく指示せずに任せることもしないと、成長にはつながりません。


また、後の節は、OJT担当者の持つべき心構えとして読むことができます。私たちが相手を信頼しなければ、相手からの信頼も得られませんし、「できて当たり前」と思うのではなく、感謝の気持ちも忘れないようにしたいものです。そうすることで、部下や後輩が「動き」、「育ち」、「実る」のです。


この格言の中には、私達がOJT研修でお伝えしている考え方やスキル、きちんと網羅されています。先人の言葉にはとても重みがあると同時に、真理が簡潔にまとめられているものだとあらためて感心しました。


皆さんも、若手のOJTを始めとして、部下育成や後輩とのコミュニケーションで悩むことがあれば、一度、この言葉と自分の言動を照らし合わせてみて下さい。解決のヒントが見つけられるはずです。
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高橋 俊樹(たかはし としき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント/産業カウンセラー
1991年、自動車メーカー、営業担当者向けの教育の企画・実施を担当
その後テレマーケティング会社を経て2001年より現職
ヒューマン系講師として新入社員から管理職まで幅広く人材育成支援に当たっている
2010年4月まで日経BP、ITproのselfupで「コミュニケーション・スキル講座」を連載

[コミュニケーションコーチング後輩指導・OJT新人社員研修][2013年6月24日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第92回:部下を動かすフィードバック
執筆:飯嶋 秀行

先日、子犬のしつけ教室で初めてドックトレーナーと呼ばれる方が、どのようにトレーニングするのか見学する機会を得ました。


トレーニングは、「人と犬が一緒に快適に暮らすためのマナーを教えること」から始まりました。例えば、無駄吠えをしない、甘噛みをしない、他の犬と仲良く遊べる、など、基本的なしつけを教えていきます。


ドックトレーナーは、犬をトレーニングしながらが、飼い主の方々に「ワンちゃんに、分かりやすくメリハリをつけて伝えて下さい」と伝えています。


「ワンちゃんが望ましくない行動をした時に、時間がたってから叱っても、何について叱られているのかが分かりません」
「例えば、甘噛みをしたその瞬間に、その行動は望ましくないということを伝えるために、"あっ!"と短く声を出すだけで良いです」
「ポイントは、その時に、思いっきり声のトーンを低くすることです」
「そして、その声で、ワンちゃんが甘噛みを止めたその直後、今度は、"いい子だねー"と頭をなぜながら、声をかけてください。その時には、思いっきり、明るく高い声のトーンで伝えます。このメリハリをつけることが大事です」


さすが、プロのドックトレーナーです。今まで飼い主がいくら叱っても直らなかった甘噛みが、トレーナーの指導で見違えるように改善していきます。


実は、今回のしつけ教室の目的は、プロのトレーナーによるしつけではなく、経験の浅い飼い主がトレーニングの方法を学んで、自宅で自分の犬にしつけができるようにすることです。 ですから、犬へのしつけ方の見本を示した後は、飼い主へのトレーニングが始まります。


ドックトレーナーのやり方を真似して、飼い主が同じことをその場で試してみても、トレーナーのようにはうまくいきません。飼い主の行動を観察した直後、トレーナーから飼い主へフィードバックがあります。
「もっと声のトーンを変えて!メリハリをつけないとワンちゃんには分かりませんよ」と、トレーニングの最後に、ドックトレーナーから参加者へメッセージがありました。
「この短い時間でもワンちゃんの行動は変わってきましたね。大事なのは、これからです。飼い主さんが今後も一貫した行動をとることが大事です。今日お伝えしたことを、粘り強く、根気よく、継続してください。そうすれば必ずよい習慣が身につきます」


教室が終わった帰り道、バスにゆられて「効果的なフィードバックの与え方」について考えました。


リーダーシップやビジネスコーチングのコースで、企業のリーダーやマネージャーの方々が職場で抱えている課題を共有することがあります。共有され た課題の多くが部下に対するフィードバックについての悩みでした。特に改善点を指摘するフィードバックについて、「何度も同じことを指摘しにくい」「年上の部下への伝え方が分からない」などの課題を感じています。


