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マネジメントの壺コラム
第4回: ITIL®で何ができるの? その2(プロセス編)
執筆:鈴木 寿夫

ITIL®で何ができるの? その1(機能編)」では、ITIL® v3のベストプラクティスに書かれている4つの機能(サービスデスク、技術管理、IT運用管理、アプリケーション管理)の解説を交えながら、ITIL®で何ができるのかについて考えました。

 

今回は、機能を支える重要なプロセスについて解説を交えながらITIL®で何ができるのかについて考えていきたいと思います。

 

まず、プロセスとは何でしょうか?プロセスは、過程もしくは活動ですが、その活動を行うきっかけ(トリガ)があります。さらに、プロセスを実行するためには、何らかのインプットが必要であり、そのインプットをもとに活動をすることで、アウトプットが得られます。

 

例えば、料理をするプロセスでは、トリガとしてはお腹が空いて何か食べたいので、料理をすることになります。その料理のプロセスのインプットとしては、レシピがあります。そのレシピに従って、食材を調達し、食材を調理することで、おいしい料理がアウトプットとして得られます。

 

ただし、このプロセスが定義されておらず、いつも行き当たりばったりでアドホックに行われていたらどうなるでしょうか?いつも異なる料理になったり、料理の味や品質にバラつきがあったりすることになります。それは、マネジメントされていないということになります。第1話でもマネジメントとは何かについてお話しましたが、マネジメントには必ず最終目標があり、そこに到達できるように測定して改善をすることを意味します。今回の料理の例でいえば、料理をするときのプロセスをマネジメントして、常にそのプロセスが最終目標である「短時間でリーズナブルな、おいしい料理を作り、空腹を満たす」ということであれば、この目標に向かってどんな料理を作る場合にもいつも一定の品質でおいしい料理を短時間でリーズナブルに作ることを目指します。そして、料理のプロセスを測定することで、何か改善する機会がないかを測定しながら、改善アプローチを行うことがプロセス・マネジメントになります。

 

ITサービスの提供においては、どうでしょうか?前回お話をしたサービスデスクという機能は、お客様に対する窓口機能を提供し、いろいろな問合わせやエラーなどへの対応を専門のチームで行っています。このサービスデスクでは、常にお客様に満足いただけるような対応を行うために、人によって対応が異なったり品質がバラついたりしないように、インシデント管理プロセスというマネジメント・プロセスが実行されることになります。

 

このインシデント管理プロセスでは、お客様からの問合わせやエラーをトリガとして、問合わせ情報やエラーの情報をインプットとして活動を行います。このプロセスでは、どんな問合わせやエラーでも、サービスデスクスタッフの誰が受けても同一の対応ができるように、あらかじめプロセスを定義し文書化しておきます。そして、常にその対応が文書化されているプロセスと差異なく改善する機会がないかどうかを測定しながら、継続的にプロセス改善に取り組みます。それがまさにマネジメントになります。インシデント管理プロセスの最終目標は、「迅速に通常のサービスに回復させる」ことを目標として活動をします。

 

  第4回 図v2.png 

 

その結果、インシデントに対して迅速に対応がなされ、サービス停止や使い方がわからないことにともなうビジネスインパクト(ユーザの仕事の生産性の低下や機会損失)を減らすことができ、ビジネスに価値をもたらすことができます。

このように、ITIL® v3ではインシデント管理プロセス以外にも全部で26プロセスがベストプラクティスとしてあり、それぞれの管理プロセスには最終目標が設定され、ビジネスへの価値が書かれています。

 

では、ITIL®では何かできるのかわかっていただけましたでしょうか?ITIL®では26のプロセス・マネジメントを中心として、常にビジネス環境の変化や変化へのスピードが求められるなかで、いかに顧客が望む価値ある高品質なサービスを提供し続けることができるか、ITサービスプロバイダとしての専門の能力を向上し競争力のあるサービス提供ができるかを継続的な改善を通じてできるようになります。

 

 

 


 

鈴木 寿夫 (すずき としお)

DIG2ソリューションズ株式会社 代表取締役
itSMF Japan SLM分科会 副座長


ITIL® Expert / ITIL® Service Manager, ITIL® Intermediate SOA/PPO/RCV/OSA/MALC, ITIL® Practitioner IPRC, COBIT Foundation, PMP®

1993年日本ディジタル イクイップメント コーポレーション(現日本HP)入社。フィールドエンジニアから、教育研修ビジネスの立上げ、運用アウトーソーシング、ITサービスマネジメント認定教育ビジネスのリードを行う。
2008年12月DIG2ソリューションズを設立し、ITサービスマネジメントの教育およびコンサルティングを行い、お客様のITサービスマネジメントの実践を支援している。



[ITIL(R)][2011年2月21日配信]

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