望ましい行動が定着するにはある程度時間がかかります。フィードバックはあまり溜め込まず、その行動の直後にタイミングよく伝えることです。そし て、マネージャーやリーダーとして、チームで成果を出す上で欠かせないことであれば、何度でも粘り強く継続してフィードバックすることも大事です。


もし、その必要性を理解していなかったり、納得していなかったりするメンバがいれば、チームが目指す方向性や、メンバに期待している行動について丁寧に説明して納得させる必要もあります。

 
ただし、伝え方には配慮が必要です。言っていることが正しかったとしても、受け取った側が、批判されたとか、攻撃されたと感じてしまうと、そのフィード バックは相手の内側に入っていきません。フィードバックの目的は、成果につながる望ましい行動を増やすことです。ですから、相手が納得して、自ら行動を変 えていかないかぎり効果が出ないのです。


部下や後輩のやる気を引き出しつつ、良い点をさらに伸ばし、改善点を自ら直してもらうためには、相手の行動や態度を良く観察して、継続的にフィードバックすることが大切です。


皆様の職場でも、相手にとって受け取りやすいフィードバックを交換することを意識してみませんか。


<人材育成担当の皆様へ>
人材育成のために、さまざまな研修を企画されている一方で、次のような課題もよく聞きます。
・せっかく研修を実施しても学んだスキルを職場の業務に落とし込めていない
・スキルを活用してみても、少し試してうまくいかないとあきらめている
・上司の協力を得られず、スキルを活用する場面をなかなか作れないでいる

部下にとって、成長を左右する職場の最大の環境は上司の存在です。上司と部下が、信頼関係を築きつつ、効果的なフィードバックを行うためには、ビジネス・コーチングが有効です。

無料セミナー「上司と部下も共に育つ環境づくり」では、ビジネス・コーチングを活用する方法をご紹介します。また、弊社のお客様でこの環境づくりに成功された事例もご紹介しながら、皆様と一緒に職場での適用方法を考えていきます。


上司も部下も共に育つ環境づくり(無料セミナー)
2013
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なお、以下の公開講座では、「上司も部下も共に育つ環境づくり」に欠かせないビジネス・コーチングの各スキルをステップ毎に学びます。

ビジネス・コーチング

マネジメント・コーチング




[コーチング後輩指導・OJT][2013年5月14日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第91回:内省するには他者の力が必要
執筆:田中 淳子

今年も各社で新入社員研修がスタートしました。2013年度の新卒新入社員も本当に優秀でまじめです。私たちバブル世代の新入社員時代とは全く違って、今は、礼儀正しく、前向きで勉強熱心な方が多く、感心します。とはいえ、新入社員。まだまだできないこともたくさんあります。

新入社員研修でグループワークをしました。5人一組で数日かけて成果を出すプログラムです。毎朝15分ほどの「ふりかえり」の時間を設けていました。講師からは振り返り方法についての指示を出さずにいたところ、興味深いことが起こりました。

まずは、「前日の反省」をし、「今日の目標」を打ち立てることになりました。しかし、その「今日の目標」自体をうまく実行できません。次の日、また「前日の反省」をします。「なぜ、昨日立てた目標通りにできないんだろうね」「経験したことを活かしていないからだよ」「今日は、経験をきちんと活かすようにしよう」「具体的には、すべきことを洗い出してから計画を立てるといいのではないか」「それをまずやってみよう!」といった会話が交わされました。そんな風に数日過ごしていくうちに徐々グループの成果が出始めます。前日の成功体験や失敗体験が次にきちんと活かされるようになってきたのです。

まさに「経験」から「学ぶ力」が日々醸成されているのを目の当たりにしました。単に過ぎたことを反省するのではなく、「どうしたらよいか」という仮説を立てて次のことにあたる。これを繰り返しているうちに納期や品質を守った成果を出すことができるようになりました。

この例を見て思うのは、「ふりかえり」というのは、一人でするよりも、他者を介在させたほうがより効率的でうんと効果があるということです。このケースでは、5人でわいわいがやがやと話し合っているうちに、「うまくいかない要因」「うまくやるための施策」が言語化されて固まってきました。

「ふりかえり」のことを教育の世界では、「内省」あるいは「リフレクション」といいます。「内省」(ここでは「内省」に統一します)を促すのに、実は他者の力がとても重要になってきます。

OJTの担当者の中には、「後輩が同じ失敗を繰り返すのが困る」「失敗から学んでほしい」と嘆く方がいらっしゃいます。どう対応しているか尋ねると、「失敗を繰り返さないようにしなさい」「自分でよく考えて物事に当たりなさい」と言っているようです。「考えなさい」「失敗しないようにしなさい」と指示命令されて改善されるなら簡単なのですが、当人もしたくてしている失敗ではないので、考えてみたけれど、結局また失敗した、ということになっているのだと思います。

人は自分自身の直接経験から学ぶ割合が70%もあるといわれていますが、単に経験すれば学び成長するわけではなく、成功だろうと失敗だろうとその経験をきちんと内省して、次につなげることが大切です。そのために、一人で黙々と考えることも意味はありますが、他者の力を借りて考ええればより深い気づきが得られます。人と話すことによって、自分の頭の中にあるもやもやしたものを言語化でき、自分の耳で再度とらえ直し、自分の考えを深めることもできますし、そもそも自問自答では思いつかなかった問いを他者からぶつけられ、異なる切り口で何かを発見することもあるからです。

上司や先輩がすべきなのは、「失敗しないように気をつけなさい」とか「自分でよく考えなさい」という命令文で叱咤激励することではなく、「どうしたらいいと思う?」「何がその原因になったんだろうね?」と問いかけ、当人に考えさせていくことです。「内省しなさい」という代わりに、部下・後輩が「内省するための支援」をするわけです。

「何が起こったの?」
「その時、自分はどう判断したの?」
「そのことで学んだことは何?」
「うまくできたと思うことは?」
「もっと上手にできたはず、と思うことは?」
「次回、どのような準備をしておけばいいのかな?」
「ほかに何か気付いた点はある?」

部下や後輩は、こう問われることで懸命に考え、仮説を立てられるようになります。立てた仮説を次の行動に反映し、同じ失敗を繰り返すことも減ってきます。

他者を介して行う「内省」は深い気づきと学びをもたらします。自分が内省したい時は、誰かに内省につき合ってもらえばよいのです。部下や後輩の「内省」にかかわることも躊躇する必要はありません。

私たちは誰に内省の相手をしてもらっているでしょうか。そして、誰の内省の相手になってあげているでしょうか。

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ダイヤモンド社が開発したDLL(ダイヤモンドOJT診断システム)の販売代理店として当社のOJT関連研修に組み込んで活用しています。

DLLは経験学習の研究でも著名な松尾睦氏監修のツールです。部下を持つ上司、若手の指導にあたるOJT担当者が、どのように指導しているか、指導についての長所と短所を分析するものです。そのDLLの結果を見ながら教え方の持論化を図ったり、課題については解決策を議論したりすることができます。グローバルナレッジでは、このDLLを使った「部下・後輩指導」の研修やセミナーを数多くご提供しています。

OJT担当者研修にDLLを組み合わせるだけではなく、「職場を挙げて人材育成をする風土改革を図りたい」という場合に全管理職がDLLを受検し、その結果を使いながら自分の経験を振り返るようなセミナーも提供可能です。ご興味のある方は、DLLのお試し受検ができます。(人事・人材開発ご担当者など、社内への導入検討の立場にある方に限らせていただきます)

詳しくは、担当営業、もしくは、こちらにお問い合わせください。
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<関連コース>
「後輩の教え方育て方」
「OJT担当者向けワークショップ」
「OJT担当者上司向けセミナー」
「OJT担当者向けフォローアップ」


田中 淳子 (たなか じゅんこ) プロフィール
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント。産業カウンセラー。1986年上智大学文学部教育学科卒。日本ディジタルイクイップメントを経て、現職。コミュニケーション、リーダーシップなどヒューマン・スキル研修の企画、開発、実施に当たっている。

【ブログ】
 ・ITメディア オルタナティブブログ「田中淳子の"大人の学び"支援隊"!」
【著書】
 ・『速効!SEのためのコミュニケーション実践塾』
 ・『速効!SEのための部下と後輩を育てる20のテクニック』(日経BPストア)
 ・『はじめての後輩指導~知っておきたい30のルール~』(日本経団連出版)

【対談連載】
・ITpro
「ヒューマンスキル特別対談 田中淳子×芦屋広太『行き詰まり感』を打開するコツ」

【連載】
(NEW!) ITmedia誠Biz.ID 「田中淳子の人間関係に効く"サプリ"

・ ITmediaエグゼクティブ「田中淳子のあっぱれ!上司」

・ITPro 「ヒューマンスキル往復書簡 田中淳子←→芦屋広太」


[後輩指導・OJT][2013年4月19日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第90回:恥をしのんでカミングアウト
執筆:岩淺 こまき

白に近い、可憐なソメイヨシノの色が目にやさしく、心も晴れやかになる季節ですね。
個人的には、八重桜や枝垂れ桜に多い、薄紅色や淡紅色をした花の方が好きです。以前から友人と花見にいった際には「少しピンク色が強い花が好きだ」と言っていたものです。さて、今年は家族と花見に行きました。満開の花をみて、私はいつも通りの歓声をあげました。「あの辺の薄紅色の桜が綺麗ね」と。


すると母はあっさり「あれは桃だねぇ」と言ったのでした。


私は絶句しました。日本人のココロの花ともいえる、桜と桃の区別を三十年以上誤って認識していたのでしょうか、と。一瞬自分の無知に焦りを覚えたのですが、よく考えると間違って覚えていたり知らないことがあったりすることは恥ずかしいことではありません。「えー、そうなんだ」と自分の間違いをひと笑いしてから、母から幹や花びらでの見極め方を教えてもらって、楽しく花見を終えました。


この出来事に対し、私の頭の中では、さまざまな思いが駆け巡りました。


三十過ぎて、この間違いは恥ずかしい!でもまぁ、友人の前で恥をかかなくて良かったかな。いや、桃とピンク色の桜(特に八重)は一見似ているし、ひょっとしたら友人もわからなかったのかも知れないかも。それにしても「間違うことは良いことだ」は、教育心理学の世界でも言うけれど本当の話だわ。間違った時に理解したことって、印象深く覚えるから、忘れそうにないなぁ・・・、などなど。


一連の出来事をふりかえり感じるのは「フィードバック(指摘)に対してオープンな気持ちで対応することの大切さ」です。今回の例では、自分の誤りを笑って認めたということがオープンな気持ちにあたります。笑って認められたからこそ、この後に続く母の説明をしっかりと聞くことができ、今後活用できる正しい知識を得ることができました。ここで母からのフィードバックに対し、心を閉ざしてしまっていたらどうなるでしょう。「娘の間違いがそんなに嬉しいのかしら」「なにも夫の前で言わなくてもいいのに、カッコ悪い」など、フィードバックされた内容を正しく聞くこともできないし、ネガティブ感情に捉われて、教えを請うどころの話ではなくなってしまい、自分の成長の機会を失っていたことでしょう。


松尾睦先生の研究によれば、成長する人材としない人材の違いは、「経験から学ぶ力」の差にあるということです。経験から学ぶ力の強い人は、経験から意図的に学びを抽出し、次の経験に活かしています。仕事やなんらかの行動をとる前には「ストレッチ(背伸びした)」する目標を立て、「エンジョイメント(楽しみ)」を見出しながら活動します。そして活動の中から学びを得るために、適切に「リフレクション(ふりかえり)」を行い、次の目標を設定するのです。


いずれも重要な要素ですが、経験から得た学びを成長につなげるためは、私は特に、適切にふりかえることが欠かせないと考えています。適切にふりかえるポイントは、他者からのフィードバックを受けることです。なぜなら自分だけでふりかえりをしていると、できていないのにできている、できているのにできていないと思い込むなど、誤った自己認識をする可能性があるからです。現状把握が正しくできていないうちに立てた計画は、残念ながら効果的とは言えません。現状を正しく客観視するために、他者からのフィードバックを受けるのです。何が足りなくて何を行えばよいかを把握したのち、計画を立てることが、成長する上で貴重な資源となります。


実際には他者からのフィードバックは、耳に快いものばかりとは限りません。特に自分の間違いや不十分であることへのフィードバックは、聞きたくない気持ちになる時もあるでしょう。しかしそこで心を閉ざさず、オープンな心でフィードバックに向き合うことで、成長につながるのです。


「心がオープンであること」。この姿勢は、仕事をする上でとても大切なことに思えてなりません。自分が正しい認識を持ち、新しい知識を得ることは、視野が広がり楽しさを実感できるはずです。4月は新しい経験が多くできる季節です。経験を成長の機会につなげるためにも、心をオープンにしていきたいものです。


信頼される社会人になるための基礎講座

参考:松尾 睦『「経験学習」入門』ダイヤモンド社

クイズ:この花はなんでしょう?
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岩淺 こまき (いわあさこまき)
グローバル ナレッジ ネットワーク 人材教育コンサルタント。
1997年、システム販売会社に就職し、営業技術支援および導入企業向けの研修を担当。
人材紹介会社にて中途入社社員に対する研修や、メーカーでの販売促進セミナーの企画・実施を経て2007年より現職。
プレゼンテーション、ファシリテーション、講師養成講座などヒューマン・スキル研修の開発・実施に当たっている。
2009年8月よりITproにて「おさえて安心 ビジネスマナー100」連載中。

[信頼される社会人になるための基礎講座新人社員研修][2013年4月 1日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第89回:3人のしゃもじ職人
執筆:高橋俊樹

寒い日が続きますね。でも気が付けば暦も立春を過ぎ、春がだんだんと近づいてきました。年々、月日の過ぎる体感速度が飛躍的に上がっているように感じます。今回は、時間に追われることが多く感じられる中で、ふっと思い浮かぶ言葉、タイムマネジメントについて考えたいと思います。

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しゃもじ工房の親方が3人の職人に仕事を言いつけました。「売り上げが芳しくない、なんとかこの状況を打破したいので納期までになんとかしてほしい」早速、それを受けて3人の職人がとりかかりました。


まもる君は、これまで工房で作成していたものと同様の木製しゃもじを作成しました。作り慣れているため彼にとって慣れた作業ですが、木材の状態によって仕上がりにばらつきがあります。そんなまもる君はいいます。「時間がきたら作業を始め、時間がきたら作業終える、それが仕事ですよ」


かける君が手掛けたしゃもじは陶磁器製です。微妙な曲線、デザインが群を抜いていて高い価格で売ることができました。ただし作成時間が木材の倍以上かかります。また、材料費が高い上に、扱い慣れた職人にしか作ることができません。かける君は言います。「徹底的にこだわり、常に改良し続ける、それが仕事ですよ」


つくる君は、顧客の声を拾い集め、立つしゃもじを作成し大ヒット商品になりました。プラスチック製なので、型を利用すれば誰でも同じ品質で簡単に作れます。余裕のできたつくる君は、次のしゃもじについて親方と日々話し合っています。そんなつくる君は言います。「自分のミッションにコミットすること、それが仕事ですよ」
1234しゃもじ.jpg
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さて、話は変わります。以下の状況に置かれたとしたら、どのように行動するのかを想像してみてください。


『手つかずのものが気になってせっかくの休暇を楽しめそうにない』

『顧客への提出が遅れ信頼を失いそう』

『定時に仕事を終えないと幹事をしている同窓会に参加できないかもしれない』


ほとんどの方が、想定された事態にならないよう余裕を持って仕事を進めるべく、段取りや作業内容を見直されるはずです。スケジューラーの活用やアラートの設定、To Doリスト作成などのサポートツールを用いるのも効果的です。


タイムマネジメントというと、このように作業の段取りをつけ、サポートツールを使って管理することをイメージする方も多いと思います。しかし、これは単なるスケジュール管理にすぎません。先ほどの例に挙げた状況ですが、あなたの取ろうとする行動と上司の考えは同じでしょうか?


『手つかずのものが気になってせっかくの休暇を楽しめそうにない』
 ●自分:仕方ないので休暇を返上して出社して頑張る
 ●上司:たくさんの仕事を依頼している。休みも取ってほしいので相談してほしい


『顧客への提出が遅れ信頼を失いそう』
 ●自分:とりあえず期限に間に合う範囲で仕上げる
 ●上司:大事な案件。期限はなんとか交渉するので、しっかり仕上げるのが最重要


『定時に仕事を終えないと幹事をしている同窓会に参加できないかもしれない』
 ●自分:時間が来たら終わってなくても仕事を切り上げる
 ●上司:周囲に迷惑をかけず、品質、納期などの進捗管理ができていれば問題ない


このように上司の考えが分かれば、ただやみくもに時間をかけたり、または時間通りに物事を進めたりすることだけがタイムマネジメントではないことが分かります。タイムマネジメントした結果が、チームとして達成すべき目的や目標に対して、「その時その時に求められているレベルで応えられている」ことが最も重要なのです。


そのためにすべきことは、仕事の優先順位や段取りをすることではありません。まずは、上司から、「今、求められている自分の行動や成果」を正しく把握し、コミットすることです。コミットしなければ結局は「やらなきゃいけないんだけど・・」と後回しにしたり、「今日は時間が来たから終了」と品質を落としたりする原因にもなりかねません。やるべきことにコミットできていることが、タイムマネジメントの前提です。そうすれば、優先順位の付け方とそのための時間の使い方が明確になるはずです。


だんだんと近づいてきた春。新しい年度に切り替わる企業も多いことでしょう。新年度に向け、本来のタイムマネジメントを意識して、冒頭のつくる君のようにプロフェッショナルな仕事ができるといいですね!


若手社員のためのタイムマネジメント ~自己管理力を高め、チームに貢献する~
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高橋 俊樹(たかはし としき)
グローバルナレッジネットワーク 人材教育コンサルタント/産業カウンセラー
1991年、自動車メーカー、営業担当者向けの教育の企画・実施を担当
その後テレマーケティング会社を経て2001年より現職
ヒューマン系講師として新入社員から管理職まで幅広く人材育成支援に当たっている
2010年4月まで日経BP、ITproのselfupで「コミュニケーション・スキル講座」を連載

[コミュニケーションタイムマネジメントチームワークと
フォロワーシップ
][2013年2月15日配信]

わくわくヒューマンスキルコラム
第88回:リーダー育成のレシピ
執筆:飯嶋 秀行

今は、誰でもインターネットで、欲しい情報をすぐに検索できますが、まだ、インターネットが普及する前、なかなか欲しい情報が手に入りにくい時代の話です。


お菓子作りがとても上手な知り合いがいました。
家が近いので、時々、手作りのケーキを持ってきてくれます。


「ケーキを焼いたので、おすそ分けです。よろしかったらどうぞ、召し上がれ」


「このケーキ、すごく、おいしいですね。食感がふわふわしていて、あまり甘すぎないし、ホイップクリームと一緒に食べるといいですね」


その時、初めて「シフォンケーキ」というものを食べました。


私自身は、甘いものは好きな方で、おいしいケーキも大歓迎なのですが、作る方はまったくできません。お菓子の名前や、作り方についても、まったく知識がありません。ですから、これから書く内容は、お菓子作りの専門家の方からみると、間違っている記述があるかもしれませんが、その点はご容赦ください。


「そう、美味しいと言ってもらってうれしいわ。私も、知り合いから作り方を教えてもらってから、何度も作っているのだけれど、なかなかうまくいかなくて、試行錯誤して、今回やっと満足のいくケーキが焼けたのよ」


「お菓子を作るときって、作り方を書いたレシピ(調理方法を書いたもの)があるんじゃないですか?」


「そう、ちゃんとしたレシピがあればいいのだけれど、シフォンケーキについては、知り合いから言葉で教えてもらって、その内容を紙にメモしたものしかないのよ」
「色々と本で探したんだけど、詳しいレシピがみつからなくて試行錯誤しながら、自分でレシピを完成させたというわけなのよ」


特に、「シフォンケーキ」の場合は、卵の泡立て方にコツがあったようです。
最初にメモしたレシピには、「しっかり泡立てる」書いていたものの、実際にやってみると、それではうまくいきませんでした。


同じ泡立てるにしても、
「クリームが帯状にとろとろ落ちる状態」
「ツノが立たず、すじが残るくらいの状態」
「しっかりとツノが立つ状態」
など、微妙な表現の違いがあり、それがケーキの仕上がりに影響を与えていたそうです。


私は、他人が作ったレシピさえあれば、その通り、正確に作業することで、誰でもおいしいケーキが焼けるのだと思っていました。ところが実際は、仕上がり具合を吟味し、足りない部分があれば、試行錯誤しながら、うまくいくコツをみつけ、自分の環境に合ったレシピに作りかえていく必要があるということです。


さて、皆さんは、「リーダー育成のレシピ」をお持ちでしょうか?
「リーダー育成のレシピ」を考える際に、例えば「リーダー育成のための研修」を実施しようと考えたとします。


育成すべきリーダー像を描き、リーダーに必要なスキルを明確にして、学習目標を設定する。学習目標を達成するための効果的な研修カリキュラムを設計することで、リーダー育成の最初のステップを踏み出すことは可能です。


ただ、単体の研修実施だけでは、その効果が限られてくるという現実もあります。


企業の人材育成部門の方から、以下のような悩みをよく聞きます。


「次世代のリーダーを育成するために、研修を実施しているが効果が上がっていない」
「リーダー育成研修で学習したスキルが、職場で実践されないことが多い」


リーダー育成研修で学んだスキルが、なぜ職場で実践されないのでしょうか。
人材育成ご担当の方のご意見をお聞きすると、


「学んだスキルが腹落ちしていない」
「研修後に、業務に落とし込めていない(机上の空論になる)」
「職場に戻ると、上司の理解がなく実践するための支援が得られない」
「職場で学んだことを一緒に練習する仲間がいない」


など、多くの共通する課題が浮かび上がってきます。


・研修で学んだスキルが、職場に戻って確実に実践される、
・それにより、チームの成果につながる望ましい行動が増える、
・結果としてチームの業績目標達成に貢献できること。


これが、人材育成に関わる仕事をしている私が日々、目指している望ましい状態です。


実現するポイントは、単体の研修実施という「点」から、職場での実践を含めたアクションラーニング型(※)のプログラムという「線」へシフトすることです。


リーダーを効果的に育成するためには、職場の上司のかかわり方を変えることも重要です。研修受講後に、職場に戻った部下に対して、学習したスキルの実践、定着が促進されるような支援が確実に行われるような仕組み作りも図っていきます。


そのような、試行錯誤を重ねるうちに、いくつかの成功事例も出てきました。
成功の要因を反映した「リーダー育成のレシピ」を作ることができました。
日々、お客様との協働作業の中で、改善を繰り返している最中ですが、それは多くの企業で適用できるものだと思っています。


(※)アクションラーニングとは、業務で実際に起こっている問題、チームの課題などを題材に実務的・実践的に解決策を考え、実践・行動に移していく学習形式のこと
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★ 効果的なリーダー育成に関して、無料セミナーを開催いたします ★

「リーダー育成のレシピ」に興味のある方、本気で、リーダー育成に取り組みたいと考えていらっしゃる人材育成ご担当の方、是非、皆様のリーダー育成に関する悩みや課題を持ち寄りご参加ください。
座学スタイルではなく、参加者同士でリーダー育成の課題を共有する体験型のセミナーです。このテーマに経験豊富なビジネスコーチが、ファシリテーターとしてワークショップを運営していきます。
また、グローバルナレッジのお客様で、次世代リーダー育成に成功された事例もご紹介いたします。


<無料セミナー概要>
〔コースコード〕OSA00048
〔コースタイトル〕「リーダーを本気で育成するなら、現場を巻き込め」
〔サブタイトル〕~研修効果を高める方法~
〔日程、会場〕
 2013年2月 7日(木) 13:30~17:00 新宿LC
 2013年2月19日(火) 13:30~17:00 大阪CVC

 >>詳細・お申し込みは、こちら


なお、「リーダー育成のレシピ」に欠かせない重要な要素に、コーチングのスキルがあります。個々のメンバーとのコミュニケーションを通じて、リーダーシップを発揮する際に必須となる、ビジネスコーチングの基本スキル、応用スキルについては、

ビジネス・コーチング(HSC0039G) 2日間

マネジメント・コーチング(HSC0040G) 2日間

研修の中で、多くの演習を通じて体験することができます。

[コーチングリーダーシップ][2013年1月17日配信]

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